【こんな方向け】
☑丁寧な筆致で描かれる中華ブロマンス・ミステリーを読みたい方
☑中華モノって難しそう……でもその雰囲気を味わってみたい方
☑美しくもの悲しい人と人の心の物語を読みたい方
【あらすじ】
亡き幼馴染・江若雪の幽霊に憑かれた青年・杜天佑。
“幽霊の花婿”として江家に迎えられた彼は、王太子直属の怪異捜査機関「破迷司」で働いている。
しかし、世を騒がす連続殺人「首吊り鬼事件」で、彼自身が容疑者として疑われてしまう。
絶体絶命の天佑を救ったのは、「神」を名乗る謎の男・雷嵐。
彼との出会いが、幽霊、怪異――そして王国を揺るがす陰謀を暴く扉を開く。
果たして、首吊り鬼の正体は?
そして、幼馴染み・江若雪が杜天佑に憑く理由とは?
全51話。薄墨の膜を通して世界をのぞき見るような、美しくももの哀しい中華・謎解き譚です。
【おすすめポイント】
(1)語り口のうつくしさ
まず、作者・babubu様の語りが素晴らしいです。
中華世界の空気や香りを繊細に描き出しながら、現代の読者にもすっと馴染むしなやかな文体。
世界の奥行きと情感とを両立させる、この語りは、まさに作者様ならでは。
是非、物語の奥行きとともに味わっていただきたいです。
(2)謎解きのリアリティ
迷信を破迷司に所属しながら幽霊に憑かれ、「首吊り鬼」の疑いを掛けられてしまった天佑。
彼を助ける為、共に謎解きに臨むのは、謎の男・雷嵐。
自称「雷神」を名乗る彼は、腕っ節も強く、頭の回転も速く、頼りがいは抜群です。
そんな彼らが対峙するのは、人の心の陰――恐怖と欲望が生んだ数々の怪異。
――ある意味「ホンモノ」揃いの彼らが、いかに「迷いを破る」のか?
それこそ、この物語の魅力。
推理の快感と幻想の余韻、そのどちらも存分に味わえる贅沢な物語です。
(3)感情の余韻と、美しい別れ
この物語の核心にあるのは、“死者と生者の心の絆”です。
杜天佑と、彼に憑く江若雪――幽明を隔ててなお続くふたりの純粋な想いが、静かに、しかし確かに読者の胸を打ちます。
引用された詩との響き合いも美しく、別れが祈りへと転じる幕引き。
それぞれの前途へと思いを馳せたくなる感動のラストは、涙無しには読めません。
是非、ご堪能下さい。
〈+α サブキャラ達の魅力!〉
メインキャラは勿論、脇を固めるサブキャラたちも粒ぞろいです。
個人的には、ある事件から登場してくる「白虎」と、杜天佑の上司・段志鴻がお気に入り。
この「白虎」がですね、可愛いんです。
ネーミングセンスも素敵な、もふもふ。正義です。
一方の段志鴻は、特別格好いい、というわけではありません。
けれども、物語の中で良い味を出していると思います。
彼の活躍があって、物語がより生き生きとした輝きを増しています。
中華ファンタジーを読んだことがないという方にはぜひbabibuさんの作品を読んでもらいたい。とても分かりやすくて中華らしさを満喫できる、わたしのような中華ファンタジー初心者にもおすすめの書き手さんです。
日本と中国では文化やものの考え方が違っていて、中国ならではの言葉が登場する。それを調べながら読むのも非常に楽しくて、たとえば凶宅(殺人事件が起きた家のこと)、埋酒(酒を土のなかに埋めて熟成させること)、鬼求代(首吊りや溺死などの死者が自分の代わりを見つけるまで往生できない)、他にもへええそんな言葉があるんやとのこと目白押しです。
ほんのりファンタジーを交えつつ、納得できる物語としてのリアルな着地点がちゃんと用意されている。ファンタジーだし、では終わらない。そこが大変心地よかったと思います。
文化を楽しみ、物語を楽しみ、推理を楽しむ。
魅力がぎゅっと詰まった中華作品。読者にもとても親切なのでおすすめです!
主人公は王太子直属機関『破迷司』に勤める、杜天佑。
読んで字のごとく『迷信を破る』、つまり、巷で囁かれる摩訶不思議な怪奇事象を捜査する機関の役人……にも関わらず、幼馴染で美人な幽霊の奥様を連れ、自称『雷神』の美男と同居する羽目になり、自身には『首吊り鬼』の嫌疑までかけられてしまいます。
実は一番『摩訶不思議』を引き連れて歩いている、巻き込まれ体質の青年です。
本人は至って真面目で穏やかな性格。
ついつい助けたくなってしまう気持ち、わかります!
助っ人の自称『雷神』、雷嵐は闊達で美丈夫。推理力も武力も一級で、とても魅力的で頼りになる男性です。
幼馴染の亡霊、江若雪もピタリと寄り添い助けてくれます。
破迷司は人手不足ですが事件は待ってくれません。次から次へと珍妙な事件が起こり、このデコボコな三人組で立ち向かうことになります。
頼もしい仲間と共に謎を解き明かせば、人間の欲深さ、国政の歪みが垣間見えてきて―――
それはやがて複雑に絡み合い、杜天佑の命が脅かされる事態に!?
どんどんスピード感の増す展開にどきどきしました。
果たして彼らは無事解決できるのか。
是非、ご自身の目で確かめてみてください。
亡霊となった奥様、江若雪の深い想いにうるり。そして、雷嵐と育まれる信頼も。
じんわりと温かな人情も本作の魅力ですよ。
お勧めです!
杜天佑は、わけあって資産家・江家の養子になった。それは少し前に亡くなってしまった幼馴染である江若雪と、莫大な結納金と引き換えに「幽霊の花婿」になることを余儀なくされたからだ。しかしその後、江若雪の幽霊が杜天佑に取り憑いてしまうことに····。なにをしてくるでもない幼馴染の幽霊にも慣れてきた頃、江家との縁を頼りに、王太子直属の機関・破迷司となり、世間を騒がせている連続殺人――『首吊り鬼事件』を調査することになるのだが····。
『首吊り鬼事件』を追う中で、ある運命的な出会いが待っていた。上司に犯人と疑われ、自身もピンチに陥ったその時、自らを「雷神」と名乗る謎の男・雷嵐が現れる。ふたりは『首吊り鬼事件』を皮切りにいくつかの謎を追ううちに、すべてがある者が企てた陰謀だったことを知る。
ミステリー要素のある中華風ファンタジー✨
怪異の謎を解くのではなく、これは怪異ではないという前提の下、解き明かしていくという一風変わった物語なのです!
主人公、杜天佑と自称:雷神である雷嵐。
そして、なぜか杜天佑を助けてくれる幼馴染の幽霊、江若雪。
それぞれが個性的で華のあるキャラクターたちがとても魅力的です。中華小説苦手、なんて方でも全然楽しめるストーリー。もちろん、中華好きな方にはささるバディものでもあります!
個人的には、彼の上司である段志鴻が意外と好きです。だめだめなようでそうでもない、かといって優秀でもないけどやる時はやるという(笑)
コンテスト参加作品ということで、応援しております! オススメの作品♪
莫大な結納金と引き換えに『幽霊の花婿』となった美しき青年、杜天佑。怪異を暴く、王太子直属の機関に勤める彼は、世間を騒がす連続殺人『首吊り鬼事件』を追っているのだが……
どこかおっとりとした主人公の杜天佑と雷神を名乗る謎の男、雷嵐、そして幽霊となって杜天佑に憑いている幼なじみの江若雪という、ちょっと不思議な三人組(?)が挑む中華怪奇ミステリー。
超リアリストな雷神さまは、見せかけの怪異などには騙されません。ばっさばっさと小気味よく真相を暴いてゆきます。
そして最後の最後、すべての謎が明かされたとき、亡霊となってしまった江若雪の未練もあきらかに。彼女の想いに胸が熱くなります。
怪異と陰謀と、めぐる縁と再生の物語。ミステリーがお好きな方も怪奇ファンタジーがお好きな方も、そして中華な世界観がお好きな方も、ぜひ読んでみてください。
亡くなった幼馴染と死後に婚姻関係になった主人公が、雷神だと名乗る男と協力しながら様々な怪異絡みの事件の謎を解いていく、ちょっと不思議なミステリーです。
主人公の杜天佑は、王太子直属機関に所属しており、さまざまな怪異の事件を解決せんと奮闘しています。
杜天佑とともに行動する雷嵐は、冴えわたる推理で杜天佑をサポートし、てくれる頼もしい相棒です。
さらに彼は自らを雷神だと言っており……?
怪異な事件、だけど不思議だけでは解決にはならず、怪異の向こうにある真実を雷嵐が鋭く暴く様子が爽快です☆彡
そして、様々な怪異と真実の執着地点に辿り着いたあとのクライマックスの余韻が、読み終えたあとも心に残ります。
果たして彼は本当に神様なのか!?
真実は小説を読んで是非確かめてください(*´ェ`*)
資産家の養子になった美しい青年・杜天佑は、王太子直属機関『破迷司』の役人。
彼は『首吊り鬼』事件の捜査を任されます。
この作品、主人公のキャラ設定が興味深いのです。
少し茫洋とした所のあるが憎めない性格で、人が良い。
そんな彼は莫大な結納金と引き換えに、「幽霊の花婿」となります。そして、彼しか姿が見えない亡霊令嬢にとり憑かれたまま、事件解決に向けて働きます。
普通のホラーミステリーぽい仕立てと思った、あなた。
違います。
いろいろ違います。
幽霊の存在は杜天佑しかわかりませんが、しかし、その幽霊がみえる男があらわれるのです。
名を雷嵐。
このキャラがね、魅力的なんです。自らを雷神と名乗ります。
さて、杜天佑と雷嵐は『首吊り鬼』事件とよばれる殺人事件を捜査します。いわゆるバディものに近いのですが、そこに、なぜか憑いている女の幽霊もかかわって。
『首吊り鬼』事件の捜査に挑む男たちと憑いた幽霊の物語。
一読なさってくださいませ。
最終話の『友人』という言葉に胸が突かれます。
主人公の杜天佑は、怪異を暴く王太子直属機関『破迷司』の役人。
現在、破迷司が取り組む最大の事件は、世間を騒がせている連続殺人『首吊り鬼事件』であり、もちろん杜天佑もその解決に向けて捜査をしているのですが、得られた証言から浮かんできた容疑者は、まさかの杜天佑自身!?
困惑する彼の元に現れたのは、自らを雷神と自称する男、雷嵐。
怪異を否定し物事を理路整然と読み解く彼と、色々あって共に事件を追うことに。
とはいえ雷嵐は、自らを神を名乗るという、いかにも胡散臭い男。
果たして信用していいものか。何もわかないまま、二人で事件の謎に挑みます。
そしてもうひとつ。実は杜天佑には、結婚するはずだった幼馴染の幽霊がとりついていて、しっかりその姿が見えているのです。
怪異を暴く破迷司の人間としては幽霊の存在も否定するところなのかもしれませんが、目の前にいる幽霊をいったいどう受け止めればいいのか。
自称雷神と共に、事件も幽霊も決着をつけることはできるのでしょうか?
バディ物でミステリーで中華ファンタジー!
凸凹コンビが連続首吊り事件に挑む、というミステリーの王道のようでありながら、舞台は中華ファンタジーです。
主人公「杜天佑」の背後霊は、結婚するはずだった女性。
彼のもとに現れたのは雷神を名乗るリアリスト、その名も雷嵐。
自称カミサマなのに、あやかしなんて信じない!?
でもしっかり、幽霊は見えるんです笑
なかなか個性豊かな二人がバディを組んで、事件解決に奔走します!
事件には、杜天佑そっくりの男が関わっているという噂もあり・・・?
背後霊となってしまった婚約者の魂のゆくえも、
雷神を名乗る雷嵐の正体も、気になります!