死体装飾家の無花果さんは、依頼人の求めに応じて助手のまひろ君と共に、死体を探して、『作品』に仕上げる。
彼女は依頼人への質問から、死体になった人物もしくは犯人の行動や気持ちをトレースして、死体の居場所を突き止める。
だが、決して探偵ではなく、犯人を探して当てるわけではない。彼女が探すのは、あくまで死体だ。
そして、彼女の作品。死体を作品にするわけだが、決して死者への冒涜ではない。
死者の無念や気持ちを、最大限に引き出して、作品を作り上げる。
そして、依頼人に、その人物の想いを突きつける。
それが、死体装飾家という仕事なのだと、私は感じました。
その仕事の過酷さゆえに、彼女自身消耗し、文字通り命を削って作品を仕上げているわけだが、何が彼女を死体装飾へと駆り立てているのか?
これからの展開が楽しみです。
作品タイトルに「死体」とあるため一瞬身構えてしまいますが、実際の内容はヒューマンドラマ+ドタバタコメディ。安定感のある筆致と安心感のある世界観が魅力の、大人が楽しめるミステリー小説です。
特筆すべきは、1話ごとにキャラクターの心情が丁寧に描かれている点。作家の繊細さと思慮深さが行間から伝わり、それが本作が多くの読者に愛される要因のひとつとなっているように感じます。
また、「陰と陽(死と生)」という対比が随所で響き合い、作品全体に独自のリズムを生み出しています。まさに作者の感性が化学反応を起こし、物語として美しく花開いた印象を受けました。
章まで『Grave Dancers!~死体装飾家の修辞学~』は、死と芸術のあわいに揺れる、ちょっぴりグロくて不思議に温かい物語。
兄の死をきっかけに“死体装飾家”無花果と出会った青年が、彼女の作品に心を撃ち抜かれ、気づけば“仲間”としてカオスな日常に巻き込まれていく姿が描かれます。
死や腐敗といった重くなりがちなテーマを、軽妙な会話とシュールなキャラたちがふわりと包み込み、どこか心地よさすら感じる不思議な読後感。
芸術とは? 生きるとは?を、笑いと狂気の中にそっと忍ばせた一作です。
クセは強いけど、優しさもきちんとある――そんな物語に、あなたも少しずつ魅了されるかもしれません。
2章まで読了し、3章を読み始めるところです。
探偵役が死体アーティストの変わったシスター(?)とワトソン役がカメラマン志望の普通の青年で、変人探偵と常識的な助手、という典型的なところは押さえつつもよくある「事件を解決して犯人を逮捕する」タイプの探偵ものではなく「死体を探し当てる」という変わったストーリーに惹かれました。
何より良い点は会話のテンポが良く、サクサク読みやすいです!
頭にするする入っていく感じです。
私は趣味での物書きですが、会話文の読みやすさは見習うべきだなと思いました。
またトリックというところよりは人間の人生や生死観に重きを置いてる作品だと思います。
これからも読みます。頑張って下さい!