亜空間ってどうなってる?

「あーあーあー。聞こえとるか?わたしやてんちょうや」

何やらそれぞれの空間に声が響いているようだ。

「今とりあえずわたしがボコボコで試合が終わったからそここの説明をするからよーきーてな。まずそこはどんなに頑張っても死ねない、そして空腹状態にはならん。理由は描写がめんどくさすぎるからだ。あとは先住民にでも聞いてな。じゃあよろしく〜」

てんちょうは逃げるように回線を切った。

「さてわたしをまかすほどの戦士は1人しか思いつかないけどどこにいるんだろうね」

「ここにいるんだなそれが」

雪梛せつなが振り向くと完全に気配を消した雪梛が出てきた。

「やっぱりそうきたね。絶対来ると思ったよ。つってもそっちも待っていたんでしょ」

雪梛は特に驚きもせずに話しかけた。

(そうだよ。あと描写の関係上亜空間にいるわたしたちはこのかっこで話していくからよろしくね)

読者に嬉しいことをしてくるのがいかにも雪梛らしい。

「まあどうせまた最後に描写させられるだろうからここいらで切り替えとく?」

(そうだね。まあなんかあんまり香澄とわたし以外濃い内容にならなそうだけどね)

むずいんやししゃーないやろ

「収集がつかないから言葉に切り替えとくね」

ありがとうな





「なんであたしがもう1人いるわけよ」

(向こうで説明しといてくれれば楽だったのになぁ)

言映ことはは呆れながら言った。

「そういえばあんたはあたし認識でいいんだろうけどどういう状況これ」

(まあ簡単に説明すると一時間先のあたしたちを想定して作られたらしいよ。まあもっともこの一時間先というのはあんたには関係のないことだけどね)

要約するとほぼ同一人物がこのフィールドにいるってことだ。

「成程ね。ところでなんて呼べばいいの?名前被りは正直きついよ?」

(それだったら二つ名で呼べばいいよ)

言映は納得した。

「ところで直感進行よ。ここでは何をすればいいのかな?」

直感進行は少し呆れて言った。

(あれきいてなかったんかな?ほらてんちょうが強くなって帰ってこいって言ってたじゃん)

「麦わら帽子でも渡されてんのかねあたしは」

冗談を言いながらも言映は思考を回し始めた。

(まあ考えるまでもないでしょ。つまり戦えってことじゃないの)

「単純明快でいいねぇ。互角の試合とか最高だね」

(全くだよ)

2人は笑って同時に抜刀して全く同じ構えをとった。

「変な感じだね」

(まあ遠慮なくいくよ)

直感進行は地面を蹴ってトップスピードに乗せて言映にきりかかった。

言映は見切りを使って初撃を避けて攻撃に移った。

直感進行は振り向きながら刀を振って刃を合わせてすぐさま距離をとった。

「同じだと全部読み切られちゃうね」

(まあ厳密には違うとかいっても誤差だしな)

2人は姿勢を低くして力をためている。

同タイミングで走り出し刃を合わせては離れるヒットアンドアウェイが始まった。

「同一条件でわたしに勝てる?」

(根比べならまけないわよー)

ネタをやりつつも確実に速度が上がってきている

「(初月乱舞)」

側から見ても正確には見えないが両者無傷で未だ斬り合っている。

「もっと上げていくわよー」

(望むところ)

さらに速度が上がってそしてどんどん相手が死角に入り始めた。

ついに完全な死角からの高速突進となった。

「(無月乱舞)」

両者互角の試合で一つのミスが命とりとなる状況だ。

(ここが限界点かね。まあしょうがないよ。ここからは見て学んでついてきな)

「なんだか面白そうだね。いいわよ。食らいついていってあげる」

直感進行は突撃をやめて受け流しに転じ、まるで演舞を踊るかのように華麗に言映の刀を流している。

「なんだその美しい舞は。まあ勝負はここからだよ」

言映は宣言通りにスピードをさらに上げ始めた。

直感進行は顔色ひとつ変えずに流している。

(決めるわよー)

軽い感じの言い方とは裏腹に真剣な眼差しで次の言映の位置を予測して雪梛のマイゾーンにも負けない超速で一刀だけ振り下ろした。

(演舞:新月斬)

相手の行動パターンを法則化して防御に回るはずの集中力を刀にかけることで更なる速度での振り下ろしを可能とするAT型である言映の唯一のカウンター系統の技だ。

「!?」

言映は直感で危険を悟って急激な進行方向の変更をして紙一重で避けてそのまま距離を取ろうと慣性に任せてそのまま動いた。

(もらったよ)

直感進行はもう一刀の刀を言映目掛けて鋭く正確に投げていた。

「はあぁ!」

言映は体勢が悪かったにも関わらず気合いで刀を弾いた。

(こりゃ驚いたよ。まさか刀を弾かれるなんてね)

「あたしとしてはあの演舞のほうが奇妙めいていたけどね。あれってあたしもできんの?」

直感進行は笑いながら答えた。

(そりゃもちろんだよ。あたしを誰だと思っているんだい?)

言映はそれを聞いて大笑いした。

「ははは。そりゃそうだったね。なにせあたし以外の何者でもないからね」

言映は刀のチェックをしてから鞘にしまって座った。








「あれ?団欒パートはいいのかー?」

(まあいいんじゃない?そこまで描写しちゃうとマジでやばいことになっちゃうよー)

りえ達は銃のオーバーホールをしながら話していた。

「で、私たちはどーするよぉ。イレギュラーさん」

(まあ殴り主体の強化だけでいいと思うんだよねー。結局反射2+を強化したいとこだけど)

りえは納得したように頷いた。

「まあパクられまくっているからあれだけどねー。それかてんちょうの技ぶんどる?」

(ああいいねそれ。自損ブーストの強化かな)

りえは立ち上がって臨戦体勢へと切り替えた。

「まずはあなたの限界点を見せてくれない?そしたら見えてくると思うんだよね」

(いいよー。とくとご覧あれってやつだよ)

イレギュラーは2+の拳を身体にぶち込んで衝撃保留をした後にりえに向かって2+の速度を混ぜて突撃しながらパンチを繰り出した。

(セミフルブレイク)

ドーン

「くっ」

りえは衝撃透過も混ぜつつ吸収したがあまりの勢いに失敗して大ダメージを喰らってしまった。

「すっげえ攻撃だなー。でもわかったぞ。これの受け方に威力増強の方法が」

りえは肩で呼吸しながら言った。

(じゃあぜひ見してくれよ。今度はわたしが受けてやるからよー)

りえは呼吸を整えて2+の拳を身体に2発、3発とぶち込んでいって5発めでようやく準備が完了した。

りえの身体はあほみたいな火力を保留しているせいでものすごく震えている。

(さあどんとこーい)

やばさが伝わってこない声でイレギュラーは構えている。

「いっくぞーー!」

地面を蹴るだけでもの凄い爆音が鳴り響き刹那モードのマイゾーン(30%の本気度)に匹敵する速度が出ていた。

さらにインパクトの瞬間に2+を無理矢理入れ込んで火力を底上げして破壊しにかかった。

(はぁぁぁぁ!)

イレギュラーは触れた瞬間の逆ベクトルの2+をかけて少しだけダメージを減らして直後に衝撃吸収へと移行して喰らってから衝撃保留を使って最小限にしようとしたがいかんせん速度が速すぎて初撃の時点でやばかったため失敗した。

ドーーーン

イレギュラーは超高速で吹っ飛んでいき地面に激突した。

「これはなかなかすごい威力だ…な…」

りえはそう言ってぶっ倒れた。

(この脳筋頭脳…が…)

悪態ついてイレギュラーも倒れた。









「なんか2人のパート短すぎないかしら?」

(まあそれでも爆発的に新技ができていていいじゃない)

朝月さつきと一点集中は互いに考察について話していた。

「あたしはどうなのかしらね。なんかあんまり強化の余地はない気がするのだけれど」

(それはあんまり心配はいらないわよ。それよりもあなたはどこまで気づいていたのかしら?)

朝月は質問の意味を理解することはできた。

「まあ違和感程度だけどもね。雪梛が本気じゃないかもってのは薄々感じてたわよ」

(流石は観察眼の師匠ねって褒めてやりたいぐらいよ。まあそこは一旦置いといてあなたは何を強化していくの?)

朝月は少し考えてからぱっと頭を上げた。

「そうね。あたしはATF型になるわ」

一点集中は面白そうに微笑んでいる。

(最高の選択肢よ。非常に高精度な観察眼が使えるのにATだとうまくいかせないじゃないってずっと思っていたのよね)

朝月は立ち上がって抜刀しようとしたが一点集中の雰囲気を感じ取って首を傾げた。

(まあそんなに焦らないでちょうだい。ここの時間は無限とニアリーイコールなんだからね。まあ一つアドバイスをしようかしら。あなたは見切りをつかえなかった原因についてよ)

朝月はなるほどと頷きながらまた一点集中の近くに座った。

「あれは単にあたしの技量が足りないせいじゃないってことなのね」

(話が早くて助かるわ。そうね。回避技術はそこまでだとしてもあなたの観察眼は少なくとも刹那モードの20%分はあると思うわ。まあじゃあなんでできないのかっていうとこれは簡単な話よ。シンプルにデバイスが高性能すぎて処理機構が追いついていないだけなのよ。まあそれの裏付けとしてはあの時の雪梛はあなたにダメ出しをしたでしょ?でもあなたの観察眼は雪梛に伝授した物で雪梛はその観察眼を使って見切りを発動させているわっていうことなんだけどわかった?)

「今の内容は理解したわ。でも脳の処理スピードをあげる方法がわからないじゃない。そこはどうするつもりなの?」

一点集中は立ち上がって抜刀した。

(こいつでやりあえばそのぐらいは簡単に掴めるようになるわよ。単純にあなたの対戦相手がアホすぎてうまく習得できなかっただけよ)

朝月は抜刀して距離をとっていつもの構えをした。

(そういや言い忘れていたわ。あなたは抜刀しちゃダメよ。でないと刃を合わせちゃうから回避するタイミングがなくなるわよ?)

朝月は内心マジかと思いながらも納刀して代わりの手刀を構えて気を紛らわした。

(じゃあいくわよー。きっちり避けてみなさい)

一点集中は持ち味である筋力をフルで使って朝月に切り掛かった。

シュ

「難しいわね」

(できるはずよ。でないととっくに死んでるもの)

一点集中は今度は速度を抑える代わりに鋭いシンプルな斬撃を始めた。

シュ シュ シュ

何発かごとに当たってしまっているがそれら全ては肌まで届いていないらしい。

(なかなかつかめてきたじゃない。じゃあそろそろあなたにとっての未知の技を使うわよ)

「いいわ、きなさい」

朝月は観察眼で一点集中を行動を見切って技の構造まで見切った。

「面白い技を撃ってくれるのね。あたしの目にはもう全部見えているわよ?」

(流石あたしなだけはあるわね。いいわ。避け切ってみなさい)

一点集中は一層集中力が増して目にも止まらぬ爆速で朝月の方に振り下ろした。

風を裂いて爆速で空気の塊が2、3個飛んできた。

朝月は2発を最小限の最効率で避けて3発目には避けた後の全力パンチで破壊した。

(見事よ。もうあたしに教えられることは何もないわ。何せあなたはあたしに追いついたんだからね)

「ありがとうね。またここで会いましょう」

(いや、会うなら別世界ね)

何やら意味深なことを一点集中は言った。





(暇だねぇ)

「ほんとだよ。まあようやっと番が回ってきたんだしそろそろ動くとしようかね」

本当はもっと細かく書いてやりたかったんだがな。

「ここに本音を漏らさないでよね。そういうのはツイターとかでやってよね」

すまんすまん

(私たちはどうしようかね)

防御流派と霊斬れいきは座りながら雑談していたようだ。

「まあなんの技を強化するかだよね。わたしだったらカウンターか、受け流しの精度、それかまあ攻撃技の開発だね」

(まあしれぐらいしかないよね。この中だったら攻撃強化が一番いいかな。バランス的にね)

霊斬は少し考えてからそれを否定した。

「いやもしかしたら雪梛との試合になるかもしれないからここはカウンター系統の開発だね」

なるほどと防御流派は頷いた。

「具体的にはどうしようかね?まあ対戦すれば思いつくかな」

そんなことを言いながら両者抜刀した。

(結局こいつで考えるのがいいからね。それじゃあ早速行こうじゃないか)

防御流派は受けの構えをとって相対する霊斬は攻めの姿勢で硬直した。

バッ

霊斬は駆け出し間合に入ったところでシンプルな斬撃を放った。

防御流派は刀が触れると同時に受け流しからのカウンターを発動させて霊斬を斬りにかかる。

そこは想定済みの霊斬は気配感知を発動させて大体の軌道を理解して刃が身体に触れる瞬間に受け流しを発動させて流しきると同時にその慣性のまま刀を振るった。

防御流派はまだ続く受け流し合戦に面白みを感じながら刃を合わせてカウンターを再度繰り出した。

霊斬は刀をあえて手で受け流して無駄を減らして防御流派に斬りかかった。

防御流派はその刀を身体で受け流しつつ刀を振るって霊斬に反撃した。

霊斬は無意識化を測って意識を沈め込み最適解の行動をとらせてさらに鋭い斬撃まではなった。

防御流派は驚いたがきっちり刃を合わせて流し斬ると同時に後ろに跳躍して距離をとった。

(何この面白過ぎる戦いは?)

「ちょっとだけ見えてきたね。この技を扱うための状態が」

霊斬は意識を疑似的に消して脳に錯覚させつつ防御流派に突撃した。

接近と同時に刀を振り下ろした。

非常に良いムダが少なくいい動きだが少しだけ動きが遅くなっていた。

(無意識を使用するならその速度低下をなんとかしないとすぐに攻略されるよ)

「わかってるよ」

防御流派は確実に流すために刃を合わせて丁寧に受け流しを始めた。

カウンターは挟まずただひたすらに隙を待つ。

防御流派は霊斬の攻撃のパターン化を完了させて隙の出るタイミングでカウンターを入れ込んだ。

霊斬はカウンターを回避しようとしたが速度低下が影響して間に合わないため無意識を解除して無理矢理な物理回避をした。

防御流派はここぞと言わんばかりに鋭い一太刀を入れ込んだ。

霊斬は受け流し不可と判断して無意識化の最適解で逃げようとしたがそれも間に合わないようだ。

霊斬は無意識状態での集中力上昇を試みるようだ。

「はあぁ!」

見事成功して速度上昇となったようだ。

(まあ元々成功するだろうとは思っていたけどそんなすんなりいくもんなんだね)

「まあそう簡単に斬られるわけにはいかないってわけだよ」

霊斬はてんちょうのコンセントレム状態になっていた。

(流石だね。まああいつのやつと比べちゃうと人格形成からやっているから流石に少々劣るけどそれでも十分だよ。まあいい感じのところまで来ているとも言えるしようやっと入り口から入場したとも言えるけどね)

霊斬は少し違和感を感じたがそこは無視して別のことを聞いた。

「あの行動のパターン化はなんなの?多分観察眼の延長線上だと思うんだけど」

防御流派は感心しながら頷いた。

(流石わたしと言ったところかな。まあ半分あたりで半分不正解ってとこだね。あれは観察眼の延長線上じゃなくて逆なんだよ。つまりは観察眼を得るための通過地点といったところだね)

「つまりあれは見切りの延長線上ということになるのかな?」

(そういうこと。まあ厳密には少し違うんだけどね)

霊斬は納刀して見切りを発動させた。

「じゃあわたしの特訓にもうちょっと付き合ってよ。そいつを習得するまでね」

(まああんまり万能じゃないんだけどね。気配感知よりは使い勝手がいいって感じだけど。まあいいよ付き合ってあげる)

防御流派はコンセントレムを使って霊斬に仕掛けた。

霊斬は確実にそして正確にコンセントレムで回避している。

普段よりも正確にそして素早い動きが可能でだんだん相手を見る余裕ができてきた。

防御流派は一度距離をとって納刀して居合いの準備をしている。

バン

防御流派は地面を蹴り飛ばして高速で霊斬に向かって抜刀し始めた。

霊斬は抜刀しきった瞬間に刃を合わせて受け流しからのカウンターを入れた。

居合いの速度が乗ったカウンターは普段のものより格段に早く防御流派はもろにもらった。

(ぐはっ)

霊斬は血を振り払って納刀した。

「すごいねこれ。普段じゃ絶対あんなのカウンターできないよ」

(完璧だったよ。きっちり頑張ってきな)

「任せとけ」

最高の笑顔で霊斬は言った。





「なんか格差社会を感じるような長さね」

(でもあいつはなんだかんだりえの技が今んとここの亜空間パートで一番好きらしいわよ)

ここには香澄かすみが2人…ではなくほむがいた。

「で、なんであなたがここにいるのかしら?わたしはてっきり自分と最高の銃撃戦を繰り広げられると思っていたのだけれど」

(まあ安心して頂戴。少なくとも全力でやればボコボコにできる自信があるわ)

「奇遇ね。わたしも同感とだけいっとくわ」

特に剣呑な雰囲気でもないのでなんか違和感がすごい。

「で、どうしようかしら」

(今から私とやる以外の選択肢があるのかしら?)

「それもそうね。早速やるとしましょうか」

両者セーフティを外して香澄はフルに切り替えて構えた。

(ブレイクショットね。いいわ、きなさい)

ほむはセミのままただ香澄を見据えている。

香澄は不意に動き出していつもよりも正確にそして複雑な軌道となるように緻密な計算をしながら撃ち込み始めた。

「ビリヤード」

ほむはキーを瞬時に見つけようとしたがキーがなかった。

香澄は銃弾の包囲網が出来てから狙いを澄まして3発打ち込んだ。

「見切れるかしら?」

ほむは弾が入った瞬間に全弾の軌道を計算し直してキーを見つけ出して弾いたがそのほむの撃った弾自体がさらに弾丸の包囲網へと吸い込まれいった。

「あの子だけだと侮るのはやめといた方がいいわよ」

弾丸の追加によってキーが増えたりサブキーが増えたり逆にキーがキーじゃなくなったりしてさらに複雑さを増した。

(なかなかめんどくさいことするわね)

ほむは危険でない弾を弾いてその弾いた弾で更に弾いていき弾数は最小限に抑えて網を破壊した。

「やるじゃない。ミラーガンも使えるとは思っていなかったわ」

香澄は特に気にした様子はなく言った。

(いいわ、こっちも最初からフルで飛ばしていくわ)

ほむはコンセントレムにハイテンションをかけて立体的視認を発動させた。

「その視認のやつは面倒ね。なにせ弾の起動が全部バレちゃうんだもの」

香澄はそんなことを言いつつもすでに次の計算を終えているようだ。

香澄とほむは同時に動き出した。

香澄はほむの四肢を狙って弾を撃ち出した。

ほむはきた弾にミラーガンを使って2発で4発分撃ち落としさらにその反射した弾を後から弾を撃つことで軌道修正をして香澄の両肩を弾同士の時差をつけて狙った。

香澄は先にきた弾を見切りで避けて後の弾を指先で受け流しからの反射を使って投げ返した。

ほむは帰ってきた弾を立体的視認で射線から外れて回避した。

「あら?投げ返さないのね。余裕がなさそうでがっかりだわ」

(そうよ。私はいま余裕がないの。脳が焼き切れそうになるくらいには能力を使っているからね)

ほむは無表情でそんなことを言っていた。

香澄はリロードをしてからフルに切り替えて銃を構えた。

(それはもう通用しないってさっきやったじゃない。まさか別の技とでもいうの?)

「ええそうよ。だってブレイクショットって知ってるかしら?あれはビリヤードで最初のショットのやつよ。あんなお遊び技が通用すると思ってなんかいないわよ」

ほむは少々驚きながらも次の来る技の予想へと入った。

「まあ脳の稼働率は50%でいくわ」

香澄はほむの足目掛けて2発そして両肩にも2発更に回避先にも2発置いてミラーガン対策で反射先の軌道となりうる場所に3発撃った。

ほむは冷や汗をかきながらも足に来た弾は軽い跳躍で避けて肩にきた弾にはミラーガンで回避そしてミラーガン対策に2発とも引っかかってしまったため角度をを調整しつつのミラーガンで回避し切った。

(恐ろしい精度ね。何かしらその正確さは)

「こんなもんは結構簡単よ。まあ今回はたまたまミラーガンが引っかかったってだけよ」

香澄はつまらなそうに言った。

「なんでわたしはミラーバトルじゃなかったのかしら。こんなんじゃ相手にもならないわ」

(まあ楽しみは最後までとっておけってやつよ。ちょっとぐらいはウォーミングアップになったんじゃないかしら?)

「まあそうね。でもわたしに50%も使えわせるとはそれなりね」

香澄は身体をほぐしなががら言った。

「まあそろそろ戻して頂戴。今回長くていいのは雪梛だけよ」

(わかったわ。そういえば雪梛同士の戦いをあなたにはお詫びとして見せるけどどうかしら)

「是非そうしなさい。それで今回は手を打ってあげるわ」

香澄は嬉しそうに突然出現したモニターの前に座った。

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