競走だー
とりあえずダンジョンから出ることができたため三人は雪梛宅に向かう前にカフェに寄った。
ちなみにこの時
「ご注文はお決まりですか?」
「ホットココア、ホットコーヒー、それと紅茶をそれぞれ一つずつください」
「承りました。それにしても勇者さん、珍しくお仲間をお連れしているのですね」
「そうだよ。とっても面白い奴らだよ。今度はこいつらと一緒に魔王と遊んでくる予定だよ」
「それは楽しみですね」
そういうと注文をとってくれた店員さんは厨房へと向かっていった。
「今の人知り合いなの?それに魔王を敵視していなかったけど」
雪梛はもっともな疑問を
「今に人というよりかは私はこの世界の大体どこにいっても知り合いがいるぞ。まあ単純に魔物から守れる範囲が絞られていて少ないだけなのだがな。それと二つ目に質問についてはそういう人もいるってだけだよ。別に誰が他人をどう思おうと自由だからね」
そうしているうちに飲み物がもう出来上がったようだ。
「お待たせいたしました。ホットココアとホットコーヒー、それから紅茶と砂糖です。ではごゆっくりどうぞ」
飲み物が届くと初雪は一緒に置かれた砂糖を一気に入れてかき混ぜはじめた。
「あら、この世界に私とブラックを飲みながら話せる人はいないようね。残念だわ」
「そういうと思って私がきたよー」
声がした方を見るとそこにはなぜか
「あら追ってきてくれたのね。すみませーん。ホットコーヒー1つお願いします」
とりあえず香澄が静樹を初雪の隣に座らせた。
「なんで毎回別世界からの来訪があるのかな…とりあえず来た方法を説明して」
静樹は少しだけ胸を張って話しはじめた。
「いいわよー。まあ簡単な話よ。私はこれでも作者だったんだから雪梛たちがいなくなってその権限が戻ってきたから同じ世界を生成してついてきたってわけ。まあ来れたのは運が良かった感は否めないけどもねー」
そんなことを言っていたら先ほど頼んだホットコーヒーがきたようだ。
「そういえば貴方飲めるのかしら?前はホットココアを飲んでいたじゃない」
「ふふ、これでも私は大人のお姉さんなのよ。飲めるに決まっているじゃない」
誰にでもわかるような盛大のフラグを立てて飲みはじめた。
もはや初雪さえも期待しながら三人して静樹を見ている。
「やっぱりいいわねブラックも」
ズコー
三人はテーブルに頭をぶつけた。
奇跡的に飲み物はこぼれなかったようだが静樹は不思議そうな顔をしていた。
「どうしたのかしらー。私が苦ーいとでもいうと思っていた反応をして」
「静樹は強制送還しておくね。またね」
「え?」
雪梛はそう言ってスマホを操作しはじめた。
文字を打ち込み終わると静樹の背後に亜空間ができて初雪がその中にぶち込んだ。
「また会おうねー」
いつもの独特な喋りをしながら静樹は消えていった。
「さてと、今の人のことは忘れた方がいいかな?」
「いや、特段隠すことでもないからね。あの人は静樹って人。魔法を使う世界の元作者で今は彼女に作者の権限が移っている。どんな人かって言ったら私とか香澄みたいな人っていうのが一番わかりやすいかな。まあそんな人だよ」
その後は雪梛が使っていた技の話だとかシールドについてだとか話して帰宅となった。
帰宅して手を洗ってから三人は雪梛の部屋で次の目的地について話していた。
「やることもないし一旦魔王と会ってくる?」
「なんかまた爆速で終わる予感ね」
香澄はそう言ったが確かに今の自分達にはもはや魔王以外の相手はいないと言っても過言ではないようだ。
「まあ長さは気にしなくていいよ。私がなんとかするから」
「ありがとね。じゃあ早速明日魔王城にいくわよ。ところでは初雪、貴方家はないよね?」
「そうだよ。いつも野宿だからね。ここに泊めてくれない?」
予想通りの答えだったので香澄と雪梛はもちろん了承した。
「だと思ったよ。今日は私の部屋で寝ていいよ。布団も敷いておくから」
「すまないね。まあありがたく使わせてもらうね」
そうして三人は夕飯を食った後風呂に入ってさっさと寝た。
翌日
少女たちはいつも通りの早起きをして早々に魔王城へいく準備を整えた。
「流石に徒歩で行こうか。道中で自転車にキズでも入れられたら私がこの世界を破壊しかねないからね」
冗談には聞こえないことを言って三人で山を登りはじめた。
今回は魔王城に行くといっても討伐しに行くわけではないのでそんなに緊張感があるような旅にはならなそうだ。
「道中の魔物はどうするの?流石に全部は倒さないでしょ」
「基本的にスルーかな。まあ私には天使の加護がついているからあんまりたくさんはよりついて来ないんだよね」
意外と冒険の際には便利そうなおまけがついていたようだ。
「じゃああまり面白みがなさそうね。さっさと行きましょ?別に私は流体無焦点で飛んでいってもいいわよ」
本当にすっ飛んでいきそうな香澄を雪梛は一旦止めた。
「そしたら魔王について説明してくれないかな。どんな呪文が使えるとかこういう性格だとかなんでもいいから」
初雪はその言葉を待っていたと言わんばかりにニヤリと笑って話しはじめた。
「いいよ。じゃあまずはあの人がどんな呪文を使えるかについて話そうか。とは言っても使える呪文の種類は私と同じぐらいかな。問題はその質だね。あの子の呪文の質だと今の私の最上位呪文であるギルトフラールを一個下の呪文で相殺ができる感じかな。まあ私の愛してやまないフリーラルストレードと闇呪文ならもしかしたらって感じかな。今のところじゃ全く勝てるビジョンが見えないね。あと結構体術もできて刀を持たせれば多分私と同等クラスかな。まあもっと鍛錬を積まれていたら加護がないとはいえやばいんだけどね。あとあの人の正確に関してはよく喋るし話もよく聞いてくれる。まあなんかいいやつだよ。会ってみればわかるとしか言いようがないかな。まあ今の私が知っている情報といえばこのぐらいかな。後そういえば呪文の技名について話しておこうか。本来呪文に技名なんてなかったんだけどそんなんじゃあまりにもカッコ良さたらないでしょ?だから私が呪文を発動する際に発動までのため時間を使って詠唱をするようにしていたらなんか他の人たちも真似してくれてこの詠唱するというものが広がったんだよ。それじゃあさっさと魔王城を目指すとしようか」
初雪は急にランニングを開始した。
「そしたら競争なんてどうかしら?この暇な上り道なんだからせっかくなら楽しみましょう?」
「いいよ。じゃああそこの木からスタートね。どんな方法を使ってもよしだけど攻撃はしないでね」
初雪は言ってしまった。
どんな方法を使ってもよしと。
三人が同時に木にたどり着いた瞬間に競争という名のバトルが始まった。
香澄と雪梛は流体無焦点で一気に飛んでいき初雪は魔王城まで氷の道を生成してその道を走り出した。
「あの二人早すぎでしょ…本当に人間なのかな」
そんなことを言いながら初雪は早くもビリ確定してしまった。
一方雪梛と香澄はせっていた。
二人は流体無焦点で地面を蹴っては飛んで蹴っては飛んでをくり返してようやく目の前に魔王城が出てきた。
二人は同時にマイゾーン:一閃をしてその余波で入口の警備を殺してしまった。
「「どっちだ!」」
二人は同時に発声して顔を見た。
「そこの水色がかった髪がとても綺麗な貴方の方が速かったですよ」
二人は見切りを発動させて声の主の方向をみた。
「そんなに警戒されなくて大丈夫ですよ。何も貴方たちを消すわけではありません。そういえば貴方たちは確か最初にこの世界に来た時にこの辺にいましたよね。今はきっと勇者であるあの子と一緒に来ていたのでしょう。立ち話もなんですので中に入ってください。っとあの子もかなり速くなりましたね」
魔王がそういうと初雪が遅れて到着した。
「はぁ、はぁ、二人とも速すぎってもう話していたのか。こんにちは、暇だから遊びにきたよ」
初雪は記録更新していたことには気づかずの魔王に挨拶した。
「相変わらず元気そうですね。まあとりあえず中に入ってください。急な来訪でしたのでお茶ぐらいしか出せませんが」
そういうと魔王は中へと入っていった。
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