脳使用率上昇
「あんな結末はないんじゃないかしら?本当に最低だったわよ」
そんなことを言いながらも
「随分と楽しそうじゃん。そういやイベント速攻で終わっちゃったね。この後どうしようか?」
「もちろん光奈との交流よ。それから出来れば強化イベントを挟みたいわね」
香澄は悩みながら話している。
「そうだね。また亜空間はなんだか味気がないからね。そしたら複合技かな」
雪梛はそんなことを言いながら外へ出る支度をした。
「とりあえず接触を図ろうかしら。あとはそこからどうとでもなるわ」
2人は支度を済ませてとりあえず外へと出た。
街中に出てから数十分で
「こんにちは光奈。ようやっと見つけたわ。少し時間あるかしら?少々やりたいことがあるのだけれど」
「もちろん良いよ。どうせこの後も予定がなかったからね」
光奈がこちらの提案に乗ってくれたため後は
「もしもし?あー会長今って時間ある?もしあるんだったら私の家に来て欲しいんだけど」
その後少し会話をしたから雪梛は電話を切った。
「どうだったかしら?まあどうせOKなんだろうけども」
「その予想通りだよ。じゃあ早速帰ろうか」
そう言って光奈を連れて雪梛と香澄は一旦家へと向かった。
「思ったよりも早かったわねー。私もちょうど来たところよ」
家に着くとすでに会長が待っていたようだ。
「待たせちゃってごめんね。じゃあ開けるから案内しといて」
そう言って鍵を開け雪梛は三人を中に入れた。
雪梛は抜刀して刀の具合のチェックを始めた。
先日刀身が熱くなってしまったためそれのチェックをしたかったのだ。
幸いなことに特に異常はなかったため納刀して中へ入っていった。
中に入ると既に飲み物まで用意していたようだ。
「悪いね。こっちが呼んだのに遅れちゃって。まあ始めようか」
雪梛は座って話す内容を考えながら話し始めた。
「えーっと。まずここに二人を呼んだのは光奈に大幅な戦力強化をするためだよ。その方法について話していこうか。まずは結果的にどういうものを求めるのかというと今の電気系統魔法に加えて熱系統魔法を取得することかな。この方法を成功させるには会長が必要不可欠だったんだよ。会長は覚醒モードに入ると目が赤くなって熱系統魔法が使える。要はその覚醒を光奈に習得してもらうってわけだ。ここで一つの疑問を解くために言っておこう。何故光奈を選んだかについてだよ。今回の候補者としては深雪はオールラウンダーで闇の魔法も使えるから除外して熱無か光奈の2択だったんだよね。この場合は簡単な考察で絞れる。もうわかっているだろうけど一応、熱無は既に熱系統魔法使いだから習得できないってだけだよ。ここで会長に一つ聞きたいことがある。光奈に習得は可能そう?」
雪梛に指名された会長は少し長めに考えてから回答を始めた。
「うーんそうねぇー。一回死戦を潜らせないとわからないかなこればっかりは。雪梛だって香澄だってそうだったでしょ」
「確かにそうだね。これは変な質問をした。じゃあ質問を変えよう。この覚醒を習得したら二系統の魔法を使えると思う?」
会長は即座に返答をくれた。
「理論上は可能なはずだよ。複数の魔法は深雪が使っていて後天的な魔法は私が使っている。この二つの事実を元にして考えれば簡単な話なんじゃ無い?まあししょーならなんか知っていそうな感じがするんだけどね」
確かに雪梛も朝月なら何か知っているかもとは思ったが少し呼ぶのが面倒だったため呼ばなかったようだ。
香澄は今までの意見を統合してまとめてから話し始めた。
「長かったから要約させてもらうわよ。つまりは光奈を覚醒させて二系統の魔法を使わせたい。朝月は呼ぶのが面倒だった。こんなところだったかしら?」
香澄はかなりわかりやすくまとめてくれたようだ。
「そういうこと。じゃあとりあえずバトりにいく?」
「いいよ。ぜひ瀕死まで持っていってみて欲しいところだね」
雪梛からの提案に光奈は乗ってくれたようだ。
今まで光奈がやるという前提で進んでいたので良かった。
そう言って全員支度をしてすぐに草原に向かった。
雪梛、香澄、光奈の三人は草原について各々準備をしていた。
ちなみに会長は予定があるらしく残念ながら予定地へと向かっていった。
雪梛は正直意見を聞けただけでも助かったため会長には今回の結果を後で詳細に話すと約束した。
「光奈を瀕死まで持っていくんだったら使用率はどうしようかしら?流石に今のままじゃ私も流石の貴方も少しだけ面倒よ」
雪梛は少し考えてから頷いた。
「確かにそうだね。じゃあ80%にしようかそうすれば交代できるでしょ」
雪梛の言葉に納得して香澄は使用率を引き上げた。
「話しているとこ悪いんだけどどっちが私の相手をしてくれるの?」
「逆に聞いてあげるわ。どっちが良いのかしら?リベンジのごとく私との対戦でもよし。前世界最強の存在に挑戦するもよしよ。さあどっちが良いかしら」
光奈は少し考えてから雪梛を指名した。
「前世界最強さん。お手合わせ願えるかな?」
「いいよ。相手してあげる」
そう言って雪梛は刹那モードになったのだがやはり使用率80%ともなると全然違ってくるようだ。
「この前よりも全然強そうだね。楽しみだよ」
「私も楽しみだよ。ぜひ覚醒を習得してね」
会話を終えた瞬間に両者は動き始めた。
吹雪は重心を低くして構えて光奈は会長のやっていた身体にシールドを張るやつをやってから雷をかなりの本数生成した。
吹雪はマイゾーンで光奈についているシールドを破壊した瞬間に立体的視認を発動させて軌道を理解しながら雷の連続発射を避け始めた。
光奈は反射用のシールドも生成してそこから更にまたシールドを同じように張った。
吹雪は反射の角度も計算しながら回避しつつ納刀して思考を回し始めた。
現在の状況は光奈は初撃無効化可能でそうすると連撃しなければならないので刀は使えない。
とすればもはやいつもの拳頼りだ。
方向性が決まったため吹雪はパターン化してそこから一番隙が大きいところでショートマイゾーンの応用で一気に距離を詰めた。
光奈はギリギリ距離を詰められたことには気づけたが流石に対応は出来なかったらしい。
吹雪は光奈をシールドを破壊しながら蹴り上げてその後に一応鞘を腰から外しておいてから上に向かってマイゾーンを放った。
光奈は上に吹っ飛びながらここしか無いと思い雷を一本生成して吹雪の進行方向に発射した。
吹雪は外しておいて本当に良かったと思いながら鞘のついたままの刀を雷に叩きつけた。
ピカァ
一瞬視界が白で染まって色素が視界に戻ってきた時には吹雪の鞘が光奈の横腹をぶっ叩いていた。
ドン!
光奈は高速で吹っ飛んでいってしまった。
吹雪は衝撃透過で着地してから光奈を待った。
3分程待ったら光奈が帰ってきた。
「久しぶりだね。こんなにボロボロになるなんてね」
「この一手で貴方を終わらせる。ついてこれるかな」
吹雪は重心を低くして現状の最速剣であるマイゾーンを放った。
光奈はあまりのダメージの多さにシールドを張る余裕がなかった。
しかし張れなければ避ければいいのだ。
光奈は吹雪が重心を低くするのを見た。
そして重心が動く瞬間も見た。
そしてこっちに接近してきている時に口元を歪めている吹雪を見た。
刀の軌道を“観た”
光奈は体術で吹雪のマイゾーンを回避することに成功した。
もっとも少しだけかすったのだがな。
吹雪は納刀直後に見切りを発動させて熱レーザーの回避をした。
「ついにきたね。私たち領域付近まで。後は技を磨けばそれが同格になれるよ」
吹雪は珍しく嬉しそうにしながら光奈に語った。
「さあ、最終ラウンドといこうか」
光奈はそう言って赤い目を覗かせながら雷と熱球体を生成した。
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