雪梛の一閃

雪梛

原初編

少女たちの入隊

↓この表記がちょくちょく出てくるのでこの表?をどうぞ

AT=パワー型 DF=防御型

ATF=パワー防御型 ADF=防御パワー型



「パチン!パチン」

午前4時を回った頃二人の少女が斬り合いをしていた。一刀持ちの少女…雪梛と二刀持ちの少女…言映だ。


極みの地

極限向上の雪梛せつな(16歳 女 一刀)ADF

あまり喋らない感情の薄い女の子。

常に冷静で斬り合いの時に凄い集中力を発揮する。言映は数少ない友達


直感進行

番狂わせの言映ことは(16歳 女 二刀)AT

よく喋るが軽口を叩く悪癖がある。

直感に頼ることが多いが、あまり外すことはない。後先考えずに突っ込みやすい。


「相変わらず避けるが上手いよね」

言映が雪梛にそう言った。

「相手の手の動きの癖や振り出した時の気配を読めば言映でもできるよ」

雪梛は当たり前かのように言った。

「よく分からないや」

少女達は楽しそうに話していた。

この二人は12歳程度の頃から斬り合っていた。

剣術の師匠などはいなかったため自己流で剣術を磨いていった。

この世界では8割の人々が剣術を好んで学んでいる。

法律には戦闘中の死亡は殺人罪に問わないと書かれている。二人の少女も剣術を好んでいる。

「私ももっと色んな人と斬り合いたいな」

言映がそういった時に雪梛は

「よし。二人で防衛団に入ろう」

と言ってきた。

防衛団とはこの国で事件が起きた時に犯人を捕まえる団体で犯人とならば強制的な斬り合いOKな団体の事だ。もちろん国の先鋭が揃っていて入るのはとても技量がいるのだ。

「いやいや、入れないでしょ」

「やってみないと分からないでしょ」

「まあ、死ぬわけじゃないからいいか」

二人の少女がそう結論ずけて防衛団に向かった。





防衛団の基地につくと強そうな剣士が沢山居た。ざっと200人程度。

「人が多いねー」

言映が緊張感なくそういった。

「お集まり頂きありがとうございます。試験はあちらで実施しますのでついてきてください」

受付をやっていた人がメガホン片手に指示を出していた。

「何となくで来ちゃったけど頑張ろうね」

雪梛は頷くだけで返事は返さなかった。

雪梛は集中し始めているようだ。

「皆さんには防衛団の剣士と一騎打ちしてもらいます。防衛団の剣士を倒すか10分間斬り合い続けられたら防衛団に入れます。では頑張ってください」

受付の人はそう言ってそそくさとどこかえ行ってしまった。

「マジか、防衛団の剣士とやるのか」

言映ことはは少し驚いていた。

「私とやりあえているから大丈夫」

雪梛せつなはそう言って身体をのばしていた。

少し時間がたった頃、個室の扉があいた。

「私の番か」

言映の番が回ってきたようだ。

「軽く行ってくるわ」

そう言って個室に入っていった。

中にはタイマーを持った剣士がいた。

「これより斬り合いを開始する。このタイマーが鳴った時に生きていたら合格だ」

「死ぬこともあるってことすか?」

「そういうことだ」

そう言って剣士はタイマーを開始した。

いきなり剣士が斬り掛かってきた。

想像より少し速かったが見切れぬ程ではないようだ。

言映は抜刀した勢いで防ぎ二人の剣が当たると同時に両者距離をとった。

「結構速めに振ったつもりだったのにな防ぐとはやるじゃないか」

「私はいつもそれより速い剣を受けているのでね」

言映は軽口を叩きながら剣士に斬りかかった

だが剣士に軽々と止められてしまう。

「良い太刀筋だ。だがまだまだ足りん」

想像以上のパワーで言映は飛ばされた。

「ぐは…なかなかやりますね。そろそろ得意技出しちゃいますよ」

「全力でこい」

言映は体勢を低くして足に力を入れて弾けるように斬りかかった。

速度は先程の斬りあいより2倍程度出ていただろう。

だが剣士はかろうじてとめていた。

「まだまだ!」

言映はヒット&アウェイを繰り返して剣士を押していた。

剣士が剣を防いだ時に体勢が崩れた。

言映はそれを見逃さなかった。

「そこだ!」

言映はそこに最後の一太刀を入れた。

「良い乱舞だった。見事」

「初月乱舞さ」

言映はそう言って剣士からタイマーを取り個室を出ていった。

「雪梛は瞬殺したかな」

言映はそう言って雪梛をさがしはじめた。

戦闘時間6分20秒


個室から衝撃音がした。

言映の入った個室からだ。

(AT剣士におされているのかな)

そんなことを考えていたら番が回ってきた。

雪梛は個室にはいっていった。

中にはタイマーを持った剣士がいた。

「このタイマーが鳴った時に生きていたら合格だ」

剣士はそう言うと早速斬りかかってきた。

雪梛は剣を抜かずに一歩右に踏み出し刀を避けた。

剣士は驚いて目を見開いた。

(戦闘慣れしてない相手か)

雪梛はそんなことを考えながら身体を反ったり跳んだりしてよけつづけていた。

剣士は一旦距離をとって

「斬りかかって来たらどうだ」

と雪梛に声をかけた。

「では遠慮なく」

雪梛はそう言って刀の柄の部分を持ち剣士に集中し始めた。

次の瞬間、雪梛が消えたと思ったら剣士の後ろにいた。

雪梛が刀を鞘に収めると同時に剣士が倒れた。

「マイゾーン」

雪梛が自分の居合切りにつけた名前。

自身の集中力と瞬発力を活かして素人目には見えない速度で斬りかかる技。

雪梛はタイマーをとって個室を出て言映をさがしはじめた。

戦闘時間30秒


「いやー、残った人少なかっね」

雪梛と言映は帰りながら話していた。

結局試験合格者は25人程度で200人ほどいたのに大多数は落ちてしまった。

「相手の剣士弱かったね」

雪梛がそう言うと

「私の相手は結構強かったよ」

と言ってきた。

「言映はパワー負けすると対AT戦で苦戦するからね」

「なんで相手がATって分かったの?」

言映は不思議そうに聞いてきた。

「ふっ飛ばされてたから」

「ほんと周囲にアンテナはるの得意だよね」

言映は少々呆れながら言った。

「明日からいきなり仕事だよ」

「二人一組で動くんでしょ?」

「そうだよ」

二人は合格した後に防衛団から貰った資料を見た。

資料には地図がかいてあり目的地は何かの組織のようだ。

その組織を壊滅させるのが今回の仕事らしい。

初の仕事のためかあまり強そうな剣士は居ないようだ。

「なんかあんまり強くなさそうだね」

「最初から強敵よりはいいんじゃない?」

「それもそうだね」

「じゃあ明日の4時に山に集合ね」

「分かった」

そうして二人は別々の方へとあるいていった。

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