魔法使い編

魔法使いってどんなもん?

「普通のところなんだね」

「もっと変わった世界かと思っていたわ」

二人は亜空間から抜けて舞台へと入ってきた。

ようやっときたか。まあわたしがしゃべるとナレーションと混ざってまうのやさかいここで全部説明してまうわ。

とりあえず端末に地図を送っといたからそいつを見れば地形から家の場所までなんでもわかるで。

あとは廃刀令とかのめんどくさい法律は撤廃しといてもとの世界となんら変わらん状態にしといたから自由にうごいれくれや。

まあ困ったらなんかメモの方でアクションを起こすことをおすすめやで。

では頑張ってなー。

「なんかムカつくね」

「激しく同意」

そんなことを言いながらも雪梛せつなはとりあえず地図を展開して自宅を目指した。

「なんかみんな指輪をしているね」

「そんなに結婚率が高いのかしら?」

「流石に冗談だよね?シンプルに魔法発動の媒体として使用していると考察するのが妥当だと思うよ。そういえば魔力の設定をしていなかったけどどうなっているんだろうね。まあとりあえず家の確認をしたらメモからのアクションをおこして開始させよう」

「わかったわ」

そうこう話しているうちにいつのまにか家に着いていたようだ。

「「これは…」」

なんと前の世界と同じ家があったのだ。

「これはいいね。あいつも中々気がきくね」

「まだわからないわよ。家の中は空っぽかもしれな…それはないわね。もしそんなことをしたら亜空間先にいようが雪梛が斬るからね」

「そういうこと。じゃあとりあえずこの調子なら通貨の変換も済んでいるんだろうからとりあえず街を歩こう。さっきちょうど強制で話しかけてくるようにしといたからね」

「まあ観光がてらちょうどいいじゃない。そこで勝負して相手を観察するわけね」

もちろん二人のスペックや持ち技は健在だ。

二人は身体を伸ばしながら街へと歩き始めた。



この街は前回の防衛団的なやつは無いようで本当に平和的な世界が生成されているようだ。

「次回はもっと荒れている世界の方が良く無い?」

「そうね。吹雪紅葉時代ぐらいまで荒れさせればちょうどいいんじゃ無いかしら?」

二人は物騒な話をしながら街ゆく人の共通点を探している。

街の人々は雪梛たちを興味深そうにみているようだ。

「髪の色にパターンがあるね。色から察するに赤色は熱系統で青色が水系統で他には黄色や多色の人、そして黒髪もいるね」

「黒髪とかは何かしらね?多色の方は複数系統扱えるとかでしょうけども」

「初めましてお二人さん。少々ご一緒してもよろしいかな?」

街についての考察をしているところにちょうどアクションが入ってきたようだ。

少女の身長は雪梛たちとさほど変わらなく気配操作が中々に上手いようだ。

雪梛は軽く観察眼を使ってみたがこの世界の人間に慣れていないのか情報がうまく取れなかった。

「いいよもちろん。こっちも貴方に話があるからね。えーと名前は確か…深雪みゆきだね」

深雪は少しだけ驚いたが表情は変えなかった。

「ちょうどほんとに話がしたくなったよ。少し椅子にでも座って話そうか」

三人は近くのベンチに腰掛けた。

「早速だけどなんで私の名前を知っているのかな?あんまり名は知られている方でないんだけども」

雪梛は返しを考えているようだ。

「あー、ストレートに言おう。私は先日この世界を物語の舞台として作り替えたいわゆる作者とかいうやつだよ」

香澄は少し驚いたがスルーするようだ。

「なるほど、作者さんか。じゃあ何か証明してみてよ。確固たる証拠を」

深雪の性格を知っていたから雪梛はストレートに言ってみたがうまくいったようだ。

「いいよ。じゃあそうだね…ここに会長を召喚してあげるよ」

雪梛はメモアプリを開いて“会長 ここに召喚”とかいたようだ。

すると本当に会長かいちょーが深雪の前に出てきた。


白髪 深雪 みゆき

物事を平坦に捉えられる感性をしている。

その思考回路のせいか誰にでも分け隔てなく話すことができる


黒髪 会長 かいちょー 一刀 ハンドガン

魔法使いの世界の数少ない魔法を使わない刀の人

おっとりした性格をしている。


「あれーなんで私こんなところにいるんだろー。あ、深雪じゃん。久しぶりー」

深雪は驚いていて反応できていないようだ。

「どうしたのー?あれそこのお二人さんはどちら様?しかも刀持ちとか最高じゃん」

会長は特に瞬間移動は気にしていないようだ。

「初めまして会長さん。私は香澄よ。そしてこの子が雪梛。まあ詳しくは深雪に聞いてちょうだいね」

香澄はとりあえずの自己紹介をしつつ観察眼で確認していた。

会長にはうまく使えたようで少しの情報が入ってきた。

「わかったわー。こっちはいいかな知っているらしいし。ところでこの後戦わない?もちろんパーセンテージはあげなくていいからさー」

雪梛と香澄はかなり驚いたが表情はおろかぴくりとも動かなかった。

「鋭いね。初めて気づかれたよ。まあ元々戦うつもりだからそこは大丈夫だよ。というか勝手に進めているけど深雪は大丈夫なの?」

深雪は問いかけられてハッとした。

「あ、ああ問題ないよ。疑っていたわけではないけどまさか本当だったとはね」

ベンチに腰掛けていた三人は立ち上がって身体を伸ばしはじめた。

「そういえばどこでやるー?流石にここだと周りに迷惑がかかっちゃうからねぇ」

「ではいい感じの場所に移動と行こう。まあ一応知っているからね」

深雪が先頭となって移動しはじめた。

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