忘れた頃にやってくる
「結構早かったね。もう話は済んだの?」
戻ってくると
結構打ち解けていたようで氷の呪文で色々なことをしていたようだ。
「もう終わったよ。結構いい人でいっぺん殺したりして楽しかったよ」
「やばすぎでしょ…」
もはや突っ込む気も失せてしまったようだ。
「この後はどうするのかしら?ずっとこっちに入り浸っているわけにもいかないわよ?」
「まだ後一つだけやることがあるんだよね。
「なるほどね。つまり貴方はこの美しい漆黒の髪色に目を向けたと。習得してくるわ」
「あんなキャラだったけ?」
初雪が少し心配めに聞いてきた。
「大丈夫だよ。さっきまで全然セリフがなかった調子がおかしくなっているだけだよ」
雪梛にそう言われて初雪は納得したようだ。
「私たちはどうするの?」
「たまには会話パートを映さずにゆっくりしてもいいんじゃないかな」
雪梛はそういうと
「まあたまにはゆっくりするべきかな」
初雪も後に続いていった。
「深雪、闇魔法について伝授してくれないかしら?」
「いきなりだな。まあそうくるのではないかと思っていたからいいぞ」
「話が早くて助かるわ。こっちは準備万端だからいつでもいいわよ?」
香澄は軽く伸びをしながら言った。
「そしたら早速始めようか。闇魔法についてはある程度知っているだろうから省略させてもらうぞ。具体的な使い方を説明していこう。まずは心を落とし込んで無に溶け込ませるんだ。ここまでは香澄なら簡単にできるはずだ。そしたらその心と同調してきた無を弾くような感覚で任意の方向に射出する。そうすると闇球体の生成が可能だ。まずはここ前やってみるとしよう。ちなみに失敗すると自身が闇に飲まれるから一応注意してやるんだぞ」
最後にえげつないことを言っていたが香澄は早速始めた。
香澄は無意識を発動して無に溶け込ませる動作を開始して感覚的に溶け込んだというあたりでまるでビー⚪︎マンにでもなった気分で闇を打ち出した。
その瞬間に身体に異変を感じて即座にミカエルを発動して相殺した。
「あちゃー。流石に一発成功とはいかないか。いま感じた異変が闇が生成された証だよ。本来なら死ぬんだけど初期段階なら香澄が対処できるぐらいのレベルらしいね。その調子で頑張ろう」
どうやら闇が最初は小さな一点で生成されるのでそこを破壊してしまえば問題はないらしい。
まあ普通は気づけずに手遅れになるのだがな。
そんな感じで香澄はただひたすらに闇球体の生成を試みはじめた。
そしてその特訓から二時間後。
深雪が見ているなかようやく香澄から闇のすごく小さな球体が出てきた。
「やっとね。我ながらこの習得時間の長さに呆れてしまうわ」
「すごいじゃないか。私は一発でできたと言ってしまってはなんなのだがな。しかしこの世界では一発で出来ないと死確定なんだ。それに闇魔法は他の魔法に比べて鍛錬の長さや多さが分かりやすく現れるんだ。それだけ失敗を重ねても死なずに何度も挑戦できるのであれば私なんかはすぐに追い越されてしまいそうだよ。そしたら今日はここまでだな。疲労状態で続けると闇に飲まれかねないからな。また明日ここにきてくれ」
深雪はそういうとストレッチを開始した。
「これって鍛錬量が顕著に出ると言っていたけどもなんで貴方はやらないのかしら?極めたら最強になれるんじゃないのかしら?」
香澄は素直な疑問を聞いた。
「さっき言っただろ?失敗したら一発死亡だと。だからリスク的に出来ないだ」
香澄は納得して深雪に礼を言ってから流体無焦点で帰って行った。
「おかえりさん。成果はどうだった?」
家の玄関先に行くとなぜか雪梛が待っていた。
「あんまりいいとは言えなかったわね。でもなんかやった分だけ強くなるとかいう最高な魔法っていう情報をもらってきたわ」
「それは香澄にぴったりだね。即死はしないように頑張ってね」
雪梛はなぜか使用時のリスクを知っていたがそこは気にせずとりあえず家に入ってその日は終了した。
「はあー、疲れるねー全く」
雪梛はPCデスクの椅子に座りながらいった。
ちなみにここは久々の私が書いとるのやさかいその辺わかっといてくれよな。
雪梛はPCの電源を落として台所に行きお湯を沸かしはじめた。
「お疲れさんね。最近はかなりハイペースで書いているけれども大丈夫かしら?」
「まあこのぐらいだったら疲労にならないしそれに趣味で書いているだけだから苦でもないよ。強いて言うなれば自転車を漕ぎに行く時間を作りたいかなってぐらいかな」
雪梛はステンレスのコップに粉末のココアを入れながら言った。
「確かにそうね。今度どっかでそしたらサイクリングはどうかしら?もちろん魔改造ではなく改造車両で」
「いいねそれ。魔改造だったらどんなに道が長くても足りないからね」
雪梛はお湯が沸いたため火を消してお湯を注いでスプーンで混ぜた。
「相変わらず好きね。最近はブラック飲まなくなったじゃない」
「コーヒー豆は高いし面倒だからね。こっちは安いし何よりカフェイン量が少なそうだからね」
実際どうなのかわからないが雪梛はそう言いながら早速コップに蓋をして部屋に向かった。
「久々に私も部屋で飲もうかしら。ちなみにこのシーンはてんちょうが勝手に描写しているらしいわよ」
「そうなんだ」
二人は部屋に行ってコップを机に置いてなんでか私にはわからんのやが亜空間を生成しとるようや。
「久しぶり。ここにきた理由はわかるでしょ?」
なんでか私のいる特殊空間に雪梛と香澄がきてもうた。
「久しぶりやな。ところでお二人さんどうやってここにきたんや?ここは私の権限なしでは入れんようにしとったんやが」
「ここまでくると貴方も愚者ね。以前ハッキングをかけられたことを忘れているのかしら?それに貴方の作者権限は私たちに譲渡されているのよ。無様に散れ」
香澄はそういうと雪梛と一緒に重心を低くしてあれを開始した。
「雪は穏やかに舞い降りる しかし時折吹き荒れる この吹雪の中 貴方は自分が見えるかな」
「緑から徐々に変化し やがて全体色取り染まる この紅葉の中 貴方は自身が見えるかな」
シュ ピカァ
てんちょうの視界が真っ白に染まって感覚がなくなった。
てんちょうはわざわざ原初からセリフ持ってくるんかと思いながら死んだ。
「やっぱりこのセリフはいいね」
「私も結構気に入っているわ」
二人は満足したようで再度亜空間を生成して魔法使い編へと帰って行った。
「ふふ、詰めが甘いんよな」
てんちょうは首が吹っ飛んだにも関わらずなぜか立ち上がってメモアプリを操作して再生を行い再びデスクについた。
今回のこの芸当のからくりとしてはシンプルにこの亜空間が死なないように設定されていたというわけだ。
雪梛と香澄は殺したと思って先程帰ってしまったが残念なことにまだ生きているようだ。
おい!誰が生きてて残念やねん!
さてと、これで私の描写は終わりや。
引き続き魔王討伐編を楽しんでくださーい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます