香澄…怒ってる?

「急に言われても…とりあえずやるわよ深雪」


「え?まさか香澄と?」



深雪は驚きながら聞いた。



「ええそうよ。安心なさい。私は今回刀を使わないわ。もとより本職はこっちじゃないもの」



そう言ってハンドガンを出してリロードした。



「なるほど、銃の方だったのか。銃といえば会長も使っているよ。まあ多分雪梛も使えるんだろうけどね」



深雪はかなり頭の回る方のようだ。


二人は間合いをとって香澄は銃を、深雪は人差し指を構えた。



「ところで深雪。貴方は本当に格闘ができないのかしら?」


「さあ、どうだろうね。まあやってみればわかるよ」



深雪はいい終わると額にフリーの方の手を当てて何やら集中しはじめた。



「何かしらそれは?撃っていいなら撃ち殺すわよ?」


「いや待ってくれないか?こっちの世界ではこれはほとんど全員がこれを試合前にやるんだよ。まあ身体強化魔法かな。というかしないであんな戦いができる方がおかしいんだよ」



深雪は最後の方は文句になっていたのだがようやく準備が整ったようだ。



「お待たせしたな。ではバトル開始だ」



深雪は先程までとは打って変わってコンセントレムみを感じる雰囲気を出していた。



「魔法ってすごいわね。あんなに霊斬が頑張って習得したコンセントレムがいとも容易く使われちゃうなんて」



香澄はそんなことを言いながら深雪の周囲に向けての警戒をした。



シューン シューン



急に深雪の後ろあたりに複数の赤い空間の歪みが発生してそこの中から熱系統のレーザーが飛んできた。


香澄は先程の会長の球体の観察を終えているため発熱点を把握してそこから立体的視認を疑似発動させて回避している。


香澄は回避に慣れてきたため深雪の指に狙いを定めて1発のみ撃った。



ピキィン



「「!?」」



「何かしらそれは。反則じゃない」



香澄の撃った弾は深雪が生成した水色の板のような物によって弾かれてしまった。



「反則じゃないよ⁉︎むしろこれなしで相対できる方が反則だよ!」



深雪はまたしてもびっくりしながら言った。



「こんなのの回避は簡単なのよ。予測線を張ってそこから避ければいいってだけよ。まあいいわどんどんきなさい。絶対に銃弾ぶち込んでやるわ」



香澄の最後のセリフに少し怖がったのか攻撃の速度と数が増した。


香澄はかなり予測線で埋まってきたフィールドをみてこれ以上は危険と判断して“ようやく”見切りを発動しはじめた。



バン…バン…バンバンバン



見切りを発動してから格段に撃つ回数が多くなった。



「何その回避?反則でしょ」



深雪はこのままじゃ当たらないと判断したため少し熱系統攻撃を減らして代わりに黄色の空間を生成した。


香澄は瞬時系統を見破ってそれから速度も計算しつつ黄色の空間に細心の注意を払った。



「もう気づいたのか。本当に魔法がなかったっていうのが信じられないなぁ」



深雪は見破られたことに気づきつつも香澄の銃弾を防いだり回避しながら狙いを定めていた。



パッ



黄色の空間から光が香澄に向かって駆けていった。



ビシュ



「チッ」



香澄は舌打ちをしながら現状を把握した。


深雪が電気系統の魔法でその中でも一直線に飛んでくる光線銃的を使ってくると知っていたがやはりの見切り不可攻撃であった。


香澄はもしかしたらに賭けて見切りを使っていたのだが自身の反射神経に救われたようだ。


軽く足先を掠ったらしく微妙に痺れている。



「すごいな。今のをまさか反射神経で避けるなんて。まあこっからは厳しいんじゃないの?」



そんなことを言われて香澄に火がついたのか色付きを発動してサブマシンガンに持ち替えて演算を高速で終わらせて開始した。



ババババババ…カンカンカン



「ビリヤードよ。貴方に防げるかしら?」



深雪は初めて見る銃弾の包囲網に困惑しつつも防御を展開して銃弾を防ぎはじめた。



「これはまずいな」



深雪は冷や汗をかきながら言った。


それもそのはず。


深雪の防御で弾を弾いてもすぐにまた別の弾によって弾かれてすでにかなりの数の銃弾を防いでいる。


しかもこれを防ぎ切っても香澄がなんか覚醒しているから普通に厳しいという。


弾を熱で焼こうかと考えたがそれをするには体力が持たない。



「ふふ、絶対にぶち抜いてやるわ」



どうやら香澄はブチ切れのようだ。


深雪は一か八かに賭けるために自身の防御の周りに電気系統の魔法を展開させた。


その瞬間に弾が次々と弾け飛んでいった。



「なんで毎回私のビリヤードはヘンテコに破壊されるのかしら」



香澄はすでに銃を仕舞っていて速撃の構えをしている。



「危なかった。磁気を思いついて本当に良かった」



深雪は防御を展開させたままニッと笑った。



バリーン



「は?」


「茶番はこのくらいで終わりにしましょう」



その瞬間に深雪の身体は吹っ飛んでいった。



「相当怒っているね。珍しい」


「うるさいわよ」



どうやら香澄は深雪の防御を速撃を使ってぶっ壊した後に深雪の腹に拳を当てて全体重を載せた超速の超ショートブローである無焦点を放って吹き飛ばしたようだ。



「すごいねー。まさか無焦点を使えるなんてねー。もしかしてコピーした?」


「貴方のその理解能力はどうなっているのかしら。雪梛並みよ本当に。まあ今回は吹っ飛ばしてスッキリしたからこれで終了にしましょう」



本当にスッとしたのか香澄は深雪を探しに吹っ飛ばした方向へと歩いて行った。



「私たちも行こうか」



雪梛はそう言って会長と共に香澄の後について行った。

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