旧友との戦闘
「さてと、久々に会いにこうかな」
どうやら昔の仲間に会いにいくらしい。
何やら嫌な予感がしながらも雪梛は愛剣:桜吹雪を腰につけて入っていった。
亜空間に入ると謎に浮遊感に囚われたがそんなことは意に介さず光へと向かっていった。
光にの中に入ると人の家の中にいた。
「さてと、絶対てんちょうは斬り殺してやる」
雪梛はそう胸に誓って家の捜索を開始した。
とりあえず部屋に入ることにした。
ガチャ
中に入るとロボットと一人の懐かしいやつがいた。
「あら、雪梛じゃない!随分と久しぶりね。相変わらず薄い顔しているけど」
少女は雪梛を見るとすぐに抱きしめてきた。
「ちょっと落ち着いて詩奈。私潰れちゃうよ」
冗談でもなく潰れそうだったようだ。
衝撃透過でダメージを流しているのに
「あらごめんなさい。つい何年ぶりかの再会に気分が高まってしまったわ。貴方は何しにここへきたの?」
「懐かしい顔に会いに行こうとあの世界に行こうとしたらこっちに飛ばされたんだよ。まあそれはいいとしてこの世界でちょっと暇つぶししてもいいかな?」
雪梛からの質問に詩奈は頷いてくれたようだ。
「もちろんいいわよ。私も相手が脆すぎて暇だったからちょうどよかったわ。それにしてもかなり強くなったわね。鈍った私じゃもう勝てなさそうなぐらいには」
詩奈はそんなことを言いながらも雪梛にカロリーメイトを投げ渡してきて雪梛はそれを食べてから外へ出た。
外に出ると普通の街なみが広がっていたが何やら詩奈の頭の上に数字が書いてあった。
「それは…レベルかな?バトロワでもやってんの?」
「本当になんでもお見通しみたいね。ここには面白みもない人間が少しいるからそいつらを殺しているだけよ」
そんなことを言いながら歩いていたら第一犠牲者が50mほど前に発見されてしまった。
「どうやって仕掛けるの?」
「簡単よ。まあみてなさい」
詩奈はそういうとデバイスから何やら操作をしてゴムのような球体を出して軽く上に投げてからそれなりで殴った。
ヒューーン バキバキ
詩奈からの遠距離弾に頭蓋骨を粉砕されて倒れていた。
「相変わらずエグいパワーしてるね。でも手加減したでしょ?」
「まあ手加減ではないのよ。あんまり本気で殴るとうるさいのよね単純に音が」
詩奈はそんなことを言いながら死体に近づき何かを回収しているようだ。
「この世界は楽しくなりそう?」
「ええ、多分登ればそれなりに面白そうだわ。ところで雪梛、久々に戦わないかしら?」
詩奈はそういうと臨戦体勢に入った。
「もちろんいいよ。今の私はどこまでいけるかな」
雪梛は雪帰りをしてから抜刀して中段構えをして詩奈を観た。
どうやら本当に鈍っているようであの頃の技のほとんどが習得中になっていた。
しかしあのパワーは健在のようで多少威力が落ちているとはいえど油断はできないようだ。
まあいつでも真剣な雪梛にとって油断はないのだけれども。
詩奈は肩の高さまで拳を上げて腕を伸ばしてあの技の準備をした。
雪梛はそれを見て納刀してゆっくり近づき自身も同じ構えをした。
「随分と粋な計らいをしてくれるのね。そんな性格だったかしら?」
「ただの好奇心だよ。まあ普通の打撃技じゃ絶対に死なないぐらいには強くなったんだけど詩奈の打撃はどれを食らってもやばそうだね」
軽口を叩きながらも雪梛も準備を終えた。
ドーーーン!
二人が動き出した瞬間に地形が歪んだ。
雪梛は流体無焦点を、詩奈は流体拳を使ってアホみたいなエネルギーを発生させた。
二人は後ろにほとんど自分から吹っ飛んでいって雪梛は衝撃透過、詩奈は振り向きパンチで反動を相殺した。
「すごい威力だね。相変わらずかな。まあここからが勝負開始といったところか」
「そうよ。存分にやり合おうじゃない」
詩奈は全力で接近してから連打を開始した。
雪梛は演舞で回避をしながら詩奈を観ている。
「良い舞ね。もうあの頃とは見違えたじゃない。今じゃ特殊部隊のメンバー全員貴方と戦いたがっているっていう話よ」
「それはちょうどよかったよ。あいつらにもじきに挨拶に行こうと思っていたからね」
雪梛はパターン化を完了させて手刀のまま神速剣を放った。
「演舞:新月斬」
詩奈は綺麗に隙を突かれたが反射で少し逸らして致命傷を回避した。
「面白いねその服。なんの素材でできているの?」
「これはスライムの服よ。弾力があって面白いわよ」
詩奈は喋りながら現状の確認をしていた。
雪梛は重心を低くして無へと行き構えた。
詩奈は構えだけで理解したのか雪梛を観はじめた。
ピカ
雪梛が動いた瞬間に一閃がはしった。
「マイゾーン:一閃」
雪梛は詩奈の胸を狙って抜刀して切り始めた。
「⁉︎」
急激に雪梛の刀が減速し始めた。
詩奈は刀を見切り白刃どりして進行を止めた。
「特性を見切れなかったとはなかなか珍しいわね。それにしても流石にあの剣は速すぎてすごかったわよ」
「2枚重ね着なんて流石に見切れないよ。その服を一度でも観ていたら話は違ったんだけどね」
このスライムの服は弾力がめちゃめちゃあって詩奈の全力の拳すら受け切れるほどであるのだ。
まあ異世界のものの特性を一瞬で見抜いたらやばすぎるからね。
「さて、このぐらいにして貴方は帰りなさい。また会う時は相棒を連れてきてちょうだいね」
「わかったよ。それと次来る時期はもう一つの世界で物語を終えたぐらいで来るからそれまでに本調子に戻しておいてよ?」
「もちろんよ。あとせっかくここまできたのだからお土産を一つあげるわ」
そう言って詩奈はスライムの素材を二つくれた。
「ありがとうね。じゃあまたね。力担当の詩奈」
「ええまたね。解析担当の雪梛」
そうして雪梛は魔法使いの世界へと帰っていった。
「あらお帰りなさい。だいぶ早かったじゃない。どこにいってたのかしら?」
戻ってくると香澄は部屋のベットで寝っ転がっていた。
「ちょっと古い仲間と挨拶だよ。そうだこれ、なんかくれたから一つあげる」
香澄は雪梛からスライムの素材を受け取った。
「これかなり面白いわね。こんだけ弾力があったらどんな打撃も防げそうじゃない。あと珍しく少し悔しい顔しているじゃない。もしかしてもう一閃を止められたのかしら?」
香澄に痛いところを突かれたが雪梛は肯定して向こうでの試合について話した。
「随分と面白い人じゃない。今度はぜひ私も会いたいわ」
「確実に会うことになるから大丈夫だよ」
雪梛はそう言ってから桜吹雪の確認を済まして香澄の回復を待った。
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