バ…バトロワ?

会長かいちょーたちの元へ戻ると香澄と会長はゆったりと話していたようだ。

「ただいま。待たせたね」

雪梛せつなは既に使用制限をかけて普段通りに戻っているようだ。

「待ったわよ。まあ会長がいたからしゃべり相手には困らなかったのだけれどもね」

会長はどもーと言いながらこっちに手を振ってきた。

朝月さつきは会長に質問を問いかけた。

「どうかしら。今回の試合は。見事に、あなたの予想通りだったわね」

会長は少し間を置いてからうなずいた。

「まあー雪梛の雪帰りは予想できなかったけれどもねー。まあ私の腕も落ちてないってことなのよー」

会長は少し自慢そうに朝月に言った。

「この後はどうする予定なの?特にもうイベントの予定もないんだけど」

「まあてんちょうに何かやらせればいいんじゃないかしら?どうなる事態も予想しているのと思うしね」

何やら他力本願だが、雪梛たちはとりあえず納得して家と帰っていった。




「じゃあ不本意ながらあいつを一旦呼ぶよ」

「まああんなんでも原初を書いた先輩なのよね。なんも意見くれなかったら色付きで殺してやるわ」

「なんだか物騒すぎないかしら…」

3人はとりあえずの雪梛宅で集合している。

雪梛はメモアプリでてんちょう来いと書いたようだ。

「もうちょっと書き方ってもんがある思うんやが」

爆速で来やがったようだ。

「来やがったとはなんやねん。まあ要件については概ね心得ているつもりや。イベントが思いつかなくて困っとるんやろ。まあまかしとき。一週間後に開催しとくからな」

てんちょうはそういうと背を向けて帰ろうとした。

「ちょっと待ちなさい。トーナメントは禁止よ」

「もちろんや。まあ楽しみにまっときー」

てんちょうはそう言って帰って行った。

「いっつも思うんだけどあいつってどこにいるんだろうね」

「まあわからなくて良いんじゃないかしら?正直なんか知ったら消されそうな気がするわ」

朝月は恐ろしいことを言っていたがあながち本当かもしれない。

雪梛は一つ思い出したというかの内容を話し始めた。

「そういえば深雪と会長には伝えとく?このイベントが始まるよってこと」

香澄かすみは少し考えてから否定した。

「まあいいんじゃないかしら。わざわざ伝えなくても。どうせ情報網が張ってるんだろうから気づかないわけがないし、最悪私たちの方から参加させればいいだけよ」

香澄の意見に納得して三人はそれぞれ技の確認や基礎確認、装備の確認などイベントに備えて過ごし始めた。

3日目にしてようやっと情報が流れて来た。

「これね。バトルロワイヤル?また変なのを作ったわね。内容は4日後からはじまって開催期間は3日間、一人一個の小さい球を渡されて倒して奪う。最終日に一番多い人の勝ち。戦闘不能にして奪っちゃえばいいってわけね。優勝賞品は欲しいもの一つ?これは勝つしかないわよ」

優勝賞品を見た瞬間にやる気をだあし

「何か欲しいものでもあるの?」

雪梛は質問した。

「もちろんよ。てんちょうの生命機関の停止させる権利よ。これはやる気がみなぎるわ」

よっぽど恨みがあるらしい。

まあ前の世界ではミラーバトルの邪魔されたり立体的視認でムーブコースターを破壊されたりで散々だったから仕方ないから。

いや全然仕方なくないからな⁉︎

なぜかてんちょうがナレーションに反論して来た。

「私はこの試合に勝たねばならないわ。少し色取りを習得してくるからまた開催日に会おうかしら」

香澄はそう言って出て行こうとした。

「ちょっとまった」

雪梛に呼び止められて香澄は振り返った。

「脳の使用率制限はかけたままでやってね」

「流石にそれは無理があるわ。じゃあ使用制限をかけたままで勝てるように調整をしてくるわ」

香澄はそう返答して出て行った。

「案外あっさり引くのね。少し意外だわ」

「まあ私が言ったからだね。無意味に物をいうことがないからキッパリ信用してくれたんだよ。まあ単純に使用制限をあんまり解除してほしくないってのと単純に殺しちゃったらアウトだからね」

雪梛に説明されて朝月は納得した。

前の世界では剣同士の戦闘では殺人罪が無しだったが今回は魔法同士の戦闘での殺人罪がなしとなっている。

なので迂闊に殺してしまうとちょっとだけ面倒なようだ。

なぜちょっとなのかというと単純に殺したという事実を雪梛か香澄、そしててんちょうが消せばいいからだ。

最悪も最悪は極限向上に頼ればいいということだ。

「あたし達も何かしようかしら?」

朝月は回答になんとなくの予想がつきながらも聞いた。

「別に特段何かをするってことはしなくていいんじゃないかな。あんまり頑張りすぎるとすぐに限界を迎えちゃうからね」

やはりこの回答が返って来たか。

雪梛は一旦部屋を出て行って返って来たと思ったら飲み物を持って来ていた。

「まああと四日間ぐらいはゆったりと過ごそうよ。もちろん布団も用意しちゃうよ寝る時は」

どうやら朝月をここに置いておく準備は万全らしい。

「じゃあお言葉に甘えちゃおうかしら」

朝月は床に座って雪梛が注いでくれた飲み物を飲み始めた。

「久々に趣味の話でもする?」

「良いわね。雪梛はまだあのギア比でやってるの?」

そんな会話をしながらイベント当日まで待っていた。

イベント当日

「なんかポンポン飛ばし過ぎじゃないかしら?ペース感がヤバいわよ」

香澄に指摘されたが雪梛はそれっぽいことを言って受け流そうとした。

「大丈夫だよ。今回の戦いでどうせ新キャラが出てくるしそれに今回は3日間もバトロワがあるからね。そこで稼ぐしかないよ」

雪梛に誤魔化されたが香澄はまあいいわと言って武器の確認を開始した。

「こんなとこにいたのか。探したぞ」

「あらあら皆さんでお揃いねー」

会長と深雪みゆきも合流したようだ。

「では皆さん。今から主催者からのお話が少しありますので一応聞いてくださーい」

何やら適当感があるアナウンス後に何故か知っている声が話し始めた。

「あーあー。どーもでーす。主催者のてんちょうです。まあこのイベントは皆さんに楽しんでもらいたくて開催しました。今日から楽しい三日間にしましょうや。以上でーす。では球を受け取ったら転送しまして開始となりまーす」

てんちょうは珍しくまともな喋り方で話して開始した。

「できるなら最初からやりなさいよ…」

香澄は文句を言ったが列が出来始めたので五人で並ぶことにした。

「楽しみね。みんなでそれなりに頑張ろうねー」

「やるからには全力だぞ。ってあれ前にいるの熱無じゃないか?」

深雪に言われて雪梛は前にいる人の肩をたたいた。

「どうしましたか?ってお前らじゃんか。今回は勝たさしてもらうぜ」

雪梛たちは熱無あつなの最初の喋り方の物凄く違和感を感じて少しイジることにした。

「あら、そんな熱い喋り方をしなくてもいいのよー。冷めちゃってもいいのよ?」

「そうよ。そんな熱い喋り方をしなくて良いのよ」

熱無は少し赤くなりながら意見した。

「も、問題ねーっての。あんまりイジるんじゃねーぞ」

「ほらほらそんなに熱くならないで。別に良いじゃんどうしましたか?って言ったって」

「うるさいわーーーーー!」

熱無は真っ赤になって叫んだ。

「ほら順番が来ているぞ。また会おうな」

「絶対に殺してやるぞてめぇら」

熱無は球を受け取ったら即座に転送された。

「魔法ってすごいわね。あんなこともできるとは」

「何かしらに特化しているから人さえ集めれば何でも多分できるわよー」

そうして全員転送されて試合開始となった。

「どうしてお前がいるんだよ」

雪梛は少しキレ気味に言った。

「まあまあ穏便にいこうやないか。とりあえず明日またいつもの草原に来てくれや。そこに新キャラを配置しておいたるのやさかいな」

「また新キャラか。正直そろそろキャラ名が厳しくなって来たんだけど」

「まあそこに関しては頑張ってくれとしか言いようがないわな」

雪梛はショートマイゾーンでてんちょうの首を狙った。

瞬時にビターに交代して紙一重で耐えたようだ。

「今完全に殺しにかかったよな⁉︎私はこのまま帰ろうとしているだけだぞ」

雪梛に文句を言ったがどうやら効果はないようだ。

「いや?ただビターにてんちょうの身体を見せようとしただけだよ」

ビターはゾッとして全速力で帰って行った。

「ふう、じゃあそこの木の裏の貴方から倒すね」

雪梛は明らかに弱そうな相手に情け無用の殴りを入れた。

接近にすら対応できなかったためあっさりと気絶してしまった。

「こんなしょぼいイベントか。まあ強い人がそのうち来るかな」

雪梛はそんなことを言って家へと帰り始めた。

家に帰ると香澄がいた。

「あら貴方もやっぱり同じ考え方ね。最後のやつをぶっ殺す。簡単な話ね」

「一応殺さないでよ?めんどくさいんだからね後処理が」

雪梛と香澄は2日目の午後から動き始めてそれなりの強者と戦う予定のようだ。

「朝月とかは戦っているのかな?」

「流石にないんじゃないかしら?まあ遠くから魔法の観察ぐらいはしていそうだけどもね」

雪梛は頷いた。

こんな感じでトーナメントの初日が終わった。

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