勇者のレベル仕事

家に帰った三人はとりあえず現状の整理とこれからの行動について話すことにした。

「とりあえず私はあの世無離せなつとのバトルについて聞きたいわ。詳しく話してもらってもいいかしら?」

香澄からの質問い雪梛はもちろん頷いた。

「いいよ。まあもとより話す予定ではあったんだけどね。まずは今の世無離について話した方がいいかな。今の世無離は私の本気と同等だね。つまり逆説的に考えると香澄かすみとも同等クラスってわけだね。そして世無離は今回から必ずもっと鍛錬を積んでくるはずだ。推定では現状の私がまあ持って3分ってぐらいの実力だね。そういえば闇の大技は使ってこなかったね。多分使われていたら負けだったと思うけど。まあそこは一旦置いておいて世無離の最後のあの技はかなりの大技だったけど結構粒子同士の組み方に粗があったね。実際問題私みたいな粒子の粗の一番多いところに正確に刀を突き刺せるあほはそういないから気にされなかったんだろうね。でも精度抜きで同等威力を出すだけだったら香澄でもできるでしょ?まあこれに関しては私の過大評価の可能性が微レ存だけどもね。まあそこは気にせず私が最後にあの技を割った地球割りについての解説をしようか。地球割りをするための条件はいくつかあって完全脱力と対象の内部状況の把握だね。完全脱力状態は流体でできるからそこは理解が簡単なはずだよ。まあ初雪にはかなり難しい話になるだろうけどね。問題は対象の内部状況の把握だよ。これに関してはこの言い方はあまりにも抽象的でわかりずらいから少し詳しく見てみよう。まずは内部状況について話そうか。この内部状況というのは対象の粒子の軌道や結合率、後は大きさとかの関係性についてだね。私はあの時飛んできた巨大氷に対して観察眼と立体的視認を使用したんだよ。観察眼で粒子の状態と位置関係を完全把握はやろうと思えばできなくはないんだけどそれをすると単純に脳が焼き切れちゃうから大体を感覚的に把握、そして立体的視認を使ってその粒子と粒子を繋げる線を脳内で描いてその点と点が一番離れていそうな直線を見つけるんだ。そしたら後は簡単。無駄な力が入ると刀が必ずずれて直線を刺せなくなるからここで流体が必要となる。そうして流体を使った状態で綺麗に刃を入れていき粒子の隙間を通していきあの巨大効率を破壊したってわけだよ。どこか理解に悩む箇所はあったかな?もしあったら言ってくれれば解説するよ」

そうすると初雪はつゆきは現在思考をフル回転して理解を頑張っていたが香澄は挙手して雪梛に質問した。

「技の概要、そして構造までは理解できたわ。問題は貴方がどこでその技を知ったのかしら?貴方の異世界特殊部隊の誰かの技というのは予想がつくのだけれども一体誰の技を再現したのかしら?可能な範囲で答えてちょうだい」

香澄は結構長いこと雪梛と一緒にいたのだがこの異世界特殊部隊の情報だけは何も知らないのだ。

だから単純に気になって聞いたというわけだ。

「本当は私も答えたいんだけど実のところ私もわからないんだよね。多分脳の使用率制限が悪影響を及ぼしていて脳の記憶を担当している期間に記憶の制限すらもかけてしまったのだろうね。でも世界の場所だったりあえば必ずわかるから時期にその答えもわかるようになるというのが今の私にできる答えかな。なんか抽象的というかでごめんね」

「いいえ、それだけわかれば十分よ。まあ時期にその世界でも最強を目指すのだから今は特に気にする必要もないわね。そしたら初雪からの質問がなければこれからの予定について話しましょうか」

そう言って二人は初雪を見た。

「いや、特に質問はないよ。なんとか理解することはできたからね。まあ次の予定なんだけど私は非常に申し訳ないことに少しの間別の任務に向かわなければならないんだ。まあこんなんでも勇者だからね。なんか少し離れた街に魔物が攻め入りそうって情報が入ったから行かなければならないんだ。もっとも人を助けたいなんてそんな上質な感情はもうすでにないんだけどね」

初雪はそういうと立ち上がった。

それに続いて二人も立ち上がった。

「暇だからついて行くよ。どうせここにいてもさほどの予定があるわけでもないからね。香澄ももちろんくるでしょ?」

「もちろんよ。私のロマン砲で一掃してあげるわ」

どうやら次の目的地は決まったようだ。

「じゃあ行くとしようか。街までは私が案内しよう。心配はいらないと思うけど道中は一応注意しておいてよね」

「もちろんよ。戦場での油断は死に直結するって知っているから大丈夫よ」

そうして三人はせっせと駆け出し街へ向かっていった。

雪梛宅がある街を出てから数分で早速魔物とでくわした。

もちろんこんなことで止まるような三人ではない。

しかし雪梛と香澄は一つ気がかりなことがあった。

「なぜ貴方と行動して魔物とこんなに早く出会うのかしら?もしかしてこの前の世無離戦が原因かしらね」

「それは一理あるね。前に私が世無離と戦った時もこんな感じで魔物が少しだけ荒れていたんだよね。まあこんな奴らはさっさとぶっ殺してしまえばいいんだけどね」

そうは言いつつも一応勇者という名前があるためなるべく早く魔物の脅威から街を救わねばならないらしい。

三人はペースを上げて街を目指した。

街付近までくるとすでに戦闘は始まっていた。

人型の魔物や動物の姿を模した魔物を街の防衛の人々が退治しようとしているがどうやら厳しそうであった。

「じゃあさっさといくよ」

三人は抜刀して魔物を手当たり次第次々と殺していった。

バタ バタ バタ バタ

次々と死んでゆく魔物を街の防衛の人たちはただ見ていることしかできなかったようだ。

「これでおしまい。そういえば香澄はブーメラン使わなかったね」

「完全に忘れていたわ。まあこれはまだ検証していないからいいのよこれで」

言い訳のようなことを言いながら香澄は血払いをして納刀した。

「ありがとうございました。おかげで街は救われました」

急に話しかけてきたと思ったらなんか一番偉そうな人が頭を下げてきた。

「お礼ならそこのかわいらしい勇者に言ってあげて。私たちはただの付き添いだよ」

「いえいえ、貴方がどのような気持ちでこの場所にきたとしても助けていただいたという事実は変わりませんよ。街の人々を代表して改めてありがとうございました」

再度頭を下げられては流石に雪梛も対応せざるおえないようだ。

「無事でよかったです。ではこれで」

簡単に済ませてとりあえず初雪の元へ行った。

「一応こんなんでも勇者だからね。まあ困ったらまたなんかしらの連絡をくれればかけつけるよ」

どうやら話をしていたらしい。

「さてと、騒動も終わったことだしこの後は少しついてきてもらえるかな?この辺でいい場所があるんだよ」

初雪はそういうと一つの方角を指差した。

「じゃあちゃっちゃと案内しなさい。何をするか気になるけども」

「まあそれはついてからのお楽しみかな」

初雪はそんな感じではぐらかしてさっさと案内した。

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