星の守り人 34話 敵が攻めてきたけど?
「さて…どうしますか?言われた通りになりましたけれども?」
レイラは3ヶ月ぶりに国連機の科学技術局に来ており、目の前には局長であるハリーが座っている。
「た、確かに攻め込んできましたね…」
「それで?コロナイザーに対して何か出来ましたか?」
交渉に失敗して以降連絡は無視、訪問すれば門前払いを繰り返され怒りがMAXになっていたレイラがハリーを詰めまくる。
「しかしなぁ…1件だけの事例では情報の正確性としては…」
「では我々の仲間が応戦しなければどうなっていましたか?」
「それは…っていうかそれですよ!地球に侵入する許可は出してないぞ!入っているじゃないか!」
唯一反論出来そうな道を見つけ、水を得た魚のようにハリーが言い返す。
「はぁ…この期に及んで…いいですわ。ハリーさん、この際だから行っておきます。あの方は地球人です」
「…はい?それは一体どういうことでしょうか…?」
「名前は伏せますが、あの方は一度コロナイザーに攫われかけ、その後我々に協力しても良いと言ってくださったので、今ああして我々が踏み込めない地球で戦ってくれているのです」
「なるほど、そうすればあなたがたの理屈では、地球人だから地球に立ち入っても問題ないというわけですか」
「そうです。ご納得いただけましたか?」
「ちょっと強引な気もしますが…いいでしょう」
そのおかげで助かっているというのに、一体何様のつもりなんですかこいつは…
「いい加減にしてくれハリー!もう十分説得に足る情報じゃないか、猶予が無いんだ、頼む!」
「うむ…しかし…」
「何故ロングアイランド基地が狙われていると思う?コロナイザーにもここが中枢だとバレているからだ、次狙われるのはここかもしれないぞ!」
アレックスは真下、国連機の建物を指してハリーを説得しようとする。
「…仕方ない…議長との話の場を設けられないか聞いてみよう」
「…!ありがとうございます!」
やっとだ、ここまで1年弱…ようやくトップとの交渉の場を手に入れた。ハリーはどう見ても不満そうな顔をしながら「議長に話してくる」と言い残し執務室を後にした。
「やりましたね、レイラ殿」
「えぇ、ギリギリ間に合うかどうかの瀬戸際ってところでしたが、あとはー」
「ですがレイラ殿、一番の強敵は議長ですぞ、彼を納得させなければ未来はありませんぞ」
「大丈夫ですわ、いくつか策はあります。なんとしてでも…」
その後、議長との交渉は1週間後と通達があり2人は一度国連機を後にし、各々準備をするためにアレックスは研究所、レイラはキャリアーへと帰って行く。
*
「戻りましたわ」
「おかえりー」
「オルカはどちらに?」
「シミュレーターだよ、ケントに負けていられないってさ、かっこいー」
「そうですか…ちょうどいいですね。あなたと2人で話したいことがあるわ」
「え、告白?レイラとは戦友だからなぁ…」
「違うわ」
「あ、スイマセーン…」
いつものようにふざけてみたが、レイラの様子を見るに真面目な話のようだ。
「昨日の戦いの結果見たわ。覚醒…したのよね?」
「うん、それはもうバッチリ」
「そう…それで、なれそう?ストライカーに」
「覚醒した人全員がなれるわけじゃないけど、ケントには強い意志があるからね、なれるよ」
「リオが不確定な未来のことを断定するなんて、相当気に入ってるのね」
リオの密かな計画、折原をストライカーに育て戦略の中心に置く。第1関門の覚醒は突破した、あとは戦闘スキルをもっともっと磨けばきっと…
「来週、国連機トップとの交渉があるわ」
「ついに来た?やったじゃん」
「でもきっと上手く行かない」
「レイラっちにしては弱気だね」
「状況を正しく判断しただけよ。最悪のケースに備えて、急場凌ぎの案はあるけど、根本的な解決にはならない」
「そっかー、じゃあ僕の方も計画を進めよっかなー」
「計画?」
「こっちの話!気にしないでー」
「そう言われると気になりますわ…」
リオとの話を終え、交渉までどうせやることも無いからしばらくキャリアーでのんびりしてると言い居住スペースへ去っていく。レイラ不在の男所帯で散らかった居住スペースを見てキレるのはまた別の話。
*
「たまには学食以外で飯食おうぜ」
という山内の提案に乗り、大学の外に出てお昼ご飯を2人で探すことになった。
「それにしても…」
山内がスマホをいじりながら口を開く
「どこ見ても昨日の話題ばっかだなぁ…」
「…あれだけ大きな事件だったからね」
「でもやっぱりあれだな、色々見てみたけど、白き英雄の話はホントっぽいぞ」
「なんていうか、大仰な名だね」
「いやー、だってあれだぜ?世界でも屈指の戦力を誇るアメリカ空軍が太刀打ち出来なかった敵をたった1機で撃退だぞ?あぁっ!まじでどこの誰なんだよ、会ってみてー!っていうかロボット乗ってみてー!」
「誰なんだろうね…」
「あれ?意外と興味なし?」
「そういうわけじゃない…ないよ…」
胸がチクリと痛む、嘘は付きたくない。自分達の命を託すときに、嘘を付くものにどれだけの信頼が出来る?それに山内は大切な友達だ、今すぐ言いたい、俺だと。
「名乗り出ないって事は探して欲しくないんじゃないかな?」
「あー、確かに?…なんかすげぇ向こうの肩持つじゃん、さては折原お前…」
「え、何…」
「態度には出さないけど白き英雄のガッツリファンだな?」
「あー…そんなところ」
ちょっと和んだ、ありがとう山内。でもいつかは言わなければならないときは来る、その時にどんな反応をされるんだろうか…
それから1週間、テレビもネットもロングアイランド基地の話題で持ち切りで、様々な憶測か飛び交う中、白き英雄探しが白熱、折原は居心地の悪い日々を過ごすことになる。
そしてついに国連機のトップ、議長であるジェームズ・ロアとの交渉の日がやってきた…
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