第二章 二周目

神田駅西口

第026匙 パパード・チャパーティー:アーンドラ・ダバ(神田駅西口前)

 この店から、書き手の〈一筆書き〉企画も第二周目に突入する事となった。

 第二十五軒目、中央区の日本橋、最寄りは神田駅の〈南口〉エリアから、JRの高架下を通り抜けて、神田駅の〈西口〉エリアに入り、その西口前を走っている通りに在るのが「南インド料理 アーンドラ・ダバ」である。


 料理店の中には、ランチとディナーで同じメニューでも価格が違う、という店もあれば、夜営業とは異なる〈ランチ・メニュー〉を提供している店もあって、この店の場合、昼は、「2カレーセット」「チーズナンセット」「ミニミールス」「アーンドラミールス」「ドーサミールス」「フィッシュフライミールス」、そして「タンドーリ・セット」の七種類のランチ・メニューを提供している。


 店には、これらのメニューの詳細が掲示されているのだが、ざっと内容を確認してみると、違いはあれど、日替わりのカレーから二品を選ぶようになっていて、「ドーサミールス」のみカレーは一品になっている。

 ちなみに、書き手が訪店した、二〇二四年八月二十九日の日替わりカレーは、「マトン・ナス」「サーグ・チキン(ほうれん草チキンカレー)」「アール・ベンディ(じゃがいも・オクラカレー)」であった。


 この日の書き手は、「ミニミールス」を注文する事にし、カレーは「マトン・ナス」と「アール・ベンディ」を選択した。

 このミールスの内訳は、ライス、ボリヤル、ヨーグルトで、主食は、パパドを基本とし、さらに、ナンかチャパティから選ぶようになっている。


 主食となっている「パパド(パーパド)」とは、簡単に言うと、パリッパリのインドの極薄煎餅で、地域、あるいは家庭によって材料や作り方は異なるらしいが、北インドではレンズ豆で作る事が多いようで、豆ではなく米粉で作る場合もあるという。アーンドラさんは、南インド料理店なので、米粉が材料になっているのかもしれないが、事実は分からない。

 ちなみに、パパドは前菜として提供される事もあるが、北インドでは、デザート的に食後に食べるらしい。だが、南インドでは、料理の付け合わせとして出てくるそうなので、この店の銀のお盆の中にパパドが入っていたのは、南インド流なのかもしれない。


 そして、もう一つの主食、チャパティ(チャパーティー)は、分かり易く言うと、クレープのような、薄く円形に伸ばした生地を焼いた物である。

 生地には〈アタ粉〉を使い、これはインドの小麦粉の一種で、その全粒粉と水を捏ねて生地を作り、発酵はさせないそうだ。


 日本人の多くが想起するインドのカレーの主食であるナンは、精製した小麦を用い、大きな窯であるタンドールの内側に貼り付けて焼くので、実は、高級品なのだ。これに対して、精製した小麦を使わず、粉と水を捏ねて生地を作って、タンドールを用いず、平らに伸ばして焼くだけのお手軽なチャパティの方が、インドでは大衆的であるらしい。ちなみに、材料に小麦を使っているので、北インドの食べ物と思いきや、書き手は、南インドで焼かれている、という資料も見付けたので、南インド料理店で提供されるのも、別に日本だからという理由ではないようだ。


 多くのインド料理店の場合、主食の選択肢がナンかライスの二択の場合が多く、チャパティが選択肢に入っているケースは珍しい。そこで、書き手はチャパティを選ぶ事にした。


 やがて、注文したミールスが提供されたのだが、表面がパリパリに焼かれているナンに対して、チャパティは、クレープのようにフニャっと柔らかくなっているので、ナンとは食感はかなり異なっていた。


〈訪問データ〉

 南インド料理 アーンドラ・ダバ:神田駅西口

 二〇二四年八月二十九日(木)正午

 ミニミールス(マトン・ナス、アール・ベンディ):一一九〇円(現金) 

 カード26「キン肉マンスーパー・フェニックス」


〈参考資料〉

『公式ガイドブック』、四十三ページ。

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