第029匙 A圧倒的存在感B:Cozy(神田駅西口商店街近く) 

 例えば、食事と食事の間を〈四時間半〉開けられれば、胃に負担をかけずにカレー店の連続訪店ができるので、これこそが、カレーをレンチャンする場合の理想的食間だと書き手は考えている。もっとも、店によっては早めに閉店してしまう場合もあるので、そこは注意が必要なのだが。


 かくして、十七時に、神田西口商店街に在る『ハングリーカレー』さんに開店凸し、「ハングリーカレー」を食べ、その後、新橋で用事を済ませた書き手は、再び、二十一時半に神田西口商店街に戻り、この商店街の神田駅とは逆側の出入口あたりで路地に入った。その細道に在るのが「Cozy」さんで、喫茶店風のそのお店は、夜にお酒の提供もするが故にか、ラスト・オーダーが二十二時と深めで、スタンプラリー巡回者にとっては非常にありがたいお店なのである。とまれ、書き手が、それよりも三十分早く到着したのは、先に述べた理由からである。


 この日の夜は雨だったので、早めの閉店も覚悟していたのだが、問題なく入店できて、書き手は胸を撫で下ろした。


 さて、「Cozy」さんが用意しているカレーメニューは、「カレーライス」「チキンローストカレー」「ローストカツカレー」「キーマカレー」その他であった。


 書き手のこの日の食間は四時間で、理想値に対して時間が三十分足りなかったので、ここは胃に負担をかけないよう、重い揚げ物のトッピングは無しにして、普通のカレーかキーマを量少なめで注文しよう、と思っていたのだが、ラインナップの最後の品の頭に有った「海老」の文字を見た途端、書き手の気持ちは反転してしまった。

 この店の海老は、小さな海老が具になった海老カレーではなく、海老フライがトッピングになった海老フライカレーなのだ。


 なんだ普通によくあるトッピングカレーじゃん、と思わないでいただきたい。


 これは、超どデカい海老フライがドンとライスカレーの上に横たえられている品で、その海老のサイズは、普通の平皿の直径とほぼ同じ位と言えばイメージし易いのではなかろうか。


 まさに、この海老カレーは、Cozyさんだけが提供している唯一無二の「特大海老フライカレー」で、ちなみに、この「特大海老」だけをトッピングにした場合、これだけで八〇〇円かかる。


 この特別感には、やはり抗えない物があって、この日は、Cozyさんで四軒目だったにもかかわらず、この重々な揚げ物カレーを書き手は注文してしまったのであった。 


〈訪問データ〉

 Cozy:神田駅西口

 二〇二四年八月二十九日(木)二十一半

 特製海老フライカレー:一七〇〇円(現金) 

 カード29「ステカセキング」(二枚目)


〈参考資料〉

『公式ガイドブック』、三十ページ。    

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