第018匙 新メニューにも目がありません:ブラックデビル(秋葉原・昭和通り〈千代田区〉)

 〈昭和通り〉の向こう側に位置し、その大通りに面した「スパイスパレット」を出て、神田駅方面に向かって進むと、やがて、昭和通りと交差するような「総武本線」が通っている高架に出くわす。

 その両脇を二本の細道が走っているのだが、そのうち、右側の道に面した建物に掲げられている女の子のキャラ絵の看板を見落さないようにしなければならない。

 それは「声優のたまご」というコンセプト・カフェの看板なのだが、この建物において、昼に間借り営業をしているのが、カレー専門店「スパイスカレー ブラックデビル」だからである。


 ちなみに、高架の左側の方の道を取ってしまった場合、その高架の下は確かに横切れはするのだが、原則、通り抜け禁止になっているので、たとえ左側の道から、件の看板が垣間見えたとしても、強引に横切ってはならない。そんな事をせずとも、少し回り道をしさえすれば、右側の道に移る事ができるのだから。


 再確認になるが、昭和通りに面しているスパイスパレットさんの住所は〈台東区台東〉なのだが、昭和通りを左折し、こう言ってよければ、昭和通りのより外側に位置しているにもかかわらず、ブラックデビルさんの住所は〈千代田区神田〉なのである。

 ここに、区の境界に関する不思議が認められるのだが、この事に関しては、稿を別にしていずれ語るとして、カレーの話に戻るとしよう。


 書き手は、これまで「ブラックデビル」さんを二度訪れているのだが、その印象は、とにかく、鶏、豚、牛という多様な肉のトッピングが用意されていて、カレーがとてつもなく辛いという事であった。

 もしかしたら、ブラックデビルという店名は、カレーが悪魔的に辛い事に由来しているのかもしれない、そう思える程の辛さなのだ。


 このたび、〈スタンプラリー二〇二四〉における実際の再訪に先んじて、店のホームページの「MENU」を参照してみたところ、「2024年1月4日よりメニューをリニューアルします!」という告知を見付けた。


 まず最初に、辛さ〈一.五〉の「オリジナル」、辛さ〈五〉のスパイシー、そして「あいがけ」の三つからルウを選択し、それから肉を、鶏、豚、牛の中から選ぶ。ちなみに、肉の値段は、鶏、豚、牛の順に高くなってゆくようだ。そして、それぞれの肉は、「50g」「100g」「150g」といったように、肉の量が五〇グラム単位で設定されている。もちろん、幾つかの肉を組み合わせる事もできて、例えば、ベースとして、五〇グラムの鶏カレー(七二〇円)を頼み、トッピングとして、一〇〇グラムの豚(三八〇円)や、一五〇グラムの牛(八二〇円)を追加する注文方法も可能なようだ。

 さらに、ライスの量を減らしたり、逆に増やしたり、ルウを増量したり、半熟卵や青唐辛子、にんにくを付けるオプションも用意されており、客の好みによって、様々な注文方法もできるらしい。


 そして、細かなトッピングだけではなく、五〇グラムずつの「肉3種」や「肉4種」、一〇〇グラムの「肉3種」といった固定メニューも用意されている。


 ところで、肉の酒類は鶏、豚、牛なのに、「肉4種」というメニューがあるのは、実は、牛のキーマを含めての事であるようだ。 


 そして、実際に店まで行ってみたところ、店のメニューに、ビーフキーマを使った「ビーフキーマ丼」に「新メニュー」のシールが貼られていたので、書き手は、迷うことなく、この新メニューを注文する事にしたのであった。

 ちなみに、このキーマ丼は辛くはなかった事を、ここに指摘しておきたい。

 

〈訪問データ〉

 ブラックデビル:昭和通り〈千代田区〉、日比谷線秋葉原駅

 二〇二四年八月九日(金)十二時半

 ビーフキーマ丼(ライス少な目五〇円引き):八三〇円(クレカ) 

 カード18「ロビンマスク」


〈参考資料〉

『公式ガイドブック』、六十三ページ。 


〈WEB〉

 「MENU」、『スパイスカレーブラックデビル』、二〇二四年八月三十一日閲覧。

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