第009匙 オススメカレーで気分はポパイ:日乃屋カレー 御茶ノ水店(お茶の水)
今回の〈スタンプラリー二〇二四〉にも、数多くの支店展開をしている、いわゆる〈フランチャイズ〉のカレー専門店が幾つか参加している。
例えば、金沢発祥の「ゴーゴーカレー」の神田店や、関西系の「上等カレー」の秋葉原店がそれで、対して、関東のFCの代表が「日乃屋カレー」で、ちなみに、文京区の湯島に本店が在る。
湯島本店は千代田区の北東部の秋葉原・神田明神エリアと隣接しており、それが理由かどうかは定かではないのだが、その千代田区内には、日乃屋カレーの支店が、神田、神田西口、半蔵門、秋葉原、九段下、神保町、御茶ノ水、麹町、飯田橋、大手町のように十店舗あって、そのうちの、神田店、神田西店、神保町店、そして御茶ノ水店の〈四店〉が、今回の「神田カレー街食べ歩きスタンプラリー2024」に参加している。
ところで、二〇二四年八月現在、東京都内に三十二の支店があれど、「日乃屋カレー」には、グループとしての代表的な「基本カレー」があって、公式ホームページを参照してみると、「名物カツカレー」や「名代上メンチカレー」が定番カレーであるようだ。ここでさらに、いつものカレー・ガイドブックを参照してみると、スタンプラリーに参加している日乃屋の店舗は、店それぞれで推しているカレーが違っているのは面白い。
WEBのスタンプラリーのページによれば、神田店は「日乃屋カレー」「名物カツカレー 」「名代上メンチカツカレー」を、神田西口店は「名物カツカレー」「たっぷりほうれん草カレー」「焼チーズカレー」を、神保町店は「日乃屋カレー」「手仕込みカツカレー」、ランチ限定の「焼きチキンカレー」を挙げている。
ところで、御茶ノ水店に関して気になったのは、基本カレーの「チキン南蛮タルタルカレー」「牛すじ煮込みカレー」に加え、「カツカレー&カレースパゲティ」が挙げられていた点だ。
ちなみに、御茶ノ水店の出入口付近には、メニューの一覧が貼ってあって、ポスターの左半面の黄色が「日乃屋カレー御茶ノ水店 定番メニュー」で、「チキン南蛮タルタルカレー」「牛すじ煮込みカレー」は、この黄色に分類されており、一方、緑の右反面が「御茶ノ水店オリジナルメニュー / 期間限定メニュー」で、「カツカレー&カレースパゲティ」は、こちらに分類されている。
この文脈からいくと、書き手は限定カレーのいずれかを注文する流れのように思え、事実、そのつもりでいたのだが、御茶ノ水店の限定の特徴は、「ダブル」や「トリプル」、あるいは「2倍」、もしくは、〈A&B〉のような品で、とにかく、ボリューミーなのだ。
おそらくこれは、お茶の水界隈の学生街という特性ゆえの状況であるように思われる。
実は、この日の書き手は、昼間に既にカレー店を二軒訪れており、そして、この日の夕方もハシゴする予定であった。
だから、量が多いカレーはお腹的に厳しく、そのため、限定カレーの注文は無理そうであった。
この時、書き手の目に止まったのが、店の前に置かれていたイーゼルで、ここには、「たっぷりほうれん草カレー」が、「御茶ノ水店 本日のオススメ」として書かれていた。
それから、いざ店に足を踏み入れ、券売機を見てみると、そのオサレカレーたる〈ほうれん草〉は、いわゆる量少なめの「七分」の提供も為されていたのだ。
だから、レンチャンカレーの為に、夕方の〈一軒目カレー〉は量を少なめにしよう、と考えていた書き手にとっては、 「本日オススメ」の「七分」の〈ポパイ〉カレーは、願ったり叶ったりのメニューだったのである。
〈訪問データ〉
日乃屋カレー 御茶ノ水:お茶の水
二〇二四年八月六日(火)十七時半
たっぷりほうれん草カレー(七分):八五〇円(現金)
カード09「ブラックホール」(二枚目)
〈参考資料〉
『公式ガイドブック』、六十九ページ。
〈WEB〉
「店舗一覧」「基本メニュー」、『日乃屋カレー 公式サイト』、二〇二四年八月十五日閲覧。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます