西の外縁:四ツ谷・市ケ谷

第003匙 四ツ谷の南極料理人:レストラン エフ(四ツ谷)

 スタンプラリー二日目の八月二日、千代田区の南部をすっとばして書き手が向かったのは〈四ツ谷〉であった。

 ちなみに、千代田区・南部を素通りしたのは至極単純な話で、内幸町・虎ノ門・溜池山王・赤坂見附を繋ぐ千代田区の南側に、〈スタンプラリー二〇二四〉の参加店が無かったからである。

 そして、新宿区と隣接している千代田区の西端に位置し、上智大学がメルクマールになっている〈四ツ谷〉に関しては、スタンプラリーの参加店は有るものの、実は一軒だけで、その店は、「主婦会館プラザエフ」の二階に入っている。


 その主婦会館は、戦後直後の一九四八年に発足した「主婦連合会」の活動拠点として、一九五六年に設立され、その後、主婦連合会創立五十周年を記念して、一九九八年に全面リニューアルされた。それが、現在の「主婦会館プラザエフ」であるそうだ。

 なるほどたしかに、このような由来を持つ「〈主婦〉会館」ではあるが、もちろん、主婦以外の入場が〈不可〉という事はなく、中年男性の書き手でさえ、受付で呼び止められる事無く、普通に入場する事ができる。

 とまれ、この歴史ある建物の二階に入っている料理店こそが「レストラン エフ」なのだ。


 このレストランは、十一時半から十四時までの〈ランチ・タイム〉と、十四時から十七時までの〈カフェ・タイム〉の二部構成になっていて、カレーは、ランチにおいてもカフェにおいても提供可能なのだが、日によって、カフェ・タイムの営業が為されない場合もあるらしいので、訪れたい場合には、店のホームページ上に掲載されている「営業案内」を参照するのがよい。


 さて、この店は、カレー専門店ではなく、フレンチをベースとする洋食店で、基本となるメニューは、「日替わりパスタ」や「定食」で、定食は、肉か魚、あるいは、カレーの何れかからメインを選択するようになっており、無論、この定食のカレーが、スタンプラリーの対象料理となっている。


 レストランのホームページを参照してみると、もともとは、このカレーはパーティーにおいてしか提供されなかった特別メニューであったらしい。

 しかし、おそらくファンの要望があったのだろう、やがて、レギュラー化したようだ。


 「レストラン エフ」のホームページや、『ガイドブック』の店のページを参照すると、このカレーのソースは、「玉葱 、フルーツ 、スパイス10 種類以上使用した濃厚でフルーティーな味わいで」、さらに、具材には旬の食材を使用しているらしく、書き手が訪問した八月初旬は、茄子、ブロッコリー、そして赤パプリカ、という、いわゆる〈夏野菜〉が使われていたのだが、季節に応じて、秋は秋、冬は冬、春は春の野菜が使われるのかもしれない。

 

 ちなみに、このカレーの名称は「南極シェフの特製エフカレー」で、この料理名後半の「エフ」は、当然、この建物やレストラン名の「エフ」から取っているのは明らかなのだが、それでは、メニュー名前半の「南極シェフ」とは一体何か、というと、実はこれは、「レストラン エフ」の「古畑」シェフが、「南極観測隊」の調理担当であった、という、その経歴に由来しているにちがいない。


 ここで思い出されるのは、二〇〇九年の八月八日に劇場公開された、「堺雅人」氏主演の『南極料理人』である。

 調べてみたところ、WEB上に、何人かの元〈南極料理人〉たちのインタビュー記事が散見できたので、これを機に、色々調べてみるのも興味深い、と思う書き手であった。


〈訪問データ〉

 レストラン エフ:四ツ谷

 二〇二一年八月二日(金)十一時四十五分

 南極シェフの特製エフカレー:一三〇〇円(クレカ)

 カード03「アトランティス」


〈参考資料〉

 『公式ガイドブック』、七十五ページ。

〈映画〉

 『南極料理人』、配給:東京テアトル、公開日:二〇〇九年八月八日。

〈WEB〉二〇二四年八月八日閲覧」

 「主婦会館プラザエフについて」、『一般財団法人主婦会館』

 『レストラン エフ』

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