第011匙 予定が狂うと普通にしてしまうの巻:カリガリ お茶の水店(お茶の水)
蔵前橋通りに面し、末広町近くの「カリガリ」といえば、「神田カレーグランプリ」において、二〇一九年にグランプリ、二〇二二年に第三位、二〇二三年に準グランプリを受賞している名店だ。
神田カレーグランプリは、来場者の投票数に基づいた結果で受賞店が決まり、データによると、二〇一九年は四万六千人、二〇二二年は三万一千人、そして二〇二四年は三万八千人が来場したそうなので、つまり、カリガリさんは、これだけ数多くの参加者から支持を得た店なのである。
その秋葉原の人気カレー店が、今年、二〇二四年の四月二十四日に、御茶ノ水にオープンさせた支店、それが「カリガリ お茶の水」で、東京メトロの千代田線のホームに直結している建物、「お茶の水サンクレール」の一階に入っており、その店舗は、目抜通りにこそ面してはいないものの、道に面した店の壁がガラス張りになっているので、書き手の印象では、この新支店は、かなり〈目立っている〉ように思える。
ここで、店のホームページを参照してみたところ、カリガリさんの店は秋葉原だけではなく、その秋葉原を総本店とし、支店は、お茶の水に加え、上野、五反田、三軒茶屋、そして海外は香港、さらには、キッチンカーも展開しているそうなのだ。
さらに、ガイドブックの店のWEBページを見てみると、お茶の水店では、「ココナッツベースのカリガリカレーと本格スパイスのインドカレーのあいがけに人気トッピングをのせたアキバ盛りカレー」が〈オシ・カレー〉になっていた。
この時、書き手が疑問を抱いたのは、カリガリさんでは、店舗ごとに独自のメニューが果たしてあるか否かという点であった。
WEB上だと、「ランチメニュー」と「ディナーメニュー」に分かれてはいたのだが、それらは店舗ごとにはなってはいなかった。そのため、メニューが、はたして、秋葉原総本店だけのものなのか、全店共通のものなのかの判断がつかなかったのだ。
つまるところ、結局、店に行ってみる以外、正確な所を知る術はないのかもしれない。
そして、WEB上のランチのメニューを見た書き手は、「超特価 ガリジャパセット」という、一番上に掲載されていた品が非常に気になってしまったのであった。
このカレーは、「普段は脇役のガリと千切大根、しかしジャパニーズカレーと共に食べると一気に主役!」という、他の店で見たことのないようなカレーで、何より値段が〈八七〇〉とお値打ち価格であったのが気に入った理由だ。
かくして、書き手は、『カリガリ』のこの〈ガリ〉カレーを頼む決意をし、店に向かったのであった。
入店したところ、面白い事に、メニューやカトラリーが案内された席の机の引き出しの中に入っていたのだ。
書き手は、注文すべき品を決めていたので、メニューを開く必要はなかったのだが、メニューが机の中に入っているという状況に面白さを覚え、それを捲ってみたのであった。
ところが、である。
書き手の勘違いの可能性も無きにしも非ずなのだが、目当ての〈ガリ〉カレーが見つからないのだ。
もしかしたら、WEB上のメニューは秋葉原本店のもので、その中には、秋葉原店だけの品があって、ガリカレーがそれなのかもしれない。
ということは、可能性として、お茶の水店限定の品もあって、それならそれも興味深い、とも書き手は思った。
しかし、捲っても捲っても、そのような品は見付からなかった。
決めていたカレーも限定もなく、あたふたしたあげく、書き手が注文した品は、カリガリさんの定番中の定番である「インドカレー」であった。
〈訪問データ〉
カリガリお茶の水:お茶の水
二〇二四年八月七日(水)十一時半
インドカレー(ライス少な目):八二〇円(クレカ)
カード11「ザ・忍者」
〈参考資料〉
『公式ガイドブック』、五十七ページ。
〈WEB〉二〇二四年八月十九日閲覧
「過去の結果・受賞店」、『神田カレーグランプリ』
『株式会社カリガリ公式サイト』
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