聖女になんてなりたくなかったのに

教会での儀礼を取り仕切る『聖女』の家系に生まれたリアンシェーヌは、母親と共に魔術による医療に従事していた。母の教えに従い、依頼された奴隷の治療を行うリアンシェーヌだったが、治療を通じて患者たちの背景と苦悩に触れ、彼女は自身の行動の意味と社会の矛盾に対する疑問を徐々に深めていく。
貴族としての役割と社会への責任に板挟みに遭いながらも、リアンシェーヌは公正な世界を実現するために奮起する……はずだったのに。

母親の死をきっかけに、予定より早く聖女となったリアンシェーヌは、教会から儀式の進行を依頼される。しかし、傷心の彼女を教会で待ち受けていたのは、狂気的な伝統と悍ましい惨劇だった！

これは、世間知らずのお嬢様が少しずつ精神をやられながらも、持ち前の正義感で強大な悪に立ち向かう物語。