第17話 ソフィーとお姉ちゃん(ソラちゃん編)・前編
【ソラ視点】
「ふわぁ〜あ………よく寝たぁ」
カーテンからの光で今日も目が覚める。ここ最近はすごく目覚めがいい。多分その理由はナギサ様が連れてきたソフィア様のおかげだと思う。ソフィア様はとっても可愛くてあの無邪気さが癒される。ユキのことも好きだけどソフィア様も同じくらい好き。
「むにゃむにゃ、もう食べられないよぉ〜」
相変わらずユキは寝言が多い。この前なんか絶叫してたからね、いったいどんな夢を見てるのやら。
私はユキを起こすためにカーテンを勢いよく開ける。そして光が一気に部屋に入り込む。
「んん〜、眩しい………」
「ほらユキ、起きなさい」
「まだぁ〜もうちょっと‥…」
まったく、この子はいつまで経っても自分で起きようとしないんだから。そんなんじゃいつまで経っても結婚はもってのほかだけど、自立もできないよ。
「ほ〜ら、起きなさい! お姉ちゃんは先に行くからね、セラさんとかに起こしてもらっちゃダメだからね」
今週は私がソフィア様を起こす番だからいつもより早く起きてソフィア様を起しに行くんだ。いやぁ〜楽しみだなぁ、ただでさえ可愛いソフィア様なのに寝起きで寝ぼけてるソフィア様なんて見たら………どうなることやら。
そして服を着替えて部屋を出てソフィア様のお部屋に向かう。
「ソフィア様、ソラです。入りますよ?」
ソフィア様の部屋のドアをノックして入っていいかを聞く。
まあもちろん返事が返ってくる事はない。だって、この時間に起きてるわけがないもん。だけど、部屋に入る時はこう声をかける事が一応決められている。
そんな訳で声をかけて部屋に入る。
「ソフィア様、起きてますか?」
「うぅ〜ん………ソラおねえちゃん?」
声をかけるとちっちゃな声で返事を返してくれた。はぁ………可愛いなぁ〜
「はい、ソラです。カーテンを開けても大丈夫ですか?」
「うん、だいじょうぶ」
「ありがとうございます」
許可ももらったし部屋のカーテンをゆっくり開ける。すると暖かな日の光が差し込んできてソフィア様の綺麗な黒髪を照らす。この世界では何故か黒髪は嫌われてるけど、私は好きだなぁ。
「おはよ〜、ソラおねえちゃん」
「おはようございます、ソフィア様」
ソフィア様は起きると1番におはようの挨拶をしてくれる。ユキもソフィア様を見習ってほしいものだ。4歳児の方がしっかりしてるってどういう事なんだろう。
「それじゃあお着替えしましょうか。お洋服を用意しますので少し待ってて下さい」
そう言って部屋にあるクローゼットからソフィア様のお洋服を用意しようと後ろを向くと服の袖を引っ張られた。
「あっあの……」
「どうしたんですか?」
「お……おトイレにいきたいから………ついてきて……」
そう言われて初めてソフィア様がお股のところを押さえてるのに気づいた。私もまだまだだ。
「わかりました、急ぎましょう!」
そう言ってソフィア様を抱っこしてトイレに向かう。
◇ ◇ ◇
ソフィア様のトイレを終わらせて部屋に戻ってお洋服の準備を始める。
ソフィア様はまだ眠たいのか少しウトウトしてる。そんなソフィア様も可愛らしい。
「ソラお姉ちゃんきがえたよぉ〜」
「では、ナギサ様のところに向かいましょうか。今日はどうしますか?歩きますか? それとも抱っこで行きますか?」
「う〜ん……だっこがいい!」
「わかりました。では行きましょう!」
そしてソフィア様を抱っこしてナギサ様がいる部屋に向かった。この時間帯ならセラさんとかもいるかな?
〈トントントン〉
「ナギサ様、ソラです。入っても大丈夫ですか?」
「大丈夫よ〜」
許可を貰ったから部屋に入った。
「ナギサ様、おはようございます」
「おはようソラ、それにソフィー♡」
「ママぁー!」
ソフィア様はナギサ様を見るとぴょんと飛び降りてナギサ様のところへ走っていく。
「どうしたのぉ? 今日は甘えん坊さんかな?」
「えへへ〜ままあったか〜い」
「ふふっソフィーもあったかいよ〜」
あぁ……良いな。
私はちょっと特殊で、女の人同士、特に親子で仲良くしてるのが本当に好き。街中で親子で仲良くしてるのを見ると少し羨ましく感じちゃう。
「はい、朝はおしまい。ご飯食べてきな」
「は〜い……」
二人でぎゅ〜っとするのが終わってナギサ様はお仕事に戻った。最近は忙しいらしく一緒に朝ごはんを食べる事ができていない。そのため朝ごはんの時だけちょっとだけソフィア様がご機嫌斜めになっている。
「後ちょっとで終わるからね、もうちょっとだけ我慢してね。ソラ、頼んだわよ」
「はい! じゃあ行きましょうか」
そしてナギサ様の部屋を後にして食堂に向かった。
今日の朝ごはんは何にしようかな?
「ソラおねえちゃん、きょうのあさごはんはパンがいい!」
「わかりました、では今日の朝ごはんはサンドイッチにしましょうか」
「やったー!」
ソフィア様から要望があるのは珍しいなぁ。なにか良いことあったのかな? そんな事を考えながらキッチンに向かう。
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