第18話 ソフィーとお姉ちゃん(ソラちゃん編)・後編

キッチンに向かって冷蔵庫の中からサンドイッチに使えそうな食材を探す。今日のサンドイッチは何にしようかなぁ〜タマゴサンドも良いし、フルーツサンドも魅力的、逆にここはお惣菜とかを使ったサンドイッチでも作ってみる? ふふっアイデアがいくらでも湧いてくるわ。


今日は………ハムとレタスのサンドイッチとミックスフルーツサンドにしよう。新鮮そうなフルーツもあるし、美味しそうなハムとレタスもある。じゃあさっそく作り始めなきゃ!


「ねぇねぇソラおねえちゃん!」


フルーツの下拵えをしているとテーブルに座っていたソフィア様がいつのまにか足元にまで来ていた。


「どうしたのですか?」


「ソフィーもなにかてつだうよ!」


そう言うソフィア様のお顔には輝かしい笑顔が咲いている。はぁ〜♡可愛い。こんな事されちゃったら誰だってソフィア様の虜になっちゃうよ。


「では一緒にフルーツの皮剥きをしましょう♪」


「うん!」


私はソフィア様の乗る土台を持ってきた。これはナギサ様が作った物で、ソフィア様が「お手伝いをしたい」と言った時に感動して凄い勢いでで作り上げたものなのです。ソフィア様も気にってるらしくよくこれを持って色々なところでお手伝いをしているのを見かけます。


「じゃあまずはオレンジの皮剥きをしましょうか。オレンジの皮は硬いので力を入れて剥いても大丈夫ですよ」


「やってみる!」


やる気満々のソフィア様に剥き方軽く教えるとさっそく剥き始めた。最初は私のやり方を見て真似るようにしていたけど、途中からは自分のやり方で向き始めた。ソフィア様はまだ小さいから剥くのに手こずるかと思ってたけど実際はどんどん剥いていってて凄く助かった。


それから他のフルーツの皮を剥いたり、切ったり、レタスをちぎったり二人で朝ごはんを作り終えた。


「よし、出来た! じゃあ食べよっか」


「うん! いただきます!」


ふふっ自分で作ったご飯は人に作ってもらうよりも圧倒的に美味しくなるからきっと今までで1番美味しいはず!


「ソフィア様、どうですか?」


「おいしい!」


「ふふっ良かったです。それはそうとソフィア様……」


「なぁに?」


ソフィア様は食べていたフルーツサンドを口から離してこっちを向いてきた。その顔のほっぺたにはクリームが付いていた。


「ほっぺたにクリームが付いてますよ。………はい、取れましたよ」


「えへへ〜ありがとっ!」


はぅ……可愛い♡ こんな純粋な心は絶対に失ってほしく無い。成長してもずっとこのままでいてくださいね!!


◇ ◇ ◇


朝ごはんを食べ終わって今はソフィア様と歯磨きをしている。小さい頃からこういう習慣をつけておくのは大切ですからね! しっかり覚えていただかなければ!


「そあおええちゃん………しあげあって〜?」


「ソフィア様、咥えたまま喋るのは危ないので今度からは裾を引っ張ってくれればいいですよ」


「わあったぁ〜」


そう言ってソフィア様の歯磨きの仕上げをした。



そして朝からの一連の流れを終わらせるとそのあとは基本的に自由になる。最近はソフィア様一人で行動する事が多く、日々成長が見えて感動している。けど大体はいつもナギサ様のお部屋でお絵描きをしたり、絵本を読んだり、ナギサ様と遊んだりしてる。


「ソラおねえちゃん! いっしょにあそぼ!」


「えっ?」


今日もいつも通りナギサ様のお部屋で遊ぶのだと思って仕事(掃除)の準備をしているとソフィア様が嬉しそうに話しかけてくれた。


「私で良いんですか?」


「うん! きょうはおそとであそびたいの!」


「わかりました♪ では外用のお洋服に着替えましょうか」


「うん!」


◇ ◇ ◇


そして外用のお洋服に着替えて外に出た。

今日は外もあったかくて天気もいい。外で遊ぶにはちょうどいい日だね。


「ソフィア様、今日は何をして遊ぶんですか?」


「ひなたぼっこがいい!」


「………ではそうしましょうか。シートを持ってきますね」


日向ぼっこは遊びに含まれるのだろうか? まあ本人がやりたいって言ってるなら私はそれを尊重しますけどね。


「ソフィア様、用意できましたよ」


家から外でも寝転ぶくらいにはできるくらいの大きさのシートと冷えた時のためのタオルケット、飲み物、ちょっとしたおやつを持ってきた。これくらいの準備は当たり前だよね。


「ねぇねぇ、おひざにすわっていい?」


「はい、良いですよ」


ソフィア様はそう言うと私の膝に座ってきた。そしてソフィア様は頭を私の胸に乗せてリラックスし始めた。


そして日向ぼっこをし始めて30分くらい経ったあたりからソフィア様がうとうとし始めた。ソフィア様は眠くなると手を握ったり、お喋りが少なくなる。


「ソフィア様、おねむですか?」


「うぅ〜ん、ちょっとだけぇ……」


「寝ても大丈夫ですよ」


「わかったぁ」


そう言うとソフィア様は目を閉じて私に体を委ねてきた。小さな体が私の体にちょうどフィットしてる。


「ふふっ何か美味しいものを食べてる夢でも見てるんですか?」


ソフィア様の口の端っこからよだれが垂れてきていて幸せそうな顔をしている。もしかしたらナギサ様と一緒にご飯を食べてるのかもしれない。あぁ可愛い♡


なんか、ソフィア様を見てたら私も眠くなってきたような………けど、ここで寝てしまったら後でナギサ様になんて言われるか………けど………やっぱり……


***


「あらあら、二人とも仲が良いわね。羨ましいわぁ〜」


仕事がひと段落したから二人の様子を見に来たんだけど………可愛すぎるんだけど? 二人とも横になっててソフィーがソラちゃんの腕の中でスヤスヤと眠っていた。


せっかくタオルケット持ってきてるのにかけてなかったら意味ないでしょ? まったく、ソラちゃんもまだまだ手がかかるね。私はスヤスヤと眠っている二人にタオルケットをかけてあげた。


「私もソフィーと一緒に寝たかったなぁ」

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