第23話 お勉強

熱も下がっていつも通り仕事をしてたある日、私には気になる事があった。それは…………


「ママーこれなんてよむのー?」


最近、ソフィーがいろんな本を持って来ては私やセラなどに質問攻めをしているのだ。別にそれはソフィーの成長にも繋がるから喜ばしいことなんだけど…………問題はその頻度なんだよねぇ〜。すごい時は聞きにきて帰る途中にまた聞きにくるからね?私とかから聞いて帰りながら本を読むからすごい頻度で来る。


聞きに来てくれるのは親としても嬉しいんだけど、こうも頻繁に来られるとこっちも仕事が進まなかったり支障が出てくるからなぁ、誰かに家庭教師までとは言わないけど勉強を教えてあげる人を決めた方がいいのかなぁ。


「ママーこれなにー?」


「ん〜?これはねぇ〜……………だよ」


「わかった!ありがとう!」


う〜ん、凄い癒されるのは良いんだけど……………やっぱり決めるか。

そうなるとセラは私の仕事の補助で忙しいだろうし、エリンは……………論外だし、ユキちゃんはちょっとおバカなところもあるから………


「ソラちゃんに頼むか〜」


◇ ◇ ◇


「ってことなんだけど、頼める?」


私はさっそくソラちゃんのところへ相談に向かっていた。


「はい!任せてください!こう見えて教えるのは得意なんですよ♪」


ソラちゃんは二つ返事で快く承諾してくれた。


「あっけどソフィーが知りたいって時に教えてあげるだけでいいからね。こういうのは自主性が大切だから」


勉強は自主性が大事。その人の性格にもよるけど、勉強とかは【やらされてる】人よりも【自分でやる】人の方が伸びやすいし、その後の成長とかも考えると自主性を大事にした方がいい。


「なるほど…………」


ソラちゃんと家庭教師の打ち合わせをしているとソラちゃんの部屋のドアが開いた。ドアの方を見ると


「ママー?」


ソフィーが絵本を持って入って来た。

ちょうどいいや、早速実践してみよう。ソラちゃんに耳打ちをしてさっそく試してみることにした。


「ソフィー今度から聞きたいことあったらソラお姉ちゃんに聞いてね」


「……………わかった!ソラおねえちゃん、これなんだけど………」


最初はびっくりしたような顔を浮かべたけどすぐにいつもの可愛らしい笑顔を浮かべてわかってくれた。ソフィーは賢くて助かるなぁ。


「ここはね〜」


そしてソラちゃんは優しく、ジェスチャーを使って私よりもわかりやすくソフィーに教えていた。う〜ん、ソラちゃんの説明を聞くといかに自分の説明がわかりずらいかがよくわかる。昔から勉強は出来たけど、教えるのはあまり上手じゃなかったからなぁ、教えるのが上手い人は尊敬するわぁ。


ソフィーのことはソラちゃんに任せて部屋に戻って仕事を再開させた。


〜〜〜2時間後〜〜〜


「ママー!」


ソフィーがいつものように本を持って部屋に入って来た。おかしいな、そらちゃんに聞くように言ったんだけどなぁ…………………なんて思ってた私がバカだった。


「どうしたの?」


「えっとね、この本よめるようになったの!」


ソフィーはニコニコの笑顔で私のそばまで歩いて来て読んでいたであろう本を見せてくれた。ソフィーが持っていたのは今まで読んでいた絵本じゃなくて少し大きくなってから読む児童用の物語が書かれた本を持って私に見せて来た。


「ソラお姉ちゃんがいっぱい教えてくれたの!」


「お〜凄いよ〜!」


私がソフィーの頭を撫でてあげるとソフィーは満足そうな顔を浮かべた。まさか自分の子が成長したのを報告しに来てくれるとは、感動の極みだ。


「それでね、ママにお願いがあって」


「うん、いいよ。なんでも言ってごらん♪」


「えっとね、新しいの買ってほしくて」



次の瞬間、私はソフィーを抱っこして部屋を出ていた。

そして急いでソフィーを外用のお洋服に着替えさせて本屋に向かった。


◇ ◇ ◇


「さ、好きなのいくらでも選んできていいわよ」


街に中で1番大きい本屋に入った。

ソフィーはたくさんある本に目を輝かせて色々なところを見て回っていた。そしてソフィーはある場所で足をとめた。


「こういうのが欲しいの?」


ソフィーが足を止めたのは魔法に関することが書かれたエリアだった。まあ確かにソフィーにはいずれかは魔法の勉強をしてもらおうとは思ってたけど、ちょっと早すぎるような気もするんだよなぁ。けど……………子供がやりたいって言ってるのにそれを遮るのもなぁ。う〜ん……………


「いいよ、好きなだけ選んできな」


「やったー!」


うん、ソフィーのためだから、親は子供のしたいことに全力で後押しするのが仕事だから。


◇ ◇ ◇


「ママ、ありがとう!」


「…………う、うん。いっぱいお勉強するんだよ」


「うん!!」


私は大量の本を抱えて家に帰って来た。

まさか、こんな量になるなんて……………いや好きなだけいいって言ったけど、けど!!棚1個分が消えるなんて思ってもなかった。


まぁ、ソフィーの未来への投資と考えれば………………

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