第8話 お昼ご飯、そして帰宅
「ソフィーお昼ご飯何食べたい?」
洋服屋さんを出て馬車に戻る途中にソフィーに聞いてみた。
「う〜ん……おいしいのたべたい!」
「……そうじゃなくて、お肉が良いとかお魚が良いとか、そういうのを聞きたいんだけど〜」
「ん〜じゃあおにくがいい!」
「そう、じゃあお昼ご飯はお肉にしよっか!」
「うん!」
お肉か〜どこかのお店に入って食べても良いんだけど………せっかく来たなら出店とかで食べ歩きとかも良いよねぇ〜どうしよっかなぁ。まっこういうのはセラに聞いた方が良いね!
「セラここら辺にお肉とかの食べ歩きができるお店とかってある?」
「そうですねぇ〜串焼きとかはどうですか?」
「あ〜それならゆっくり食べれるし種類もいっぱいあるしちょうど良いわね! それじゃあ串焼きにしましょうか。ソフィーも串焼きで良い?」
「うん!」
「オズさん、おすすめの串焼き屋さんってありますか?」
「あるぞ〜、次はそこで良いか?」
「はい、お願いします」
ふふっ久しぶりの串焼き、楽しみだなぁ〜。
◇ ◇ ◇
「着いたぞ〜」
少ししてオズさんおすすめの串焼き屋さんに着いた。
ソフィーはさっそくさっき買った青色の宝石が埋込まれているネックレスを着けていた。
「ありがとうございます!………オズさんは何が良いですか?」
「いや、俺のはいいよ。嫁がカナが作ってくれた弁当があるからな」
そう言うとオズさんはバッグから弁当箱を取り出して私達に見せてくれた。カナさんっていうのはオズさんのお嫁さんだ。
「そうなんですか?じゃあ今度何かお返しさせて下さいね」
「おう、また今度な!」
なんて言ってるけど今まで返せた覚えがないから結局最後に馬車代を多く払ってるんだけどね。けど、オズさん真面目だから「多く払ってんじゃねえよ!!」って一回逆ギレされた時はびっくりしたよね。
「じゃあ行こっか」
そして串焼き屋さんの前には沢山の行列が出来ていた。
やっぱりオズさんが教えてくれるが教えてくれるお店だから美味しいんだろうなぁ。それにしても、これ…………いつ買えるんだろう。
私達もその列に並び始めると店員さんが寄ってきた。
「お客様、こちらメニューと注文票になります! お決まりになりましたらお書きになって私達に渡して下さい!」
その店員さんはそう言って一枚の紙と一回り小さい注文票を渡してきた。
へぇ〜確かにこうした方が時間の無駄がなくて良いし、いざ自分の番になった時にどれにするか迷わなくて後ろの人にも迷惑にならないから効率的だなぁ。
「ソフィーどれがいい?」
私はセラにメニュー表を持ってもらってソフィーを抱っこしてメニュー表を見えるようにした。ここでソフィーに合わせてしゃがんじゃうと列が動いた時にすぐに動けないし、その体勢を維持するのも大変だからね。
「……まま、これは〜?」
「これはハニーポークの腸詰焼きっていって、お肉を腸に詰めて焼いたのだよ。噛んだ時にパリッと良い音がしてすっごく美味しいの」
「へぇ〜」
それからもソフィーの気になった物を答えて注文する物を決めていった。メニューを見て驚いたのがお肉類だけじゃなくてお魚とかの海鮮系の串焼きもあって良いなぁって思った。これなら女性とかであっさりしたのを食べたいって人にも良いと思う。
〜〜数分後〜〜
「店員さ〜ん、これお願いしま〜す!」
「は〜い、わかりました! では先にお会計をしますね。ハニーポークの腸詰焼きと………最後にフライシュリンプのオイル焼きで合計小銀貨5枚になります」
ほぉ、結構頼んだのに小銀貨5枚と。結構安いんだなぁ……それもこのお店が人気な理由なのかな。
「列が進んだら受け取ってくださいね〜!」
あとは串焼きを受け取るだけになった。
「ままたのしみだね!」
「うん」
〜〜5分後〜〜
「お客さん出来たぞ! はいよ!」
「ありがとうございます」
やぁ〜っと食べれるよ。結構待ったからお腹もかなり空いてきたからきっと美味しく食べれるはず! ソフィーは我慢できなくて一個だけチョコ食べちゃったけどまぁ大丈夫でしょ。
「よし、馬車に戻って馬車の中で食べよっか」
「うん! はやくたべたい!」
ソフィーも早く食べたいみたいで私の手を握りながら走ろうとしている。が……歩幅がちっちゃいから少し大股に歩くだけでいつもと変わらない。けどそんなところも可愛い♡
馬車に戻るとオズさんが新聞を読んでいた。
「おっ帰ってきたか。結構並んでただろ?」
「戻りました〜。そうですね、かなり混んでたんですけどまあ人気だって事なので期待度も上がりましたね」
「ふっふっふ、あの店はめっちゃ美味いから期待して良いぞ!」
「そうですね」
「中で食うんだろ?出る時間になったら教えてくれ!」
そう言うとオズさんは帽子で顔を覆い隠して眠り始めた。
「ままっはやくたべよ!」
「そうね、あったかいうちに食べないとね」
馬車の中に戻ってさっそく買ってきた串焼きを食べることにした。
ソフィーが買ったのはハニーポークの腸詰焼きと魔牛舌の串焼き(塩)、鶏皮焼き(タレ)の三本。私とセラは………まぁ色々かな。
「ソフィーまずどれから食べたい?」
「タレからがいい!」
「はいよ〜こぼさないようにね」
ソフィーに鶏皮焼きを渡すとソフィーはさっそく食べ始めた。
私もお腹すいたから早く食べよ〜っと。
「わっ! 美味しい!」
「そうですね、タレも甘辛で食欲が増します」
ほんとに美味しい。今度うちでも再現してみようかしら。
「む〜!」
隣ではソフィーが柔らかい鶏皮格闘していた。まだ噛み切る力が弱いからかソフィーは皮を咥えてグイーって伸ばしていた。
「ソフィー大丈夫? ちっちゃくしてあげようか?」
「うん」
ソフィーから鶏皮を受け取りセラに出してもらったハサミで小さく切ってお皿に乗せて渡してあげた。
「はい、どうぞ」
「ありがとう!」
今度はちっちゃくしたし食べやすいよね。それにしても………ちっちゃい子が噛みきれなくて頑張って噛み切ろうとしてるのが可愛かった♡
「美味しい?」
「うん!」
そう言うソフィーの口の周りにはタレが付いていた。ふふっ可愛い♡
「ソフィーこっち向いて」
「んにゅ?」
「お口の周りにタレ付いてるよ。取ってあげるからちょっと待ってね」
そしてソフィーの口の周りについているタレを拭き取ってあげた。
「えへへ〜ありがと!」
「どういたしまして」
◇ ◇ ◇
お昼ご飯も食べ終わってその後にも色々なところを回った。日用品だったり、ソフィーのためのフォークとかも買った。
そして今はお買い物から馬車に戻っている途中だ。
「ソフィーちょっと疲れちゃった?」
「うう〜ん……まだ……だいじょぶ………」
さっきから商品を見てる時にソフィーがうとうとしてて疲れたのかなって思ってたんだけど……この感じはもう疲れちゃってるよね。
「眠たいならままが抱っこしてあげるよ」
「………」
「ほら、おいで?」
私がそう言うとソフィーはぎゅ〜って抱きついてきた。
そしてそのまま抱っこするとソフィーは眠り始めた。その証拠に肩ら辺から「すぅ……すぅ……」という可愛らしい寝息が聞こえてきている。
「今日はいろんなことがあったからね、疲れちゃったよね」
「………」
ソフィーの頭を撫でながら言う。けどソフィーは何も反応をしない。もうぐっすりだね。
「おやすみ、ソフィー」
そして家に帰った。
「おかえりなさいませ、ナギサ様、ソフィア様!」
「ただいまエリン。特に何も無かったでしょ?」
家に帰るとすぐにエリンが出迎えてくれた。
「はい! 実家に帰っていた二人が帰ってきた以外には特に異常はありませんでした!」
「「………あ」」
やっばー! そういえば昨日セラが帰ってくるって言ってたのになんの用意もしてなかった!! けど………まぁ、なんとかなるか。
「今二人は何処にいるの?」
「ついさっき帰ってきて今はお風呂に入ってますよ」
「そう、じゃあ二人がお風呂から出たらすぐにご飯食べれるように準備してて。私はソフィーを部屋に寝かしてくるから」
「「わかりました」」
私は二人にご飯の準備をするよう指示を出してソフィーをベッドまで運ぶことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます