第32話 みんなで海へ

朝のお散歩から帰ってくるとセラとエリンがいた。


「お帰りなさいませ、ナギサ様、ソフィア様」


帰ってくるなりすぐに出迎えてくれるセラ。

まったく、エリンもセラを多少は見習ってほしいものだ。


「ただいま、今ご飯作ってるのよね?手伝うわよ」


キッチンの方からパンの焼けた香ばしい匂いがしてくるし、セラの手にはフライ返しが握られてる。逆にこの状態を見てご飯の準備をしてないと言う方が難しくない?


「ママ〜ソフィーは?」


「う〜ん…………ソフィーはエリンお姉ちゃんに遊んできてもらいな♪きっとエリンお姉ちゃんも喜んで遊んでくれると思うよ」


「わかった!」


そう言うとソフィーは握っていた私の手を離してリビングに居るであろうエリンの方へ駆けて行った。


「今日はみんなで海に行くからパパッとご飯作っちゃおっか!」


「はい、お任せ下さい」



◇ ◇ ◇



「よし、出来た! セラ、ソラちゃん達起こして来てくれる?」


「わかりました」


セラに2人を起こすのを任せて朝食をテーブルに運ぶ。

今日の朝食はイングリッシュマフィンを使った野菜増し増しハンバーガー。


「ふわぁ〜あ…………おはよ〜ございましゅ……………」


ハンバーガーをテーブルに運び終わったところでセラとユキちゃんがリビングにやって来た。


「おはよう、あれ?ソラちゃんは?」


リビングに来たのはセラとユキちゃんだけでソラちゃんの姿が無かった。いつもだったら一緒に起きてくるのに、珍しいなぁ。


「あ〜お姉ちゃんは『今日からちょっと頑張る!』て言ってお庭にいると思いますよ」


頑張る?何か始めたのかな。まあいっか、せっかくだし私が呼びにってあげようか。どんな事してるか気になるしね。


家の裏手に出ると火と水の球が辺りを高速でソラちゃんの周りを移動していた。そして球の数はどんどん増えていっていた。なるほど、魔法精度、魔力操作の特訓かな?確かに精度も操作も練習すればする程自分の力になってくからね。それにしても…………すごい集中力だなぁ〜私が出て来たのにも気付いてない。


「ソラちゃん、朝ごはんにしましょう」


「……………!?な、ナギサ様!?おはようございます!!」


声をかけてやっとソラちゃんは私に気づいた。私に気づいたら火と水の球は一瞬で周りから消え去った。


「ご飯できたよ〜」


「いっ今行きます!」


特訓の終わったソラちゃんとリビングに戻るとちょうど遊びから帰って来たエリンとソフィーもリビングに入って来ていた。


「じゃあ食べましょうか、いただきます」


「「「「いただきます!」」」」


◆ ◆ ◆


「お姉ちゃん朝何やってたの〜?」


「えっとね〜魔法の練習」


「へぇ〜、だったら私のこと誘ってくれても良かったんだよ〜?」


「え〜?だってユキがやったら周りが焼け野原になちゃうじゃん」


「そ、それはお姉ちゃんの(魔法の)威力が無いからで………」


「だから誘わないの」


「うぅ〜〜(私はお姉ちゃんにかっこいい姿見せたいだけなのに)」


「まぁまぁ、ちゃんとユキちゃんが威力を抑えてくれればいいんでしょ?ね、ソラちゃん」


「まぁ…………そうですけど」


「ほんとっ!?お姉ちゃん!」


「う、うん…………」


「えへへ〜じゃあ明日からは一緒にやろうね!」


「………しょうがないわね、いいわよ(明日からユキと一緒に……………絶対に追いつくんだから!)」


「ママ!ママ!ソフィーの話も聞いて!」


「はいはい、ソフィーはエリンと何してたの?」


「えっとね〜♪エリンお姉ちゃんと鬼ごっこしたり〜エリンお姉ちゃんを吹き飛ばしたり〜いっぱい遊んだの!」


「(あの怪物エリンを吹き飛ばす………?)へ、へぇ〜凄いねぇ。どうやってエリンを吹き飛ばしたのかな?」


「えっとね、まそ?を体に流してエリンお姉ちゃんにぶつけたの!」


「……!?ちょちょちょちょっと待って、ソフィーそんな事誰に教わったの!?」


「ふえ?エリンお姉ちゃんに教えてもらったよ?」


「………………エリン、後でお話があります」


「…………………ハイ」


◆ ◆ ◆


「この後みんなで海に行くからその食べ終わった人からその準備始めてね」


そろそろ食べ終わりそうになって来たから海に行く準備をするように言う。



◇ ◇ ◇



「水着は持った、ソフィーのお着替え用の服も持った、お金も持った、飲み物も持った…………よし!OKだね! ソフィーも準備できた?」


持って行くものをバッグに詰める。


「出来たよ!」


ソフィーも自分用の手提げ袋に必要な物(水着&水筒)を持ってもう準備万端の状態になっていた。


「じゃあ行こっか」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る