第12話 ソフィーといえなか探検
ソフィーが私の家に来て1週間が経った。ソフィーもこの家に慣れてきたみたいで食堂とかお風呂、自分の部屋には私達が付いていかなくても自分で行き来するようになった。
「ままぁ〜きたよ〜!」
「ソフィー♡」
今日もいつも通り部屋でお仕事をしているとソフィーがユキちゃんと一緒に入ってきた。ソフィーがすっかりユキちゃん達とも仲良くなって母親としては嬉しいけど……ナギサとしてはちょっと嫉妬しそう。だって私だって仕事がもっと少なければソフィーと一緒に手を繋ぎながらお庭を歩いたりして植えてあるお花とか木を見ながらお話とかしたいんだもん!!
「はぁ……」
「ままぁ? どうしたの、つらいの?」
そんな事を考えながらもそれが実現しない悲しみでため息を吐くとソフィーが心配そうに近寄ってきた。
「うんん、大丈夫だよ」
「………ふむ。ナギサ様」
「うん? セラ、どうしたの?」
ソフィーのほっぺたを触って癒されていると急にセラが話しかけてきた。セラが自分から話しかけてくるなんて珍しいな。
「これらの資料などに誤りがあったので修正をしてきます」
「えっ!? そうなの? じゃあ私も手伝うよ」
セラがミスをするなんて珍しいなぁ。
疲れてるなら言ってくれれば休憩をあげるのに。セラは真面目だから私から休みなさいって言わないと休もうとしないし、休めって言っても『ナギサ様が働いておられるのに従者の私が休むなどありえません』とか言って休もうとしないんだよね。
「いえ、このくらい手伝って頂かなくても大丈夫です。それと、最近は休みが少なくなっているのでここあたりで一度休憩されてはどうですか?」
「う〜ん、そうだけど………」
確かに最近は休みが少なくなってるけど………休憩が欲しいってくらいの忙しさじゃないし、手伝っても良いんだけど。
「最近ソフィア様もここの家に慣れてきましたしソフィア様を案内して差し上げたらどうですか?」
「………セラ、私を追い出そうとしてない?」
さっきからなぜかセラが私を仕事部屋から追い出そうとしてくる。
「………楽しんできてくださいね!」
「ちょっ!」
セラがそう言うと急に私とソフィーのいる床に魔法陣が現れて私達が光に包まれ目の前が光に包まれた。そして目を開けると仕事部屋の前に転移させられていた。
「ちょっ、セラ開け……」
〈カチャン〉
………締め出された。え、主人を追い出す従者がいるってマジ?
まぁ、これもセラなりの優しさなのかな。せっかくもらった休みだしソフィーと一緒に探検でもしようかな!
「ままぁ?」
「ソフィー一緒にお家の中探検しよっか!」
「うん!」
◇ ◇ ◇
「………セラさん、良かったの?」
ナギサ様を無理矢理に部屋を追い出した直後ユキからおずおずと聞かれた。
「ええ、ここ最近ずっと頑張っていたのでたまには休憩もして頂かないと」
「けど………このお仕事はどうするんですか?」
「ーー? わからないかしら、ここには二人いるのよ?」
「………ハイ、ガンバリマス」
「ふふっナギサ様のために頑張りましょうね〜」
◇ ◇ ◇
「ソフィーまずはどこ行きたい?」
時間が無駄にならないようにすぐに行動しないとね!
「う〜ん………ままのお部屋みてみたい!」
「ままのお部屋でいいの?」
「うん! まだいったことないもん」
「そっか、じゃあ行ってみよっか♡」
最初は私の部屋に行くことになった。
あ〜ソフィーを部屋に入れる前にちょっとだけ片付けをしないと。見られちゃまずいやつとか落ちてきて危ないのもあるしね。
「ソフィーちょっとだけ待っててね」
「うん!」
〜〜5分後〜〜
「はい、ソフィー入って良いよ」
「はーい!………わぁ〜! ほんいっぱいあるね!」
「そうでしょ〜………けど、ソフィーが読めそうなのはあんまり無いかなぁ」
「そっかぁ」
うっわかりやすく落ち込んじゃった。今度絵本とか買ってあげようかな。
「まま、ここのつくえでなにしてるの?」
「ここでは本を読んだり、お手紙を書いたりしてるんだよ」
「へぇ〜………ベッドもおおきいね!」
そう言うとソフィーはベッドに登ってベッドの中に入り始めた。
あぁ可愛い♡
「そうかな? あんまりソフィーのところにあるのと変わんないと思うけど」
「えへへ〜ままのあったかいにおいする〜」
「もうっ! 恥ずかしいから嗅がないでよ〜」
「えへへ〜ままおかおまっかになってる!」
「ーーっ! もう! 次行くよ!!」
「は〜い!」
◇ ◇ ◇
「次はどこ行きたい?」
「えっと……おにわにでてみたい!」
「おっじゃあ行ってみよっか」
次はお庭に行くことになった。
私の家のお庭はセラとかソラちゃんがお花とかをいっぱい植えてくれてちょっとした庭園みたくなってるし、家の裏にはたくさんのフルーツの木が植えられてて自給自足もできる。この前の朝ごはんに持ってきてもらったサワーベリーも植えられてる。
「わぁ〜! おはないっぱいあるね!」
外に出るとさっそくソフィーが花壇のところに向かって走っていった。
ふふっやっぱり女の子だからお花が好きなのかな?
「そうでしょ〜ソフィーの好きなお花はあるかな?」
「え〜っとぉ………このピンクおなはがすき!」
そう言うとソフィーは一番手前に植えてあったチューリップのようなピンク色の花を指さしていた。ふふっこの花を気にいるとは!
「おぉ〜このお花は『ツリパノ草』っていうの、それでこの花の花言葉は………ふふっ♡」
「なになに? きになる!」
「ふふっナイショ♡」
「む〜いいもん! あとでユキおねえちゃんにきくもん!」
あ〜可愛い!! めっちゃ目を輝かせながら見てるの可愛い♡
もう今すぐにでもソフィーをぎゅ〜ってしたい!!
「ソフィーもうちょっと奥まで行ってみよっか」
「うん!」
ふふっソフィーも気に入ってくれてるみたいで良かった♡こりゃ〜セラ達に感謝しないとね。
「こっちにもいっぱいあるね!」
「そうでしょ〜。あっソフィーあっち見て」
「なになに?」
「青色の蝶々いるよ」
そうして指差した先には青色の羽を羽ばたかせているたくさんの蝶がいた。ちょうどこの時期は蝶がいっぱいいる時期だし、ここは花がいっぱいあるからその影響でもっと沢山いる。
「パタパタしてる〜」
「あの蝶々達のおかげでここにはいっぱいのお花があるんだよ」
「ーー? なんで〜?」
「蝶々に花粉って言ってお花が増えるために必要な粉を運んでもらってるの。その代わりに蝶々さん達にはお花の蜜を食べさせてあげてるの」
「へえ〜………ソフィーもおはなのみつたべてみたい!」
「えっ?」
人って花の蜜って吸えるのかなぁ。う〜ん私はそんな事考えた時は一回もないからわかんないなぁ。セラとかだったら知ってるかな。
「ソフィア様、お花の蜜を吸ってみたいんですか?」
「あっ! ソラおねえちゃんだー!」
いつの間にか背後にはソラちゃんがいた。
いつの間に背後に来たんだ………
「ちょうど良かったわ。ソラ、花の蜜って吸っても大丈夫なの?」
「う〜ん………種類にもよりますが害はありませんよ」
「じゃあ人でも吸えるやつ、選んでくれる?」
「はい! じゃあソフィア様行きましょうか」
「うん! ままいってくるね!」
「行ってらっしゃ〜い」
そして二人は手を繋ぎながら花の世界へ入っていく。
あぁ、歳の差のある姉妹って…………良いわよねぇ。
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