第15話 魔法・実践編
セラを連れて門まで向かうとそこには数人の騎士達が待っていた。
う〜ん、平和に解決できたら良いんだけど………無理そうだったら実力行使させてもらおうかな。
「ナギサ様、でよろしいですか?」
外門につくと騎士達が話しかけてきた。騎士達の格好を見るに事件とか、連行をしにきたとかではなさそうでとりあえずは一安心かな。
「えぇ、そうですが」
とりあえず牽制として機嫌の悪そうに、高圧的に話しかけて相手をビビらせる。
「あの〜そんなに警戒をしなくても………」
「急に騎士様達が来たら誰でも警戒しますよ」
「そうですが………」
「早く要件を言って下さい。娘が待っていますので」
「は、はい。実は領主様より伝言があり………」
そう言うと騎士のリーダーっぽい人から領主様からの伝言が聞かされた。
話の内容は………私の製品があまりにも売れているらしく他の領主からも欲しいと言われたからもっと作ってくれ、その為だったらいくらでも人を送り込む。という話だった。まったく、こんなクソどうでも良い話だったら手紙を送ってくれれば良いのに。
「わかりました。ではしばし検討をして領主様に手紙を出しますので、お引き取り下さい」
さっさと帰ってもらおう。早くソフィーに会いたいからね!
「………あの、少し宜しいでしょうか」
「………なんですか?」
「後ろに隠れてるのが娘さんですか?」
「え?」
そう言われて後ろを見るとソラちゃんに抱っこされたソフィーがこっちを見ていた。まったく、隠れてなさいって言ってたのに。
「そうですけど……」
「可愛らしい娘さんですね。では失礼します」
それだけ言って騎士達は帰って行った。
「はぁ〜何にも無くて良かった〜」
「そうですね。早くソフィア様のためにお戻りしましょう」
「そうね」
そして私たちは家に戻った。ソラちゃんはソフィーを降ろすと仕事に戻って行った。
「まま、だいじょうぶだった?」
「大丈夫だよ。じゃあさっきの続きをしよっか」
「うん!」
変な邪魔者のせいでソフィーの魔法のお勉強が中断されちゃったからね。絶対に許さないから。
「ナギサ様、さっきの続きとは?」
セラが話に食いついてきた。セラも魔法が控えめに言って神レベルだからセラにも手伝ってもらおうかな。
「ああ、ソフィーが魔法に興味があるって言ってたから魔法のお勉強をしてたのよ」
「そういえば、ソフィア様も来年には洗礼の儀ですね。それでしたら私もお手伝いしましょうか?」
「ええ、お願いするわ。ソフィーもいい?」
「うん!セラおねえちゃん、よろしくね!」
「はい、ソフィア様」
ソフィーも嬉しそうにしてるし、さっそく始めよう!
「ナギサ様、ソフィア様にどこまでお話をしたんですか?」
「ええと……魔素を感じ取ってもらう所まではしたわ」
「では次は実践編、ですかね? 実際にソフィア様に見て頂いた方が来年の為にもなると思います」
「そうね、じゃあ次は実際の魔法を見てみよっか」
「うん!」
私たちは家の地下室に向かった。この家には新しい魔道具の開発のために使われている実験室がある。そこだったら魔法を使っても周りに被害は出ない………はず。
「じゃあまずは火を見てみよっか。セラ、お願い」
「はい」
そう言うとセラは手のひらから小さい火の玉を出した、様に見えたけど明らかにあのサイズでは考えられないくらいの熱波が飛んできてるんだけど。
「ままぁ、あつい……」
やばいやばい、ソフィーに影響が出始めてる、急いで冷やさないと!
私はソフィーを冷やすためにソフィーのおでこに薄い氷の膜を張った。これで体も冷やされるはず。
「セラ! ちょっと威力弱めて!」
「はっはい!」
そう言うとすぐにセラは火の玉を消滅させた。
セラは魔力量がバケモンみたいに多いから初級の魔法でもあんなに威力が出ちゃうのか。これ………セラ向いてなく無い?
「やっぱり私はやめておいた方がいいでしょうか……?」
「そうね………申し訳ないけど、また今度お願いするわ」
そしてセラが地下室から出て行った。
しょうがない、私が見せてあげようか。
「今度はままが見せてあげるね。次は………」
◇ ◇ ◇
「ソフィーどうだった?」
全部の属性の魔法を見せ終わった。久しぶりに魔法を使ったけどちょっと疲れたなぁ。もうちょっと体力つけないとなぁ。
「すごかった! ソフィーもやってみたい!」
「やってみたいっていう気持ちは良いけど……あと1年は待とうね」
「むぅ〜まてないっ!」
「けど……洗礼の儀をやってもらわないとどの属性に適性があるかわからないから教えてあげられないのよ」
「………」
あらら、ほっぺたを膨らませちゃってわかりやすく拗ねちゃった。まあセラみたいな凄い魔法を見せられちゃったらやってみたくなるよね。私だってソフィーくらいの頃にあんなの見せられたらやりたいって言ってただろうし。
「ごめんね、じゃあ魔法を教える事はできないけど代わりに魔法をいっぱい使えるようになる練習をしよっか!」
「……うん!」
◇ ◇ ◇
それからソフィーに魔法の練度を高められる練習法を見せてあげた。そして、さっきから目の前が赤く光っている。
ソフィーにある杖を持たせた。その杖に魔素を流すとガラス玉の部分が赤く光るように出来ている。ソフィーは魔素を感じとる感性がすごく初心者が光らせるのに1日は掛かるのをわずか30分で光らせた。才能って………怖いね。
「まま、みてみて!」
「うん〜? どうしたの?」
ソフィーが私を呼んだためソフィーの方を見ると杖のガラス玉の部分を点滅させていた。
…………どういう事!? まだ始めて1時間だよね、なのになんでこんな事出来てるの? いやほんとに、これマジで才能の塊じゃん。これは来年が楽しみになるなぁ、これでもし全属性とかだったら…………考えるのはやめよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます