キャンプ

金曜日の夜が少し変わった。


真奈美は会社が終わるとPortaに急いで行って、経理の仕事を早めに済ませた。

丁度終わるころ葛城チームのみんなが店に来る。最近は真奈美もあたりまえのようにテーブル席に行って、5人で楽しい時間を過ごした。



「今度、みんなでキャンプに行くの。真奈美さんもどう? 加納の奥さんも来るし。」


「うちの奥さん、毎年楽しみにしていて、昨年子供が出来て行けなかったからって、今年は絶対行くってきかなくて、子供を両親にあずけるって騒いで大変だったの。でも両親が1日だけなら預かってもいいって許してくれたから、いまからウキウキで。メチャ機嫌良いんだ。」


加納は楽しそうに言った。


「加納さんの奥さん明るいもんね。楽しい人だよね~」


ジョニー君が加納さんをからかっている。

真奈美は行きたいと思った。


— 絶対楽しそう・・・


あまり深く考えずに答えた。


「行きたいです。でも、キャンプって何用意すれはいいんですか? 」


「大丈夫。何も必要ないよ。キャンプっていってもグランピングって言って、バスもトイレもあり綺麗だよ。だから安心して。普段着で大丈夫だよ。」


葛城が笑顔で答えた。



マスターがみんなが楽しそうに話しているところに来た。


「いいなーキャンプか。楽しそう。じゃ、僕 差し入れするよ~」


「やったー。ありがとうございま~す。」


真奈美はキャンプが楽しみだった。



でもこの日、化粧室で加納さんと榊さんが話しているのを偶然聞いてしまった。


「葛城もこれでもう忘れられるな。真奈美さんと出会ってから明るくなった。」


「そうだな。ほんと良かったよ。」


真奈美は気になった。


— 葛城さんは何を忘れられるのだろう・・・




キャンプ当日、3台の車でキャンプ場に向かった。

葛城さんと私は、Portaに寄ってマスターが差し入れてくれたワインといくつかのつまみを積んだ。あと調べておいた肉屋でバーベキュー用の肉をいっぱい買い、車に乗せた。

加納夫妻は、バーベキュー用の野菜やその他手作りの食材や調味料などを。

ジョニー君と榊さんは、施設に備え付けられていないバーベキューの道具と様々なドリンクを持ってきてくれた。



バーベキュー場到着。

 

グランピングの施設の3棟を予約していた。それぞれが少し離れていて、形も違ってキャビンやコテージ、テントと、とにかくどれも素敵だった。榊さんは早速写真を撮っていた。

みんなで全ての棟を回って、葛城さんとジョニー君、加納さんの3人でジャンケンで決めた。

楽しんで見ていたけど、真奈美は気が付いた。


— 今日は計画されていた?

— えーそういうことだよね。私と葛城さん二人だよね・・・

— 今晩・・・ついに・・・


一人で赤くなった。

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