いきなりのキス
「ちょっと化粧室に行ってきますね。」
「ハイハイ。」
「マスター、真奈美ちゃんとデートしてきます。お勘定お願い。」
マスターは小声で言った。
「岸君、真奈美ちゃんは僕の大切な人。遊びなら許さないよ。」
「遊びじゃないですよ。実はずっと見ていたんだ彼女のこと。でも前の彼女と別れた時話聞いていただろうから少し間を開けた方が良いと思って、これでも我慢してたの。」
「フッ。そう・・・まぁよろしくね。」
「お待たせしました。」
真奈美は化粧室でメガネを外し、コンタクトにして化粧を直した。いつもよりはしっかりと。髪型も少し変えて・・・そしてずっと付けていたネックレスも外した。
— これで忘れられる・・・かな・・・
化粧室から戻ってきた真奈美を見てマスターも岸もその変化に驚いて無言で見いっている。
岸は真奈美の肩をグッと引き寄せ、後ろにいるマスターに手を振った。
お店を出た。
「うれしいよ。もうメガネ外してくれたんだね。」
「岸さんがメガネ外した方が良いと言ってくれたので、そうしてしみました・・・」
「参ったな~」
— 色っぽい・・、ダメだ。
岸は我慢できなかった。
岸は真奈美の顔を引き寄せ 食べるようなキスをした。
「真奈美・・・」
真奈美は突然で驚いた。
「あっ・・・(キス・・・) 」
— いゃ・・・うーん、待って待って・・・
— キスの感覚なんか違う・・・
— いゃ・・・
「待って・・・」
真奈美は必死に両手で岸の体を必死で押し離した。
マスターはお客がいなくなったので少し早いけど店を閉めることにして、看板を取り込もうと表に出たところ、岸と真奈美がキスをしているのを見た。
見ないふりをしていたが、真由美の声が聞こえたので、隠れて聞いていた。
「岸さん待って! まだ気持ちが追いついていないの。」
「何言っているんだよ。メガネ外して僕をその気にさせたじゃないか。」
「私だって、ちょっとはそう思ったの。だけど・・・」
— キスしたら・・・違うかなって・・・そんなこと言えない
「ゴメンナサイ。」
真奈美は駆け出して行った。
真奈美を追う岸の腕をマスターは走ってあわてて掴んだ。
「岸君ゴメン、待って! 真奈美ちゃん大失恋して、ずっと沈黙していたんだ。岸君が一人で来るようになって少し様子が違ってきたから、もう大丈夫かなって思っていたんだけど、まだ早かったのかな。必ず僕から真由美ちゃんの気持ち聞いておくから、少し待っていてくれるかな。悪い。」
「・・・わかりました・・・」
岸も帰っていった。
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