扉 その2

真柴さん

新年度、1月5日18:30お店オープンです!



オープン後まもなくして・・・


「マスター久しぶり!! オメデトー。えーと年始と、新店オープンと全部!! 」


賑やかに男の人が入って来た。


「あれー、真柴ましば君? 久っさしぶり~。オメデトー。日本帰ってきたの? 正月だけ? 」


「12月中旬に転勤終えて戻ってきました。でも引越やいろいろ忙しくって。それにお店移転してるって知らなくて、探すの大変だった。」


「アハハ そうだったんだ。ゴメンゴメン。でも戻って来られて良かったね。シンガポールに3年? 」


「そう3年。クソ忙しいし、こんなお店もないし、寂しかったよ~」


「そういってくれるのは真柴君くらいだョ。うれしい~。ところでお家はどこ? 近いの? 片付け終わったの? なんか手伝うことある? 会社はいつから? 」


「アハハ マスターかわらないッスね。いつも心配してくれる。家は偶然なんですけど、ここから歩いて帰れるとこのマンション借りました。駅だと隣の〇〇駅の方が少し近いかな? 片付けは殆ど終わったけど、少し買い足さないといけないものが少しあるくらいかな。今のところお手伝いは大丈夫デス。えーっと、会社は明日から。もう毎日でも来られますよ。じゃなかった、来るのでまた面倒見てやってください。」


マスターは優しい顔で真柴を見て言った。


「よかった、毎日来てね。ハハハ。」



真奈美は、賑やかに話す彼に目を奪われ、思わず話を聞いてしまった。そして2人のやり取りがほほえましくて笑ってしまいそうだった。さらに、この人と同じ駅だと知って何故かうれしく思った。


真奈美がポカンとした顔をして見ているのに気付いて、真柴はマスターに聞いた。


「えーっと、彼女はスタッフさん? マスター雇ったの? 」


マスターはピーンときた。


— いずれ真柴君を真奈美ちゃんに紹介しよう。


「彼女は真奈美ちゃん。僕の苦手な経理と、素敵なホームページを作ってもらっているの。大体週一回金曜日には来ているよ。その他の日はたまに、ね! 」


「ま、真奈美です。マスターには大変お世話になっています。よろしくお願いします。」


 真奈美は思わす立ち上がりペコッと頭を下げた。

 真柴は丁寧な挨拶にちょっとびっくりして挨拶を返した。


「こ、こちらこそよろしく。真柴です。」


「真柴君。真奈美ちゃんまじめな子だから、へんなことしちゃダメだよ。」


「えー、そうなの。僕 人恋しいんだけど・・・」


「アハハハハ・・・」



「あっ、いらっしゃいませ。オメデトーゴザイマス。」


マスターは他のお客さんのところに挨拶に行ってしまった。

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