年末年始  *カクテル1

12月に入ってお店は混んできた。


— 結構忙しそうだから年末は少し遠慮しよう。

— パソコン持ち帰らせてもらって、ホームページをお家で完成させよう。

— もう10種類くらいカクテルの資料は溜まってるから、あとはカクテルの物語 ショートストーリーを見直して・・・

— ページ構成しっかりして・・・

— プロバイダーの契約もそろそろだし・・・。



真奈美は両親を小さい時に事故で亡くしているから、年末実家に帰ることもない。

育ててくれた母のお姉さんである叔母さんも昨年亡くなった。一人っ子だし、他に誰も親戚はいない。


— 時間はいっぱいある・・・


年末お店は30日まで、年始は5日から。

真奈美の勤めている会社の仕事納めは29日だった。

その日、お店に寄ってマスターに年末のご挨拶をして、パソコンを持ち帰った。




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〖カクテル1〗


OL風の女性は、少し硬い表情でお店に入ってきた。

女性は1人だと告げ、バーテンダーはカウンター席を勧めた。

オーダーは、“何か飲みやすいカクテル”だった。

バーテンダーはあまり場慣れしていない様子と、清楚で優しい雰囲気、そして着ているセーターの色から『チャーリー・チャップリン』をその女性に作った。


『チャーリー・チャップリン』

喜劇王の名を持つこのカクテルの名前の由来は不明。

アプリコットブランデーとレモンジュースが微妙に混ざり合い、甘すぎず酸味が聞いたさっぱりとした口当たりで、女性に人気。

カクテルといってもロックグラスを使用。

アプリコットカラーだけどちょっと大人の雰囲気のカクテル。

カクテル言葉は “信じる恋” 。

恋の始まりにいかがでしょうか。


 スロージン

 アプリコットブランデー

 レモンジュース

 ※アルコール度数 弱


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