直球の告白

「真奈美ちゃん。」


「ハイ。」


「僕、真奈美ちゃんのこと、もっと知りたいとおもっています。付き合ってもらえませんか。」


真奈美はびっくりして、固まった。


— ・・・なんて直球・・・


「返事、今日でなくてもいいよ。」


真柴はそう言っていつになく少し硬い顔をしている。

真奈美は真柴の目をじっと見てから、カバンからチョコを出した。


— マスターのより良いやつ・・マスターにはナイショ・・・


「これ、真柴さんに・・・バレンタインです。そして、よろしくお願いします。」


真柴はチョコを受け取り、真奈美の顔を改めて見て満面の笑みを浮かべた。


「メチャうれしい。ありがとう! 」


真柴は真奈美の手を両手で握って、何度も振った。そして、言った。


「明日デートしよ。時間ある? 」


ちょっと強引? と真奈美は思った。


— でもうれしい・・・


「はい。大丈夫です! 」


「真奈美ちゃん、どこか行きたいとこある? 」


「ど どこでも・・・真柴さんは?? 」


「真奈美ちゃんの行きたいとこに行きたい。」


真奈美は、真柴の言葉がいちいちうれしかった。そして、少し困った顔で考えた。


「うーん・・・どこかしら・・・あっ、水族館とか。」


真奈美はスマホで検索して真柴に見せた。


「ここ綺麗だとこの前テレビでやっていて、行ってみたいなと思っていました。」


「いいね。では○○駅に11時はどう? どこかでランチしてから水族館行こうよ。」


「ハイ。」


「じゃ、今日はもう遅いから送っていくよ。」


「ありがとうございます。ちょっと化粧室に行ってきます。」


真柴は、真奈美が席を立つとマスターを見て指でgoodの合図を送った。

マスターはそれを見てにっこり微笑んだ。


「マスター、真奈美ちゃんを送って今日は帰るねー。」


「おーがんばれ!! 」



化粧室から戻ってきた真奈美を真柴は連れて店を出た。

真柴は外に出ると直ぐに真奈美の手をとってぎゅっと握った。それだけで真奈美はドキドキしていた。


「少し歩く? この先の海岸公園行ってみない?  少し寒いけどあそこ夜景綺麗だよ。今日天気いいし。」


「はい。行ったことないので楽しみです。」


二人は手を繋いで歩いた。



海岸公園に付いて、二人並んでベイエリアの夜景を見た。冬の凛とした空気のせいか、キラキラととても綺麗だった。少しの間無言でその景気を見ていた。

真柴は真奈美の手をギュッと握りなおした。


「真奈美ちゃん、キスしていい? 」


真柴は答えを待たず真奈美にキスをした。真奈美の頬に手を添えて優しいキスを。真奈美はキスも初めてだったので、ひざががくがくした。フワフワして、真っ白になった。


「真奈美ちゃん・・・やっぱりこれから僕のマンションに来て。ここからはすぐだよ。」


— こんな気持ち初めて・・・もっと一緒にいたい・・もう大人だし・・・


真奈美は下を向いて、コクッと返事をした。

真柴は手を繋ぎ、その手をコートのポケットに入れ寄り添い少しだけ速足で歩いた。

真奈美は心臓の鼓動が真柴に聞こえてしまうのではないかと思うほどだった。


— 遂にこの時が来てしまった・・・

— 私今日何着ていたっけ・・・下着は・・・

— 初めてだし・・・どうしよう・・・


マンションに着いて、真柴の部屋に入りドアを閉めた途端、真柴はさっきより大人のキスをした。激しく。真奈美は何が何だかわからない・・・


— 立っていられない・・・


「ベッド行こうか。」


 真柴はひょいっと真奈美をお姫様抱っこして連れて行った。

 真奈美はベッドに押し倒された。メガネをはずされさらにキスをされた。次から次へと。


「綺麗だよ。真奈美ちゃん。」


「真柴さん・・・わ 私、初めてなので・・・ゴメンナサイ・・・」


「何言ってるの。僕が初めての男だなんで感激だよ。」


「あー待って・・・あぁ・・・」


真柴は、やさしく真奈美を導いた。やさしく・・・時に激しく・・・朝まで・・・

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