水族館デート  *カクテル2

朝、真奈美が起きたら、隣でのぞき込む真柴がいた。


「おはよ~ チュ! 」


真柴は真奈美の頬にキスをした。


「あっ、 お・おはよう・・・ございます。」


真奈美は恥ずかしいのでまた布団をかぶり、目だけ出した。


「大丈夫? いきなり無理させちゃった。ごめん。」


真奈美はコクンとうなずいた。


「シャワー浴びる? もうすぐ10時だから、どこかでブランチしてそのあと水族館行こうか? でも辛かったら今日はずっとここにいてもいいよ? 」


「・・・真柴さんと・・・水族館行きたいです。」


真奈美は恥ずかしそうに言った。

真柴は真奈美をギュッと抱きしめた。



水族館は、まるで海の中を歩いているみたいな海の中のトンネルみたいになっていて、きれいな魚が行きかっていた。真奈美は昨晩の余韻もありフワフワしていたので、魚と一緒に泳いでいるみたいだった。

真柴さんは真奈美の手をぎゅっと握って、気遣ってゆっくり歩いてくれた。しょっちゅう真奈美の顔を見て、いつも微笑んでいた。


— どこをどう歩いたのか正直あまり覚えていない・・・

— 真柴さん・・・いつも目が合うと手をぎゅっと握ってくれる。

— 安心・・・

— うれしい・・・

— 幸せ・・・


真奈美は世界一幸せな初めてのデートだとおもった。




毎週金曜日、二人はPortaで待ち合わせをした。他の日はラインデートだった。真柴の仕事は忙しく、平日は結構遅い時間だったけど、でも毎日ラインをくれた。


金曜日、真奈美はカウンターで今まで通りの仕事をして真柴を待った。

いつも真柴は駆け込んできた。毎回時間はバラバラだったけどPortaで軽く飲んで、食べて、彼のマンションに行った。週末は一緒に暮らした。


— 真柴は少し強引なところもあるけど、優しい。私を大切にしてくれる。

— 楽しい。うれしい。

— でも・・・ずっとこのままいられるの?・・・


真奈美は不安がよぎった。



ホワイトデーに真柴はベイエリアのホテルを予約して、部屋でルームディナーをセッティングしてくれた。


「はい、これ真奈美へ。」


真柴はバレンタインのお返しに小さなダイアがハートの横で光るネックレスをプレゼントしてくれた。

「かわいい。ありがとうございます。私チョコレートだけだったのに・・・」


「何言っているの。今までで一番うれしいチョコレートだったよ。そして何よりも真奈美と付き合えるようになった。これ以上無いでしょ。」


真奈美は照れた。

夢みたいな一日だった。二人は最高に幸せだった。

これが永遠に続くと信じていた。



付き合い始めて5ヶ月が過ぎた。真奈美と真柴は相変わらずうまくいっている。

怖いくらいに・・・


「真奈美、夏休みさ、北海道に行かない? ついでに札幌に寄って両親にも紹介したいし。」


— ご両親にご挨拶? 

— えーもう??


真奈美は慌てたけどうれしかった。


「はい。いいんですか私で? 」


「え? 何で? うちの両親喜ぶと思うよ。真奈美絶対気に入られる。」


「楽しみです。」


 そう答えながらも真奈美は少し不安だった。


— 私大丈夫かしら・・・


「北海道どこ行きたい?? 」


 二人で旅の計画を立てた。


— 何もかもが楽しい。真柴さんなら大丈夫。

— 御両親どんな方だろう・・・

— お土産何にしよう・・・



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〖カクテル2〗


バーのカウンター席で知り合った男女。週1デートはこの店で待ち合わせ。

いつも焦って駆け込んでくる彼は、彼女の顔を見て満面の笑みを浮かべる。

そして、まずビールを一杯。

そして彼女に、“何飲んでるの?” と聞いた。

彼女は、“『ゴールデンキャデラック』よ” と優しく答えた。

彼は、黙って彼女の肩を抱き寄せた。


『ゴールデンキャデラック』

“このうえない幸せ” これがこのカクテル言葉。

高級車のキャデラックが由来だという。

告白が成功したときや、恋がかなったとき、そして幸福に包まれている時に・・・。


 ガリアーノ

 ホワイトカカオリキュール

 生クリーム

 ※アルコール度数 中


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