大切なPorta  *カクテル12

今までどおり真奈美は金曜日の夜は会社を少しだけ早く出てPortaに行き、経理作業をする。そしてHPの管理も。そんな真奈美をマスターが喜んだのは言うまでもない。仕事もだけど真奈美と会えなくなるのではとマスターは内心心配していたのだ。



新しいことといえば、榊さんがPortaのお店の雰囲気がわかるように店内の写真を撮ってくれた。そしてカクテルやお料理も。勿論扉も。その写真が動くようにジョニー君が少しだけHPをリニューアルしてくれた。

おかげでめちゃくちゃおしゃれになった。


— さすがプロ・・・


HPが良かったのか、口コミなのか、お店は繁盛した。

マスターも一人ではやりきれなくなり、一人雇うことになった。

ジョニー君のお友達 (ゲイではありません。ノーマルです。) ルイ君(日本人)。調理学校を出ていたが、何故かプラプラしていたので声を掛けたら二つ返事でやってきた。彼の作るおつまみはちょっとエスニック風で面白くて若い人に直ぐに人気となった。

ルイ君は今カクテルの練習中。お店の開く前にマスターと一生懸命やっています。

ルイ君は目が見えるか見えないかというくらい前髪が長い。まだお客さんとうまく話が出来ないイケメンでシャイな男の子。でもそんな彼がいいらしくって、“今日はルイ君と話せた~”なんて若い女の子はキャイキャイ言っている。そんな彼目当ての女の子のお客さんが急増中です。


— あんまり増えるのもイャなんだけど・・・ねー



私の旦那様は金曜日の夜私を迎えにPortaに来ます。でも殆ど葛城チームが付いてきて数時間一緒に飲みます。だから結局ずーっとみんな一緒。それが自然で楽しくて、幸せな時間です。



そうそう、今まで通り私はタダだけど、旦那様からはお代いただきます。


— フフフ




🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸


〖カクテル12〗


彼はソワソワして彼女を待った。

彼女は、30分くらい約束に遅れてバーにやって来た。

彼は彼女を隣に座らせ、ちょっと落ち着きなく話しをしている。

そして彼はバーテンダーに“さっきお願いしたものを彼女に”と告げた。

バーテンダーはスッと『XYZ』を彼女の前に置いた。

そして、そのグラスの横に男性は婚約指輪を置いた。


『XYZ』

アルファベッドの最後の3文字であることから、「これ以上ない」「最後の」という意味を込めてネーミングされた。

このカクテルにはこれで終わりという意味深な意味も有るが、殆どは “最後の人 永遠にあなたのもの” という意味が一般的。

プロポーズに最適な一杯です。


 ラム酒

 オレンジキューラソー

 レモンジュース

 ※アルコール度数 高


🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸🍸



あなたもPortaに来て扉を開けてみませんか・・・



                                Finito

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扉 ~カクテルの味は恋の味?~ 香音愛(kanoa) @mi3i3i39393939

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