楽しいバーベキューと最高の花火

「真奈美さーん。初めまして。加納 はなです。よろしくね~。」


「よろしくお願いします。新堂 真奈美です。」


「真奈美さんのお噂は主人から聞いています。ホント美人さん。」


「そんなことないです・・・恥ずかしいです。あの~私バーベキュー初めてで準備よくわからないから、指示してください。何でもやります。」


「あらそう? じゃ始めますか。」


華はいろいろ教えてくれた。私達はサラダやおつまみなど様々な準備をした。初めてだったけど楽しかった。


「真奈美ちゃんって呼んでいい?」


「はい。」


「真奈美ちゃん、結構お料理できるでしょ。」


「そんなでもないです。作るのはおつまみみたいなものばかりです。」


「いゃーん。男の人それが一番喜ぶわよ~」


華は明るくて楽しい人だった。だからすっかり打ち解けた。華は子育てで忙しい毎日から解放されたこの日を思いっきり楽しもうとしているようだった。

男の人達は、火をおこしたりテーブルの準備をしたりしながら楽しそうな声が聞こえる。みんな手慣れていた。


聞けば、キャンプは4回目らしい。このキャンプ場は人気でなかなか取れなくてずっと申し込んでいたが今回初めて取れたからなおさらテンションが上がっていると華さんが教えてくれた。



「そろそろ始めるか~」


葛城が声をかけた。葛城が肉を焼き、みんなに振舞った。このキャンプはある意味普段の皆の頑張りに対しての葛城からの慰労の意味も有ることがわかった。


— 葛城さんはみんなを大切にしている。

— いい人・・・素敵・・・


真奈美はなるべく葛城さんの手伝いをして、焼けたお肉をみんなに運んだ。

ピザも焼いた。榊さんが無表情でピザ生地をクルクル回して作った。なんだが意外だったので面白かった。具材は華さんが大胆に乗せて焼いた。とても美味しかった。

みんな楽しそうだった。飲んで食べて、あれだけあった食材は2時間ほどで殆どなくなった。



「もうすぐ花火始まるから、片付けちゃおうぜ。」


葛城が号令をかけ、みんなであっという間に片づけた。

仕事柄というのか、撤収はおてのものというか、みんなサクサクと動きに無駄が無かった。


「さぁ、真奈美さん 花火 見に行こう。」


葛城はさっと真奈美の手を引き少し山道を登った。気が付けば他のみんなは居なかった。



道すがら、葛城は榊さんとジョニー君がカップルだということを教えてくれた。

真奈美は少し驚いたけど、嫌悪感はなかった。そういう恋もあるんだなーと、まったく正反対の二人のことを思うとなんかほほえましくも感じた。



花火は綺麗な空気のせいか、とびきり綺麗だった。お腹に響く花火の音、風邪に乗って香る火薬のにおい、そして様々な花火の形、一つ一つ上がる度に自然と歓声を上げていた。


— 今まで見た花火の中で最高!


葛城は真奈美の肩を抱いて身体を寄せ、そのまま花火を見た。少し肌寒くなってきたけど、真奈美の心はとびきり暖かかった。

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