第26話 秘密の恋バナ ラフィーside
「日本ってどんな感じ?やっぱり可愛い女子とかいっぱい感じ?」
「そうですね。多いですよ。可愛い子。私の学校でもモデルやってる子がいて、ほんとに可愛かったんです。あぁー、
ラフィーが美波をナノのところまで送り届け部屋に戻ると、アーロと星華がおしゃべりしていた。
「おっかえりー。ラフィーちゃんっ」
「その呼び方、やめろ」
アーロのテンションが異常に高い。“ラフィーちゃん”なんて呼ばれたのはナノ様が団長に就任した時以来だ。
「なんでお前、そんなにハイテンションなんだ?」
「上がるでしょぉ。やっとナノ様が“結婚”するんですから。あぁー、ノーラルちゃんに今晩、赤飯にしてもらえばよかったー」
残念ながら今晩の食事は終わっている。しかもピザにチキン、という洋食だった。
「あぁ、ナノ様がけっ結婚してくださるのは嬉しい、嬉しいんですけど、相手があの小娘というのが納得出来ません!やっぱり今からでも、もっとお似合いの人をお探しして……」
さっきからやけに静かに書類と格闘していたセシルが突然大声を上げた。
どうやらナノを美波にとられた悔しさと戦っているらしい。
「いやいや、今から探すってナノ様に不倫でもさせる気か?そんなことしたらナノ様に悪評がつくだけでなく、お前、切られるぞ」
「あっ悪評……。私なんかの分際でナノ様に悪評……。それは耐えきれません!あぁーでも、あの字が読めるだけの小娘……」
一度大きな声で叫んだと思ったら突然静かになって突然書類と向き合った。
悔しさと必死に戦っているのであろう同僚はとりあえず放置しておき、美波の親友と向き合った。
「で、津沢美波様はどんな人?」
ラフィーはアーロと美波についてはかなり調べたが分かったのはハニール・ミナミのことだけ。さすがに転生してきた津沢美波については全く分からなかった。
「美波は本当に良い子です。10数年親友だった私が保証します。中学時代から男女ともに圧倒的な人気がありました。可愛くて、気配りが出来て、努力家で、本人は全然気づいてなかったけど、かなりモテる子でした。ミナミさんの境遇を知った時も『素敵な人だったんだね』って言ってました。それに私にとっても美波は恩人なんです」
「恩人?」
過去に何かあったのだろうか。
しかし、聞いた途端、星華の顔が曇って聞かない方が良かったかもと思い出した。
誰にだって触れられたくない過去のひとつやふたつあるから……。
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