第2話 転生?

美波がはっと目を覚ましたところは庭園だった。


ここどこ?


美波は記憶を辿る。


確か、星華と高校に向かって、横断歩道を渡ってたらトラック……まさか、これが俗に言う転生ってやつ?


え?転生って本当に起こるの?


「お嬢様、いらっしゃいますか?」


突然誰かが誰かを呼ぶ声が聞こえる。


待って、転生かどうかは良く分からんけど、ここってお屋敷とかのお庭だよね。もしかして私不法侵入?


バレたらヤバいじゃん。


美波は咄嗟に茂みに隠れて声の主の姿を確認する。


……星華?


声の主は落ち着いた色をしたドレスを着た親友の星華だった。


はっとして美波は自分の格好を確認するとまた星華が着ているものより少し華やかなドレスを身に纏っていた。


愛用の防災グッズもない。


私、制服着てたよね?


「お嬢様、こんなところにいたんですか、行きますよ」


「星華?」


どうやらさっき星華風の人が探していたのは私だったらしい。


「やっぱり、美波?美波だよね」


話し方や声の質も星華そのもの。どうやら星華も一緒に転生してしまったようだ。


「うん。美波で合ってる。それよりどうなってるの?やっぱ転生でもしちゃった?」


「私も良く分からないけど、多分転生で合ってる。」


そう言う星華は嬉しそう。


そうだ、忘れてた。星華は少女漫画好き。特に異世界転生系の話が好きな子だった…。


「私、お嬢様なの?」


ここで気になってたことを聞く。


「そうみたい。私はミナミお嬢様付きの侍女で美波お嬢様は結婚が嫌で逃走した事になってるらしい。」


……は?


「…私、結婚するの?」


突然転生してすぐ結婚?意味分かんない。


「相手は天下の騎士様だって。」


いいなぁ。なんて言うふうに言う星華の感情は残念ながら美波には理解できない。


「私、16歳だよ。華のJK。結婚って早くない?」


「何言ってるの。16歳って普通に嫁入りできるらしいから!」


「いやいや、できるできないの問題じゃなくて会った事もない人と結婚とか嫌だって」


「大丈夫。私がついてるし!」


どこから来たの、その自信。


イケメンらしいから。と星華は美波を引っ張ってどでかい洋館みたいな建物に連れて行った。










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