第37話 仲良し沖縄旅行計画




その夜は結局、奏月と山岡父と

慶一道と奏月のマンションへと

Uターン。


奏月がスキヤキを用意していた。



「そうか、お前には彼女がいた

のか?年頃だしそうだろうな‼


そうか・・・

真面目に付き合いたいと

思う彼女なんだな・・・」


山岡父は濃い茶を飲みながら

少し嬉しくなっていた。



「あ・・うんまぁね。」


「山岡さん、こいつ上手く

行って無いんですよ。

アハハハハ

例の件で寧音にも協力して

もらってたんです。

女取っかえ引っ変えの噂は

本命の彼女を守る為なんですよ。


彼女は何も知らなくてですね

悩んでると思いますよ!


でも、もう解決だな‼

おめでとぅ━━━━━❤

ヒャッホーイ!!!!!!www」

バシッバシッ

ゴホツゴホツ



「あざーす。

まあ副社長のおかげですよ。」


慶一道は奏月の背中をバシパシ叩き

叩かれた奏月はウイスキーの

水割りをむせてしまった。



楽しそうな2人を前に山岡父は

難しい顔をした。


「八重と言う女は、お前と

良く会っていたのか?

LINEとか電話とか頻繁に

連絡する仲なのか?」



「んな訳無いですよ。

かれこれ半年は会ってません。

半年前偶然、会っただけですよ。」




その時奏月と慶一道の顔色が

変わった。



「なんで奏月と彼女の京都旅行を

八重が知っているのか?

おかしくないか?」



副社長はパツーン パツーンと

スルメを食い契りながら

梅酒ロックをチビリ チビリ


今までの安心モードが一転

シ━━━ン



すき焼きのグツグツ煮立つ音が

部屋中に、響いていた。




犯人を知っているのは八重?

何故八重は、犯人を庇う?


山岡父は再度警察に出向き事情を

話した。

八重はただのコマ‼


しかし取り調べは八重が犯人として

進んで行った。


辻褄も合うし

証拠も出たし警察としては疑う

余地が無い。

しかも自白している。


髭面の刑事さんも頭を抱えていた。

刑事さんも長年の感が犯人は別

と言っている。

しかし、当の本人が口を割らない。


その理由は?








「また失敗?」


「はぃ。八重は警察に捕まりました。

お嬢様、これ以上は危険です。」


キッ(✧"✧)



グサッ==]:::::::::::>

この間より長い剣が坂田目掛けて

飛んで来た。


思わず交わしてしまった。


「坂田、避けたわね。

ただで済むと思っているの?

口答えは許されないの

知ってるでしょ。


坂田は、私の下僕よ

どう扱おうが私の勝手なのよ。


わすれた?

あんたの命は買われたのよ!

父に‼

オーキッド化粧品に入れたの

も、奏月様が入るのを3年前に

偶然知ったからだし

私はアンタを見張っているのよ。

私は何処に居るとおもう?

アハハハハアハハハハアハハハハ

当てたら解放してあげても

よくてよ。」




「お嬢様は・・・💦

狂っておいでです。」


「はぁ‼」

ドン‼バタバタバタバタ


ゴン ガン ガツンガツン

1段高い縁側から女性は飛び降り

坂田目掛けて走り

頬を殴るように蹴り倒した!


足も腰も、背中まで

育ててもらった恩義があるから

されるがまま・・・


ウウウ坂田はその場に倒れ足掻いていた。

ひれ伏す坂田の頭を足で抑え

グリグリグリグリ

《《逆らうな‼と言ってる

だろうがー‼》》

砂利で顔は擦れ目も腫れて

血がタラリと落ちてくる。


ぅぅう ぅぅう

女の目は避けるように開き

顔は怒りで青白く、

まるで般若のようだった。


そう、山姥が獲物を探して

走り回るような

この世のものでは無い

ようで、とても20代の娘には

思えない。



「欲しいものを手に入れて

何が悪い‼」


そう言うと坂田をガツンガツンと

蹴り回し、唾をはきかけ

そのまま外へと出て行った。


我儘な上に凶暴

野犬のように噛み付きかかる


「お嬢様は・・・人では無い。」


顔も額が切れ血が吹き出していた。

足も歩けないくらい、踏み回され

ていた。


坂田はある決心をした。

このまま彼女に使えるなら

塀の中に入った方が人として

生きられる。



這うように外に出て

部長に連絡した。




「あらあら、坂田君、どうしたの?

傷は大丈夫?」


「ん?なに?聞こえないわよ。」



「・・・血が・・・・・・な・・・で す」


「ん?どした?どした?」


「うウウウ﹏ ううう﹏た・・・すけ

いいいおり・・・あぶな・・・たす

け ない・・・とウウウ」


「どーしたの?何処にいるの?

分かるように言いなさい。

すぐ行くから‼」



「ハアハアハア、レスト ラン、ゴルド

ち、ちゅう」



「ファミリーレストラン、ゴルド

の駐車場ね、すぐ行く!」



「い・・・ゃ、溝の中に

い・ま・・す」

ハアハアハア


「分かった!隠れているのね!

待ってなさい。」




オーキッド化粧品の部長

大仏恋子は

レストラン ゴルドに向けて

車を走らせた。

風呂上がりの濡れたままの髪、

ジャージ姿に、すっぴんなんか

気にしちゃいられない。


車の鍵を持つと出勤前よりドタバタ

と走って出て行った。


台所にいた娘に

「後で電話する」と叫びながら。


家にいたから案外早く着いた。

危なく風呂上がりのビール🍺を

飲む寸前だった。



ゴルドの裏にある駐車場には

坂田の姿はなく

握会う店内とは比較にならない程

シーンとしていた。



恋子の靴音が響く


カッ カッ カッ


溝を携帯のアプリの電灯を指して

行くと革靴が見えスーツ姿の

坂田がグッタリとしていた。



恋子が携帯を取り出すと、


《《だ、・・・めです。

ねら・・われる。》》



「だってあなた動けないじゃない

救急車は呼ぶわよ。」



一呼吸置くと坂田は気を失った。

恋子はすぐ119を回した。

ほどなくして救急車はやってきたが

坂田は何処で怪我したのか

眠ったままの坂田には聞くすべも

ない。


しかも手の怪我、

ちょっと前病院で7針を

縫ったばかり。

まだまだ傷は治っていない。


流石に不注意では通され無い。

無理がある。


坂田は入院になった全治2ヶ月

アバラが折れていて

足の骨折‼


27歳の男性がこんな怪我普通では

無い。


恋子は何かあると、確信した。

朝出勤して来た慶一道と、奏月に

全て話すと


驚きの事実がつたえられた。

慶一道と山岡父と奏月が体験した

昨日の出来事‼


2つの事件が一晩で起きた

それもオーキッド化粧品会社関連

の事件。


この事件に共通しているのは

坂田も、八重も何も話をしない事だ。


「話せない!何らかの

理由がある。」







お昼休み中の事だった。

「ねぇねぇ、聞いた?

秘書課の坂田さん辞めたって‼」



おしゃべり好きな奈緒が総務課へ

やって来た。


「はァ!ウソ‼」


「ほんとよ、来てないもん。」


「長期休暇じゃない?

坂田さん真面目だから辞め

無いわよ!」


ユイちゃんは笑いながら奈緒のガセ

ネタをバカにした。


「依織は信じるよね。」

奈緒はチラリと依織を見た。


「え、💦あう〜ん?どうかな?」

クスクス



「まあ、どうでもいいや。

ねぇねぇ金曜日からの三連休どっか

行かない?

温泉とか、海とか、遠出しない。」


奈緒は、テンション高めに

誘ってくる。


「えー急だなぁ、奈緒は思いつき

計画性ないねー!」


ユイちゃんは、又か、みたいに

呆れた声をだした。


「いいじゃん。

ね、ね、依織行こうよ﹏

沖縄なんか最高よね。」



まだ泳ぐのは早いよね!

水族館行って見たかったんだー

沖縄の、きっと綺麗だよねー



「えー、沖縄?旅費がー

ん﹏どうしょうかなぁ。

しかも、ホテルとか、

無理じゃない?」



「それなら心配ないよ。

旅行会社に知り合いがいて

キャンセル入ったから

どうか?って聞かれたんだー

ユイが行かないなら

ねー依織二人で行こうよー。」



「なーんだ‼

じゃ格安?なら私も行く‼」



「いいよー依織と行く‼」


「奈緒、いいじゃん

3人で行こうよー。

ユイちゃん外すのは

許さない﹏w」



「だねー、私たち職場親友じゃん。」

依織イイコイイコ~♬︎ ナデナデ💕


結衣ちゃんは調子に乗って依織の

頭をなでまわした。

ヤメテヤメテ

「ん〜んもうせっかくアイロンで

巻いたのに・・・」


そう少し伸びた髪は肩を少しすぎ

もう少しで胸まで届く

奏月の気を引こうと、ゆるふわに

軽くなら巻けるようになった。



「あ‼・・・でも依織は、彼氏さんと

計画あるんじゃん?!

この間玄関まで来てた人」



「やだ‼ユイちゃんみてたの?

言ったじゃん、彼は先輩

それだけだし‼

彼氏じゃないよ‼。」


「えー、じゃあやっぱり

秘書課の山岡さん?アハハハハ」


屈託のないユイちゃんの

笑い声は廊下迄響いた。


「オット、時間だー」

奈緒は慌てて2人に別れを告げ

案内所へと帰って言った。



「あれ?・・・これって!」



依織は奈緒の落し物をひらうと

不思議な顔をした。



「何に使うんだろう、だって

これ・・・って‼」


「どしたぁー依織?」


結衣ちゃんがお弁当を仕舞う時

赤い丈夫な紐がバックの中から

偶然見えた。


依織はなんに使うのか疑問

だったが、聞くのを辞めた。



聞いたらいけない気がした。






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