第32話 美人の正体


警察から呼び出され報告を受けた。


料亭の近くに、軽トラックが

横付けされ、防犯カメラから映ら

ないように設定されていた。


おそらくトラックで

マウンテンバイクが運ばれ、

そこで犯行に及んだんだろう。


タイヤ痕からマウンテンバイク

特定された。


それから1週間して

遠く離れた港でマウンテンバイクと

軽トラックが発見された。


しかし・・軽トラックが移動したのも

どういう経路で動いたか、高速の

カメラにも写っていない。


多分軽トラックとマウンテンバイク

を載せれる位の大型トラックに載せて運び捨てたのだろう

監視カメラのない田舎の漁港に

捨てたのか?


それとも

解体して・・・又組み立てたのか?

それなりの技術もいるし


場所もいる。

かなり不可能に近い。



勿論、

軽トラックの持ち主は判明したが

トラックは盗難届が事故の

前日に出されていた。


トラックを盗む手口も防犯カメラに

写っていたが手馴れた組織の

犯行だった。

全身黒づくめ、顔も全く分からない。


多分普通のバイクだったら

気付かれる事を恐れ

自転車の頑丈で

間違い無く怪我をさせる以上の

目的としているのは

間違いなかった。


警察から

「恨みをかうような

事はありませんか?」



と聞かれたが、有りすぎて

答えられなかった。


もうこれ以上寧音にも迷惑は

かけたく無く、解放する事に

した。





副社長にそう告げると何と

次は副社長が女装をして犯人探し

をかって出て来た。


「えええーつ‼」


一同驚いたが何としても捕まえたい。


寧音は、大丈夫?と笑い飛ばしたが

相手はそれなりのプロかも知れない

だとしたら可成のデメリット

いくら武道に自信があっても

プロの殺し屋でも出て来たら

命の保証は無い。


取り返しのつかなくなる前に・・・

寧音は早く解放しないと。






「ね、ね!聞いた!聞いた?

副社長室にすっごい美人がきてる

って‼


なんかさぁ寧音さんとその美人、

山岡さん取り合ってるらしいよ‼」



結衣ちゃんとスピーカ女子の受付嬢

の奈緒は、依織を取り囲んで

ピーチクパーチク

社内に広がるのもすぐだろう。



例の如く結衣ちゃんと奈緒は

どんな美人か、見に行くと言う。

「いこ、いこ、」

2人は当然ながら依織の腕を引く。



「やだよ﹏」


2人はパッと振り返り・・・ん?

みたいな顔をみせる。


「行かない・・・って?」



ズルズルズルズルズルズル

依織は引きずるように抱えられて

やむ無く参戦‼



例の如く観葉植物の影に団子三兄弟

のように頭がポンポンポン


大きく開いたドアには、

背の高いロングゆるふわ巻き髪・・・

奏月の理想の巻き髪・・・



依織は自分の肩までの

ストレートヘアを梳きながら

・・・꒰๑ ᷄ω ᷅꒱ションボリ⤵︎⤵︎⤵︎




奏月があんなに、興奮し、

発情する髪を、依織は躊躇う

ことなく、切ってしまった。


嫌がらせとは言え後悔もある。


奏月が巻き髪に惹かれるのは

仕方ないかも、巻き髪大好き男子

しかもあんな美人。


黒のスーツ姿の彼女は


ボン キュッ ボン

ウワァ﹏余りの美人にお口ポッカーン



負けた・・・⤵︎ ⤵︎

依織は自分の胸とウエストに目

をやる。


「どーした依織﹏w

萎んでる?」

掠れたような小声で奈緒ちゃんが

耳元で囁く。


「え‼ 依織、ヤッパ

山岡さんが好きなの?」

奈緒ちゃんがビックリした

顔をする。


結衣ちゃんもヤッパか!

みたいにニヤニヤ


「ウッワ﹏ァ!

彼氏に振られて、山岡さんに


相手にされずってか悲劇‼」

奈緒ちゃんも結衣ちゃんも

容赦ない!


「違うってバッ‼

妄想でモノ言わないでよネッ💢

関係ナイッ‼」


「はい、はい、ちょっと遊んだヘヘッ」


「ごめん ごめん本気に

すんなよ﹏w」


2人はそんな依織をからかいつつ

目は 真っ直ぐ副社長室を

見ていた。」


ポン、バコン、ボコン


「仕事にもどりなさいっ‼」

コラッ‼


ヒッ ヘッ ハイッ


「大仏部長‼」

後ろから会社のパンフでボコられた。


3人はソソクサと逃げ出したが

依織は大仏部長に捕まり



首根っこを引かれエレベーターから

ズリズリ下ろされた。

奈緒と結衣は下降していった。



「つ〜かまえたっニヤニヤ

どう?依織あの二人。“」

それは奏月と彼女を言っている

事は依織には直ぐ分かった。


ゲッ・・・

「美男美女・・・と、思いま・・す。」


「フフフッそうかしらね。

依織あれは・・ねコショコショ

なのよ!」


えーーっウソッムグムグムグ


大仏部長は依織の口を押さえ

“シッシッシーッ“


「これ以上誤解させると

山岡が可哀想だから言うの

何も聞かずしばらく

山岡や、私達から離れていなさい。

分かったわね。」


「は・・・い。でもなんで?」



「詳しく話せないから聞くな‼

それから寧音さんとは

なんにもないわよ。


勿論以前は、あった?そうだけど

貴方と付き合い出してから

山岡は・・・

そんな関係はないわよ。」



「え‼ だって見たんです。

ベッドで2人は抱き合っていたん

です。」


「あ、聞いたわよ。

寧音さんがふざけたんですって、

その後私と副社長が

山岡のマンションへ行く事は

2人とも知ってたのよ。

そんな事する訳無いじゃないの‼」


「えええーつ!

そうなんですか?」


「そうよ、山岡、今貴方に誤解され

てるって、落ち込んでいるのよ。

ま、もう少し落ち込んでて

もらうかなぁ〜ハハハ」

部長はなんか楽しそうだ。





「なんか分からないですけど

奏月が

何があっても信じろって言って

たんです。


信じてもいいんでしょうか?」



「さぁ、それは、依織次第よ。

私は、信じて欲しいかな。

方が着くまで依織は静かに

していなさい。」


向こうから美人に変装した

副社長がニッコリ微笑んでいた。



依織は首をクネクネ・・・

副社長と思えば微妙・・・





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