第33話 下僕
お昼が来た。
結衣と依織は社食へと向かう。
エレベーターを上がると、
うどんの御汁の
香りや、カレーの香り、いろんな
美味しそうな香りがお腹をこそぐる。
久しぶりの空腹感。
胃袋が喜んでいるのは奏月を信じる
気持ちが大きいから部長の
話を聞いて
安心したのかもしれない。
ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ
女の子の休み時間はアッとゆうまに
過ぎてしまう。
「先行ってて、トイレ」
依織はカタカタと椅子を片付け
席を立つ。
髪を整えリップクリームをパッパッ
なんか明るい自分が鏡の前に映る。
嫌がらせで切った髪も肩下迄
届いて来た。
「よし‼」
気合いを入れて部署に戻る途中
ん?(⊙⊙)‼ハッ
向こうから大好きなイケメンが
副社長と並んで颯爽と歩いて
来るのが見えた。
2人とも前だけ見て歩いているよう
で実は回りをよく見て歩いている。
副社長はさっきの女装じゃなくて
普段のイケメンに戻っていた。
う、うわぁー2人並ぶと
めちゃくちゃカッコイィ〜❤““
┣“キ┣“キ バクバク
『ウウッワアち、近ずいてく、
来るw』
┣¨‡┣¨‡ ┣¨‡┣¨‡ ┣¨‡┣¨‡
余りの💓┣¨キ┣¨キと気まずさに
耐えられなくなった依織の心臓は
、依織の足を・・・クルリ パッ
パタパタパタパタ
┣¨┣¨┣¨─💨💨💨
(°Д°)アッ…
「オッおい💢まてーっ!」
逃げる依織を追いかける習性が
ついた奏月は、
ついネズミを追いかける猫の
様に、我を忘れて、飛び出そう
とする。
「おい‼」
思わず慶一道に腕を掴まれ
足を止める。
「ダメだ‼
我慢しろって!」
ぐぐーッ、奏月は拳を握りしめ
ブルブルブル‼
「落ち着け!
全く‼そんなに女に本気になれる
モノなのか?
俺には真似出来ねー。」
「副社長には・・・」
奏月は言いかけた言葉を飲み込んだ。
「なんだよ。ジロ」
「いえ‼ もし副社長に
本気の彼女が出来たら・・・
本気で応援します。」
「え・・・ そっか?゛👉👈゛💦
あ.ありがと‼
そのトキは、よろしく。
まぁ、無いと思うケド。」
奏月の無念を麗す瞳に、純粋な
男心を感じ
「まるで中坊の
初恋じゃねーか‼。」
と慶一道は呟いた。
(後々、奏月の世話になる事と
も知らず、慶一道はそうこたえた。)
奏月も
「何もかも終わったら
覚えておけよ。依織‼」
つい、ボソッと呟いたのを
慶一道の👂はちゃんと聞いていた。
😱💥怖っ!
奏月を横目で眺め慶一道は
(こいつは裏切らない男だ)
何故か、そう確信した。
その夜副社長は女装をして奏月の
マンションへと入って行った。
途中、同じ階の3っ先のドアに目が
止まる。
依織は心変わりをしてしまったのか?
副社長はポンポンと奏月の肩を叩き
奏月もハッとする。
2人でコンビニで買ったビールと
弁当を持ち込み色々と話合った。
見えない敵は、又奏月を狙っている。
「お嬢様、奏月は又女を変えました。
寧音様は国外へと今日帰られました。
そしたら直ぐに違う女性が入り浸っ
ております。」
「ホホホ知ってるわよ。」
「え‼はぁそうでしたか。
今日は奏月様のマンション
へと2人は入っていきました。
セキュリティが厳しく追求は出来
ませんでした。」
「もうそこまでの仲?
なんとゆう、浮気男
私と言うものが有りながら・・・
ま、まあ良くてよ!
その内、浮気なんて出来ないから。」
「マンションの管理人に
ツテを頼りましたが、中々
厳しく入り込めません。」
明るい月に照らされた
栗色の巻き髪がパラパラと揺れた
赤い椿の花をめでながら
赤い唇が微かにうごいた。
「もう直ぐ奏月も25になる。
約束の・・ 25 歳・・ねオホホホ。」
「あ💦あの・・・さしでがましい
のは重々承知しております。
もう・・・諦められては如何で・・・ヒッ‼」
─━╋グサッ
庭に跪いた男の掌にはサバイバル
ナイフが真っ直ぐに突き刺さっていた。
タラ、タラと流れ出した赤い血を
抑えながら男は痛みに耐えていた。
「使えない男ね。
何言っているの誕生日迄に
カタをつけなさい!
今度失敗したら・・・フフフッ
ほら
見て綺麗な赤よね
あなたの血🩸の色ウフッ
ねえ、この椿の赤も
綺麗でしょう。
あなたの血も、もっと
赤いんじゃないの?
真っ赤な血の色じゃない。
貴方も一面に広がる赤に
こうなりたいの?」
「いっ‼ いえ滅相もない。」
「ねえ、その手どうしたの?
怪我してるじゃない。」
「あ、・・・
無調法でゥッ
私が 包丁で切りま・・した。」
「そう、気をつけないとね。
フフッ
早く手当しないと・・・」
「💦・・・失礼致します。」
男は手を抑えながら腰を低くした
体制で逃げる様に立ち去った。
ガタガタガタ屋敷を出ると震えが
止まらなく、中々車を出
せなかった。
「今度失敗したら・・・ガクッ
ブルブルブル꜆꜄꜆
お嬢様は、何をするか
分からない。」
月明かりの中、豪邸の門を一台の
車が猛スピードで抜けていった。
屋敷の中から
ホホホホオーッホホホ
と不気味な笑い声が椿の木から
聞こえていた。
赤い椿がポト、ポトと
庭に落ちる。
不気味で静かな月夜の夜だった
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