第28話 依織の愚痴
「う﹏うぅぅ➷ヤバーイヤバイぞ!
いっっも帰り遅いのに何で定時
あがりなの?
寧音さんとニャンニャンしたかっ
たの?
そんなにヤリたかったの?
そんなに好きになっちゃったの?
直ぐベッドルームに入って来るな
んて、バカじゃない?
奏月はもっと理性のある男と
思っていたのにーっ‼」
不信感を最大に表しながら依織は
もう奏月との別れを決心していた。
あの二人は知り合いだったらしいし、
いや‼ぜーったい知り合い‼
「昔のように、ねえ〜」
って言ってたよね。
「完全に 元彼、元カノ‼
ヤケボックリに・・・云々!」
ボーッと街中歩いていた。
どこ行く訳もなく目的も無く‼
「依織ー?依織じゃね?」
呼ばれた声に振り向くと高校の
先輩がいた。
「拓也先輩」
昔からモテモテの先輩は相変わら
ずベビーフェイスで、そのわりに
男らしい。
地元が一緒で先輩はコッチの大学に
通う為、地元をでていた。
「依織もコッチにいたの?
いやぁ〜久しぶりだなぁ
懐かしいな‼」
「はい、私もコッチの会社
に入って、それからずっと
コッチに
住んでいるんですよ。」
「晩飯まだ?良かったら
メシ行かね? あ💦彼氏に
怒られるか?」
依織は高校の頃、拓也先輩には、
良くしてもらっていた。
やっかんだ女子先輩から呼び出し
を何回も食らったが先輩が
聞きつけ飛んで来て助けてくれた。
部活の先生に直談判してくれて
その生徒達は停学になったり
親が呼び出しをくらったりで依織に
手を出すものは居なくなった。
「行きます
先輩いいお店知っていますよ。
そこにいきませんか?
カフェなんですけど
料理は凄ーく美味しいんです。」
「分かった。
ここから遠い?
俺のマンションそこなんだ
車出そうか?」
先輩は昔と変わらぬ人懐こい笑顔を
みせた。
「変わってないですね。‼」
「え‼ そっか?
依織は相変わらず
忙しそうだな‼」
依織はクスッと笑った。
先輩に連れられて歩くと
何と‼ 奏月・・・と😱💦🗯 同じマンション💦
思わず周りをたしかめる。キョロキョロ
ご近所さんの目が気になる。
マンション入口で待つ依織は
๑ΘдΘ๑┣¨キ┣¨キ*┣“キ┣“キ
さっきとは違った┣¨‡┣¨‡
今さっき逃げ出したマンション
に逆戻りとは・・・💦かなり
エッ、 エッ、エッ ヤバーイ‼
し、心臓ーが持たなーい!
部屋番は怖くて聞けなかった。
なんか、奏月と同じ階のような
予感がした。
先輩の家は昔ながらの地主さん
な事を今更ながら思いだした。
先輩ならこのマンションに
住める。
依織は不審者の如く、拓也の車に
乗ってマンションを後にした。
大学生なのにこんな高い車に
乗ってんだ‼
スゴーイ。
相変わらずの駅前のカフェは
でかい兎が立っていた。
奏月に連れられて来た時は
兎のオブジェはバラの花が取り囲み
芳醇な香りを放っていた。
もう12月も近くなった今は
少し早めのクリスマスローズの
ピンク、クリーム色、緑の花が
ノースポールの真っ白い花で
取り囲む様にそれはもう人目を
引くほど植え込んであった。
花が趣味だとオーナーは言う
店の中も花屋さんか?
と言うほど花が置いてあった。
雰囲気もそうだが依織は
この店のローストビーフが大好き
になっていた。
「会社の先輩に連れて来てもらって
もう1回来たくて
ここのお料理凄くおいしいんです。
先輩も彼女さんと来られたら
いいですよ。」
ニッコリ
「ハハハハハ依織、彼女いねーわ。
いたら依織をメシに誘ったり
しませんよ。フン
しかも俺、居酒屋専門だし
こんなカフェ
彼女居ないと来れねー!
ってか依織は彼氏は?」
「さっきまで居ました!`з´
でも・・・
オンナ連れ込んでて﹏w
もう別れまっす。
男はコリゴリ‼」
「ハハハハハ💦そっか、そっか、‼
ヨシヨシ‼」
暫くすると依織の好きな
ローストビーフ
とタラコクリームパスタ
が登場。
先輩は海鮮カニパスタ
とステーキ
2人でシェアのヒヨコマメサラダ、
がテーブル
に並んだ。
久しぶりのご馳走に依織はゴックン
「そう言えば依織、回転寿司好き
だったよな、ŧ‹"ŧ‹"
たまに連れていくと
大歓迎してくれてサ
又行こうぜ。」
「キャーホントにホント
行きます。
いつ、行きます?
あ‼・・・ヤッパ無理です。」
「なんで?彼氏とは破局
したんじゃなかったの?」
ひよこ豆サラダをパク付きながら
サラサラの前髪をポイポイしながら
先輩は依織を見た。
「エット‼
妹が受験なんです。
無駄遣いは、控えないと・・・‼」
「大丈夫‼
俺だってバイトしてるし
依織の食う分くらい払えるよ。」
「高校の頃からずっと
奢ってもらってるし、社会人に
なっても、奢って貰うなんて・・・」
「だって、
奢らないとお前来ないじゃん。
ハハハハハ
今更じゃん。」
「ハハハハハ‼ 確かに 」
ヘヘツ
タラコパスタは先輩がいなけりゃ
お皿ぺろぺろしたいくらい
美味しかった。
家で食べていたら必ずペロペロ
レベル。
先輩は依織のオンボロアパート迄
送ってくれてアパートをジロジロ
眺めて溜息をついていた。
「先輩、中はキレイにリフォーム
されてますし、そんな溜息つかな
いで下さいね。」
「いやいや、ゴメンゴメン!」
依織はぺこりと頭を下げて
拓也の車を見送った。
着拒、ブロックされているはずの
奏月から着信とラインの山が
入っていた。
勿論、既読も付けづにスルー
今度は依織から着拒とブロック‼
「フンッ今更じゃん。」
先輩のおかげで自分か貧乏と言う
事を思い出した。
先輩には毎回奢って貰っていた、
アイスとか、パンとか
回転寿司を知ったのも先輩が
初めて連れて行ってくれたから。
こんな、美味しいものが世の中に
あったんだーと感激したっけ!
初めて頬っぺが落ちるの
意味を知ったのは
先輩のおかげだ。
依織の口癖は
「お金、持って無いから
行けないよー
ウチ貧乏なんですよハハハハ」
だった事を思い出した。
貧乏は辛くなかった。
それなりに工夫すれば
🍆ナス3個で、煮浸し、天ぷら
炒め物、で晩御飯のオカズが出来た。
ある程度、家で育てた野菜があれば
そんなに不服は無かった。
生きる有り難さえ覚えていた。
人生終わりまでが楽しい理由
じゃない‼
でもそれなりに人は工夫と言う
知恵がある。
急に貧乏は辛いけど
貧乏に慣れればそれ程不自由じゃ
ない。
同情される意味すら分からない。
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