第8話 奏月と先輩



依織への出張土産が、

渡せないまま箱いっぱいになった。

依織は可愛いキーホルダー

が好きなんだ。

今度こそ渡して仲直り、今度こそ

今度こそと思いつつ

もう何ヶ月すぎたかなぁ ๑´࿀`๑=3


依織には、何人か交際を求めたが

みんな断られたと聞いて

ホッとする。


もうすぐ4月俺の24の誕生日が来る。

そうだ依織の誕生日はいつだろう。

そう言えば依織の事何にも知らない

依織は未だ俺の事好きなんだろうか?



そんな事を考えながらエレベーター

を待つ。




「あっ‼ 山岡さん?」


「えっ‼誰?」


「総務課の山田真奈です。」


「え、総務課?」


「はい。あ‼ こっちこっち👋」


俺が振り向くと依織ともう1人女の子

がかけて来た。


依織は、俺を見るなりぎこちなく

山田真奈はぺちゃくちゃと話かけて

来た。


「山岡さん、私達と夜ご飯

行きませんか?」



「え?4人でって事?」


「はい。

この子達も一緒にウフ」

俯きよそ見する依織は奏月を避けて

いるようにも見えた。




「え、 いいけ・・・ど。」

俺は兎に角依織と接点が欲しくて

了承した。


真奈は積極的に押し付け可愛さ

全開 で押せ押せで迫りまくる。

オレ、タジタジ


「じゃっ山岡さん7時会社の玄関で

待ってますから。」


「ああ・・・後でね。」

俺は依織を見て返事をする。



3人で奏月の乗るエレベーターを

見送り👋

ドアが閉まって奏月が、上昇した

のを確認すると


「ちょっと、あんた達ついてくる

気は無いよね‼」


おーっと先輩の手の平返し


(ⓞДⓞ)エッ!?Σ(ㅇㅁㅇ;;)エッ…

「でも3人でって・・・」

同僚の結衣ちゃんが先輩の真奈さんに呟くと 腕を組ツーンとした顔を見せ

て・・・



「私が狙ってたの知ってるよね。

アンタ達分かってるよね!

チャンスなのよ‼

それに山岡さんに私似合ってない?

ぜーったい私が合うんだって

あんた達まだ若いんだし

悪く思わないでね。」


「え、でも、3人でって

ねぇ依織」

結衣ちゃんは依織をチラッと見た。


先輩はイラッと来たようで

結衣ちゃんの前に一歩踏み出して


「何よ‼先輩の言う事が聞けないの!分かった❗

ぜーったい来ないでよ!!」


山田真奈はそう言うと颯爽と歩き

又振り向いて私達を睨み付け

キッと凄みを見せルンルン

しながら歩いて行った。


結衣ちゃんは長い

ピンクブラウンの髪を、

括り直しクッソと呟くと

「絶対ついて行く!」

と言った。

結衣ちゃんは

キチンとした性格で同じ歳なのに

大人系‼ そんな結衣ちゃんが


「何よ!先輩なくせに

よこれんぼかよ。」

と怒り心頭。


依織は、不思議そうに聞いた

「もしかして

結衣ちゃんも山岡さんが

好きなの?」



「いや、そんな事ないけど・・・

ムカついただけなんだけど。」




「どうする?依織?

あんた、山岡さんが好きなん

でしょ、いいの?それに

山岡さんもあんた見てたし・・・」


「え‼」


「分かるよ〜見てたら。

なんか2人、わけありそうだもん。

ついて行こ!あの様子じゃ

今日決めるつもりじゃない‼

危ないよ山岡さん。

山田真奈は、凄いテクらしいよ。

自分で言ってんだけど、ビデオ

とか見て、色々テクあげた

らしいよ。」



「え⊙⊙、テク?イヤ、でも・・・。」


「取られちゃうよ、いいの‼」


「え‼よく・・・ないか・・・も」


結衣ちゃんはニンマリ

笑うと

「取り敢えず7時に玄関ね‼」

そう言って歩きだした。



そう、あの時・・・

7時って奏月が言った・・


はずなのに、7時には奏月の

姿は無かった、勿論山田真奈も

見当たらない、なんで?


「どしたの?」

50代の総務課の課長が

2人を見つけ歩み寄って来た。

白髪交ざりとはいえ背が高く

イケオジだ。

化粧品を扱うだけあって

皆社員は小綺麗にしている。


「いえ、依織とたまには飲みに

行こうかと話してたんですよ。」


「そうか、金曜日だしな‼

そう言えば山田くんも6時に約束

があるってバタバタと帰って

ったな〜俺はカミさんと

宅飲みだよ。ハッハッハ」


6

結衣と依織は顔を見合わせ



結衣はガクッと項垂れた。


「う﹏‼くっそぉ〜あの女狐め〜」


依織はフフフと笑い真奈先輩らしいと

思った。

あんなに奏月を求めてるのなら

それはそれでいいのかも知れない


あんなに愛されてる奏月は幸せ

なのかもしれないなぁ。


依織はいつの間にか奏月の幸せを

願うのも良いかなと考え方を変え

ていた。




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