第15話 社内恋愛アルアル
キャッキャキャッキャ
女の子の声がした。
そりゃもうにぎやかな
エレベーターへと向かうと
何人かの女子社員と
依織が楽しそうに話ていた。
5人くらいでドッと俺と部長の
乗ったエレベーターに
┣¨┣¨┣¨┣¨と
乗り込んで来た!
俺と大仏部長に気づいた面々は
直ぐ黙りなんか見てないようで
見られているのが分かる。
依織が俺の後ろへと押しやられ
モゴモゴ状態。
隙を見て依織の手をにぎる。
『奏月、手を手を手を離して。』
依織が目で訴えてくる。
俺はポケットから四角い手の
ひらに収まる箱を依織の手に押し
付けた。
気づかれないように
フッと上を見て小さい声で
笑って呟いた。
「プレゼント🎁」
チラッ「ん?👀」
俺を見上げる大仏部長には、
聞こえたらしい。
「山岡、どうした‼」
その声にビクついたのは俺じゃない。
「大仏部長!なんでもありません。」
衣織が声を出した!
アチャと思った俺は依織をじっと
見た。
「あら、あら、ごめんね。
スズメちゃん達に言ったん
じゃないのよ〜。」
「いっ、いえすみません。」
墓穴を掘ったのは依織
勘のいい、大仏部長は全て理解
したはずだ。
部長は、俺の顔から目を離さない
ここで怯むと負けだ!
俺はより一層クールな顔をしていた。
暫くすると
「さっきは、ゴメンなさい。
怒って無い?」
依織からの謝罪ライン。
「なんで怒るんだよ。
おこらないよ。」
依織の天然ボケ可愛い過ぎたが
ちょっとイジメてみた。
「どう言うつもり
依織が返事したら元も子もないよ。
付き合ってるの ナイショって
依織が言い出しっぺ
なんですケド‼
今度こんなんあったら
社内放送でバラスからな‼
俺はカマワナイからな‼」
「うん。気をつける。
指輪ありがとう。
コレお土産?
エンゲージリング?
もしかしてプロポーズ?」
キャッ♡♡
「あーゴメン、誤解だワ。
24になって結婚あせってんのか?
結婚はまだ早いワ
まあ‼ お土産っちゃお土産
4月25日誕生日だったろ?
喧嘩してたから随分
遅れちゃったけど
“24歳おめでとう“
たんなる誕プレ‼」
依織は指輪だったから嬉しくて
早とちり・・
ちょっと恥ずかしい
「あはっ
だよね、だよね、だよね〜ぇ
分かってたし!!ウソダケド
(ちょっと期待してたんだけど!)
了解しました👍
プレゼントありがと‼」
キラキラヒカルダイヤモンド
小さな石が沢山埋め込んである。
でも残念ながらエンゲージリング
じゃないらしい。
こんな高価な物が誕プレとは・・・
私は何をあげればいいんだろう。
ウチは父がいない母子家庭。
母が働いて、高校までだしてくれた
妹も今高校2年
修学旅行もあるし、お金送らないと
どーしょう。
プレゼント買えるかな?
確か奏月も4月30だった・・・よね。
確か真奈先輩が話してた。
過ぎてるけど・・・お互い様か‼
アレ?奏月は私の誕生日情報
何処で知ったんかな?
確か言ってないよね。
とりあえず修学旅行費が先だな‼
妹は頭がいい。
私もソコソコ賢いと思うけど
妹は、女医をめざしてる
意思はかたい目標がちゃんとある。
それに妹にも学生生活楽しんで
ほしい。
でも、こんな立派な物貰っても
いいの?
奏月のプレゼントの値段には、
追いつかないけど、頑張るぞー‼」
そう依織はバイトをはじめた。
駅前の、ケーキ店‼
会社の人が来ても分からないように
ポニーテール
帽子は目のところで止めてっとおー
よしよしカンペーき‼
「いらっしゃいませ。」
そう、依織は会社が終わってからの
4時間バイト。
会社は副業認めて無いから
短期バイトを見つけた。
ナイショ
いつも甘い香りに
包まれてシアワセ!
ぷとっちょさんには願ってもない
聖域。
そんな中、奏月からのメール
「依織、オレ2ヶ月激務!
海外出張、フランス
会えないけどゴメンな‼」
「うん、いいよ。
仕事は大事だよ。
お誕生日プレゼント
帰って来た頃買えそうだから
楽しみにしててね。」
「ありがとう。依織
繁忙期が終われば
どっか旅行行こう。」
「行くなら10月くらいの
京都がいいな‼」
「おー、京都で決まり
仕事頑張れるワ」
喧嘩した間に2人の誕生日は
過ぎてしまったけど
プレゼントって不思議だな
元気がでる。
セミの声も割れるように鳴き出す
7月、8月又げばまた奏月は帰って
来る。
バイト先は家にいるよりクーラー
効いてるし電気代
節約術じゃない。
ケーキ屋さんの制服は
可愛いフリフリのロリータみたいな
服を着れて、合わせて化粧も濃ゆめ、
わりと似合ってるよね。
お人形さんにでもなった気がして
くるのは私だけかな?(๑ ิټ ิ)ヘヘッ
一週間、二週間、三週間
順調に流れ8月お盆の時期になった。
帰省客でお店は大盛り上がり
会社も盆休みに入り
交代で休みをとる。
勿論休みの間はバイトシフト
そんな8月15日
花火大会が近くの川沿いで上がる。
奏月の、長期の海外出張ももうすぐ
終わる。
もう少しの辛抱
あー早く会いたい。
昼から浴衣美人がウロウロ
店はPM:22時閉店
依織が仕事終わって店を出るとライト
が落とされて薄暗い。
従業員専門のバックヤードを抜けると
警備員が立つ裏口に出る。
バックの中を点検されやっと外
にでられた。
花火大会の名残を惜しむように
恋人達がアチコチでイチャコラ
イチャコラ
チエッ‼羨ましい
こんなん見たらやはり奏月が
恋しい。
「元気かなぁ〜」
少し先のタクシー待ちに目をやると
う、😱💦嘘‼
な !!なんと
奏月の姿が・・・し、しかも浴衣
いっ帰ってきたの?
勿論カッコイイイイイイイイイイイイイイイイ・・・
けど・・・その隣には、浴衣美人
大人系の・・・オンナ!
時間はもう直ぐPM23:00
しごと?仕事・・・?
アレ、仕事?
どう見ても仕事の範囲越えてる
背中の帯に団扇さしてるし
震える手でラインしてみた。
「奏月、お疲れ様
仕事終わった?今何処
会いたいなー」
ヤッパリ奏月だった、ライン
に気付くと直ぐブチッと
切りやがりました。
今度は電話したPUーPUーPU
2人はタクシーに乗り込み
どっか行った。
右手クスリ指の指輪を見ながら
ボーゼンと歩いた。
鼻水が半端無いから多分
泣いていたんだろう。
あはんあはんあーあん
ああーん!
公園が見えた途端声を出して
泣き崩れた。
完全なるウワキ
しかも海外から帰って来てるしー
いつ、帰ったー
知らないし、聞いてないし
普通帰ったら彼女に会いに来るよー
なんで来ないのー‼
なんで知らない女と浴衣
着てんのサー
プルプルプル プルプルプル
プルプルプル プルプルプル
気づくと電話がなっていた、
「もしもし依織」
あーんあああーん
あーんあああーん
あーんあああーん
依織何があった‼
あああーんあああーん
依織、依織
ブチッ、ぢぢぐじょー
顔は、鼻水だらけでグショグショ
涙と鼻水はセットで出てくる
ぐぞ﹏
目の下の涙ブクロがヒリヒリヒリ
軟膏塗る羽目になった。
クソ﹏軟膏¥1500もしたしξꐦ꒪⌓꒪)ξ💥
女の純情ーーバ、馬鹿にしてー
プルプルプル プルプルプル
プルプルプル プルプルプル
電話はずっと呼び出し音
もう私の彼じゃない。
あんな野郎は彼じゃない‼
“別れてやるゥ﹏“
手も顔も涙と鼻水でカチカチ
グッチャグチャ!
犬にも吠えられる程怪しい
幽霊みたいな姿になっていた。
お盆だしちょうど季節感出て
風情があって良かったと思う。
柳の下にいたら完璧にオバケ
ひゅ〜ぅ ドロドロドロ
ホントに怨めしい👻👻👻
うゥ〜らァ〜めェ〜しィ〜やァ〜
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