第42話 山奥の田んぼの中のプロポーズ"
「あの( ;꒪⌓꒪;)副社長今日
急なんですが
半休貰えませんか半休‼」
「・・・勝手言ってすみません。」
「フー
いいよ👍
明日まで有給あげるよ。部長
アレ持って来て」
部長はしばらく席を外すと
封筒を持って現れた。
「はい。依織の住所よ
個人情報なんで、宜しく。」
初めて移動でここに来た時部長は
俺を一本背負いでなげとばした。
反抗していた俺を鍛え直してくれた。
その部長が俺の恋愛を応援してく
れている。感謝しかない。
「ハイッ、有難うございます!」
奏月は深深と頭を下げて一目散に
飛び出していった。
そんな奏月を見て2人はヤレヤレ
「無くしてから気付くのは
遅過ぎるのよ奏月!!」
大仏部長は走り去る奏月の
背中を見て呟いた。
「そんなもんかなぁ」
遊び人で独身主義の副社長
はニヤニヤしながら
「あーあ地獄に飛び込んだか!」
そうつぶやいた。
🐓
「依織、行ってくるね、
あんたが帰って来るのが分かって
たら仕事休んだのに﹏」
「うん、行ってらっしゃーい。
1週間有るからゆっくり
する。」
小さな一戸建ては山沿いに
建っていた。
母は仕事に出て行った。
外にはサツキが咲きヤマブキの
可愛らしい黄色花が咲き乱れ
沈丁花の何とも言えない
良い香りが漂っていた。
鳥の声が谷間に響き農作業の
機械の音がする。
久しぶりの田舎
「ヤッパ空気違うわー」
依織は久々の解放感に浸っていた。
奏月は東京土産を抱え
新幹線を降りた。
ポケットには小さな箱を忍ばせて
バスを乗り継ぎ乗り継ぎ
さらに乗り継ぎ
依織の地元にやって来た。
レンタカーを借るつもりで
いたが何にもない田園風景
レンタカー?聞いた事ねーなぁ
誰んだかーの間違いか?
通りがかったジーさんには通じない!
東京のようにちょっと出れば
デパートがありカフェがあり
ビルが立ち並ぶ事などなく
立ち並ぶのは
デデデーンとした山々
奏月は道を間違えたかと
キョロキョロ
集落さえ何処か分からない。
こんな山奥に住めるのだろうか?
いやいやこの先に家があるのか?
不安になるほどの山奥
依織は風邪もスッカリ抜けて
地元に帰ったせいか元気に
なっていた。
飼い犬、柴犬の
大吾郎のリードを引っ張り
田んぼ道を走らせた。
大吾郎も凄くたのしそう。
あぜ道に座り大吾郎を撫でていると
蓮華草のピンクの花がなんとも言えない香りを飛ばしてくる。
ミツバチやモンシロチョウがアチコチに飛んでいる。
あーのんびり
ゴロンとね転べば若草野香りもする。
大吾郎がワンワンとほえ出した
「こぉら、ダメダメ、」
大吾郎を宥めながら起き上がり振り向くと!
フラフラ、ヨロヨロ
になった男性の姿
「み、みつ・・・き?」
依織は暫く呆然
何が起こってるのか分からない。
昨日の昼から東京をでて
遥々依織の故郷へとたどり着いた
しばしバス停でぐーすーぴ
また歩きやっと着いた田んぼの
畦道で依織を発見
ホッとするやら頭にくるやら
疲れも忘れ怒鳴るように
叫ぶ!
「依織、誰と結婚するつもりだ‼」
\\ゴゴゴゴーゴラァ///
「うん?はい?結婚?」
\\俺とゆう男がいながら////
「え?はい?なんで奏月が・・・
いるの?」
「それに・・・別れたよ・・ね‼
約1年前に?」
「は? あれは、痴.話.喧.嘩.
本気にすんなよ。」
「いやいやいや別れました。」
「違う、別れていない!
「 別れたんじゃない‼」
「 絶対、別れてナイ‼」
「・・・バカヤロー別れたシッ。」
依織はボソッと呟いた。
ε-( ー̀дー́ )フンッ
そんな依織の顔を見て
奏月は謝る。
「 ゴメン、あんな、酷い事
言って、悪かった許して欲しい。」
「え?(笑)どうしたの?
あの美人秘書さんと上手く
行かなかった?
なら又違う人を探せヨ!!」
やけに꒰๑ ᷄ω ᷅꒱ションボリしてる
奏月!
何を言ってるのか
依織は全くワカラナイ!
「見合いするのか?」
「見合い?」
沈黙
「見合い?なんの冗談?」
「冗談?」
沈黙
「まさか?結衣ちゃん?
に何か言われた?」
奏月はウンウンとうなずいた。
「あ💦━━━━━まさか💦😱💦」
ハハハやられたね‼ ユイちゃん
そう言う事しょっちゅう、
やって楽しむんだよ。」
「楽しむ?」
ウンウン
沈黙
「アハ、結衣ちゃん詐欺師の
才能あるかも・・・💦」
「💦仕返ししないとね。ハハハ
奏月、気にしないで、
結衣ちゃんに脅された?
アハハハハ
私は大丈夫。
奏月は、自分の夢・・・を
奏月の夢叶えたらいいよ。
私こそ、嘘ついてゴメン・・・ね。
責任なんて、考えなくていい。
結婚は奏月の目標 だもん。
荒れてた時代に見つけた、
“たった1つの目標‼“
って言っていたじゃん。
大切な夢だし
夢は、大事にしないと。
私こそ、奏月を離したく無い
ばかりに・・・
今更で、ごめんね。
私、会社辞めるから
会えなくなるし、奏月は
気まずい思いしなくてすむよ。
安心して婚活できるよ。
それに知ってる人何人かしか
いないし、大丈夫だよ。
あの女社長秘書さん?
綺麗な人だね。
大人可愛いって感じ。
幸せになって・・・じゃあ・・ね💦
行こう、大吾郎」ワンッ🐾
「ちょっとちょっと‼
芦田さん。依織ちゃん彼氏
連れて来たってホント?
凄い良い男らしいわよ。」
ぽっちゃりとした依織の母親は
ニコニコしながら
「まさかー、依織は1人で来て
ますよ。」
「隠してもダメダメ‼
畑仕事してた、ばーちゃんから
電話あったもん。」
「またあ、お姑さん見間違いよ。」
「私達も見に行ってもいい?」
「だから違う違う。」
「いやほら中継中だから」
「え?」
ピントはズレているけどソコには
娘と青年が会話していた。
「俺は依織だけだ。
後悔してるよ!
彼女とは、仕事以上の関係は、
微量も無い‼
キッパリ
絶対、連れて帰る。
俺の奥さんになってくれ、
来年は子供産ませるから・・・💦」
「へ?子供」⬅︎(オバタリアンのカイワ)
「こっ‼子供って言ってるよ、↙
孫‼( 'ロ')'ロ')'ロ')'ロ')!!!」
⤴
依織の母親の同僚
ィヤイヤ キケ来年ノハナシ
「ユイちゃんから聞いたんだ
23までには子供欲しいって・・・
だから産むなら俺の子供
産んでくれ。
いや産むんだ!!」
ホラ言ってるよ芦田さん。
孫産めってサ
「奏月、また結衣ちゃんに
ヤラレてるよ・・・。
考えてみてよ、もうすぐ私
23だよ!!
23迄ならもう産まなきゃだし
23の内になら話も分かるよ。」
「え‼ そうなのか?
んな事はどーでもいい‼」
奏月は依織の前に跪き
パカッ!
「依織は、俺の嫁‼ 決まり‼」
うむも言わさず
奏月は依織の薬指にダイヤが
散りばめられた指輪をはめた。
「給料の3ヶ月分
実はあの日プロポーズするつもり
で宝石店に頼んであったんだ
値段じゃない、俺の気持ちっす。
愛してる。」
ウワッ \\ꐕ ꐕ ꐕ////
すげー\\ꐕ ꐕ ꐕ////
農協は大盛り上がり!!
「えー、こんな高そうなの
なんで?」
依織は仕事の癖で奏月の
給料✕3を頭の中で計算。
「計算するな‼」
「アハ、う、うん ありがとう。」
農協で仕事中の依織の母親は
「はあ﹏ぁ💦?嘘
依織は一言も言って無かった
けど、何で。」
「ほら、あれよアレ‼
サプライズ🎉ってやつよ‼﹏w
今の流行りじゃない!」
広い田園地帯の小さな山沿いの村
は、噂が広がるのも早い。
耕運機に乗った、老夫婦が
スマホで生中継。
年寄りを馬鹿にしてはいけない。
パソコンだって打てる。
なんせ、バブル時代を生き抜いた
精鋭達だ。
日本を押し上げてきた有志だ。
2人の世界にどっぷりとハマった
2人は気付かない!
感動シーンの連続ドキュメント
母親は、パート仲間のおばちゃん達
を引き連れ帰ってきた。
ただおばちゃん達がついて来た
だけなんだけど。
緊張した奏月を座敷に座らせ
おばちゃん達が何処そこから
首をだす。
「お茶どうぞ‼
これ、私が着けた沢庵よ、
食べて食べて‼」
近所のおばちゃんがテキパキ
と、お茶を出し
「はぁ〜ありがとうございます。」
奏月はおしりが浮くと言うか
おちつかない。
「ォィ依織何人カーチャンいるんだ?」
「一応、一人だよっ。」
依織と奏月は小声でコショコショ👂
何人かのおばちゃん達は
夕食?いや宴会の料理を
作って・・・る?なんで?
奏月は不思議
そんななんか分からない
風景の中、奏月が思い切って口を
開いた。
「わたくし、雅楽代グループの
オーキッド化粧品、副社長
第一秘書をしています、
山岡奏月といいます。」
チョットチョット秘書だって
頭よさそうだもん。
へぇー秘書
「依織さんを幸せにします。
どうか、結婚を許してください」
オーキッドってあのアレ
そうよ、あの化粧品会社よ‼
へぇー凄い。
社内恋愛よ、羨ましー
私も一度してみたかったワ
田んぼや畑でどうやるっての?‼
ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)あははは
アッチでオバチャン達は大盛り上がり
母親は真剣な眼差しで
「あの、山岡さん。
家の家庭事情はご存知でしょうか?
この子には父親がいません
この子が小さい時離婚しま
して。大学も行かせてやれず・・・」
「ちょっと、そんな事関係な
いよねー、“そうよそうよ“」
エプロン着けたおばちゃんが
依織の母の背中を叩き
話に入ってくる。
「依織ちゃんは頭1番だったじゃ
ない。そりゃあもう賢い子よ。
モテてたのよ。ねえ〜」
ウンウン ソウソウ
ジ━━━━━━━━ツ‼
いつの間にやら奏月の前には
ズラズラズラ〜っと婦人会集合‼
どれが姑か分からないくらい。
「いえ、言っておかないと・・・
こう言う事は、彼の気持ちも
あるし」
依織の母親は、しっかりと奏月を
見て言った。
「ご心配はいりません!
存じ上げています。」
奏月はキッパリと言い切った。
「そうですか!そのう
ご理解頂いてのお話ですか?」
「勿論です!」
「 有難うございます。
ふつつかな娘ですが末永く
宜しく御願い致します。」
パチパチパチグスッ パチパチパチ
パチパチパチグスッ
おばちゃん達は話がまとまった
事を確認すると一斉に旦那に
連絡。
田舎の結束はかたい。
家族ぐるみの助け合い。
何処そこで飼っているイヌ、ネコ
の名前すら知っている。
牛や馬や、鶏、ヤギの世話すら
病気した時は、手伝いに行く。
遠くの親戚
近くの他人状態。
みんなで仲良くやっている。
アッとゆうまに旦那軍団登場
この山奥にこんなに人が住んで
いるのかと奏月はビックリする。
気のせいか強面旦那が勢揃い。
旦那さん達はとっくに定年組
依織と同じ年頃の、若い人達は
皆都会に出て居ない。
オッサンやオバサン達は
昔からの馴染みで、可愛がって
もらった。
依織の父親と同級生もいて
父親代わりもしてくれた。
奏月を捕まえ根掘り葉掘り
この地域の地酒登場
あれよあれよと奏月は飲まされ
断り切れずダウンしてしまった。
断るには寝たフリと言うのを依織は、言い忘れていた。
みんな暇だから酒に強い旦那衆
県外に1人住居の
大学二年になった妹も急に呼び
出され帰郷。
程なくして依織は妬まれながら
寿退社。
高校時代の仲良しの美代ちゃん
より先に結婚。
先輩の拓也さんは今、真奈先輩
につけねらわれている。
先輩の就職先は雅楽代財閥本社
だったが人柄を、かわれ移動・・・
した先は‼ 何と‼
オーキッド華の営業部
パンパカパーン🎉🎊
パパパパンパカパーン🎉🎉🎉
結衣ちゃんも、箕谷さんと秒よみ
と嬉し話をきいた。
それから二年
男盛が花盛りの奏月は
昼夜問わず依織に盛まくり
どんなにIQが高くても、
本能にはかてない。依織への
愛情に我慢が出来る
訳もない!
直ぐ子供が生まれ、年子で依織は
妊娠中。
このままでは何人出来るか
分からない。
あの日から依織は奏月のマンション
で暮らしている。
奏月の願った家庭ではなかったが
それ以上の幸せを感じていた。
幸せは必ず平等にやって来る。
天と地とこの世界の中に
幸せはあるのだから。
依織の両親の離婚の理由は
田舎娘の母より垢抜けて美しく
なった同級生のオンナに
ゾッコン惚れてしまい家を出て
別れたそうだ。
それ以来依織も同級生とは
絶対結婚しないと決めていた。
今更の告白
奏月とは正反対
依織の父親も嫁と娘を捨てて
選んだオンナと幸せなのか?
いやいや天罰は必ず落ちる
人を踏みにじりながら
掴んだ幸せには落とし穴がある
罰は天が与える、昔から
言うだろう天罰って。
父親の天罰を知りたくてたまらない
そんな依織を誰も責められない。
結婚して家庭も落ち着いたし
そろそろ復習を企てたくなる。
捨てた子供は何時までも
父親を追いかけていた
子供じゃない。
依織も奈緒と同じように
闇を抱えているのかもしれない
END
Ripe不機嫌な俺様彼氏のご寵愛 ルミン @rumiko35211
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