悲しいほど素敵

1.あてもなく気ままにウインドショッピング

  にぎわう街に繰り出して のどかに一人時をつぶす

  なつかしい友達に出会えるような

  浮かれ気分で 人込みの中を歩いていた


  偶然見かけた身に覚えのある顔 

  確かにそれは今日は会えないと言ったあなただった

  言葉は閉ざされて声もかけられない

  目の中に映るあなたは一人じゃ無かったから


  うれしそうにあなたを見つめて笑う人は誰ですか

  手を振り歩み寄ることさえ許さぬほど

  二人を包む明かりは悲しいほど素敵でした



2.気になるのはガラスに映る二人の行方

  悟られまいと後を追う 気休めなどならないのに

  突然あふれる思いが込み上げそうで

  顔を伏せて 人込みの中から抜け出した

  

  どうして私に気づいてくれなかったの

  あなたが見せてくれたほほ笑みが音も無く崩れて

  唇をかむ痛みが今を教える

  知らなければきっと幸せをかみしめていられたのに


  私の知らないまなざしで見つめる人は誰ですか

  心に開いた透き間を見つけられぬほど

  二人にそよぐ空気は悲しいほど素敵でした

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