雨の滴

1.しおりを一枚本に挟んだら 声にならないため息が一つ

  南の窓にはブルーのカーテン お気に入りだけど今は悲しい

  

  開けたままの東のドアから あの人の指先にも似た優しい風

  長い髪がかすかに揺れた 初めて触れられたときのように


  雨の滴は私の涙 

  初めからわかっていたと 強がってみたところで

  あなたからのさよならは 聞きたくなかった


  雨の滴は私の涙

  あふれる思いもふかずに 両手でこの髪を押さえ

  あなたへのさよならを 切ることで伝えます



2.飲みかけたままのレモンティーは 恋のように冷めてしまった

  北の壁にはあなたが選んだ風景画 街を歩いた景色が浮かぶ

  

  あなたがそばにいれば どんな天気でも温かかった

  西の本棚二人の写真は あのときから伏せたまま


  雨の滴は私の涙

  遠ざかる背中を 追いかけてみたところで

  あなたからのさよならは その足をからめる


  雨の滴は私の涙

  洗い流してくれるなら 思いでのすべて消して

  あなたからのさよならは 私の耳から離れない

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