マニキュアを忘れる頃

1.指先にトンボを乗せて 得意げに笑う子供のようなあなた

  誘われるままついて来てしまったけど

  目の前に広がる田舎の景色に すっかり気持ちは癒されている

  ここを訪れた本当の理由を 後ろを歩きながら考えていた私


  車が通ると砂ぼこりが舞い立ち 途中小さな駄菓子屋の中

  腰掛けて喉の渇きを潤せば 懐かしそうに外を眺める

  ふるさとに帰ったあなたがいる だけど今日は一人じゃないのよ


  田舎で何もないところだとポツリとあなた

  でもこんなのどかな場所での暮らしに憧れていたの 

  便利な生活に慣れて きっと至らないけど

  あなたの名字に自分の名前あてはめて



2.麦藁帽子空に舞い あぜ道を走る横小川のせせらぎ

  澄んだ流れを見てたらわかったの

  この場所で培ったあなたの心が なぜ私にきれいに映ったのか

  忘れたころに来るバスは揺れながら その音だけが山の中に溶け込んでいた 


  坂を上って見下ろせばあなたが見ていた 子供のころと同じ風景   

  山はわずかに色づきそよぐ風は  どこかさわやかな香りがした

  都会にない静かな時間を かみしめながら息を吸い込む


  ここでわかるのは季節と人の温かさと

  つぶやきながら私の手を引くこの日を待っていたように

  マニキュアを忘れるころに あなたと肩を並べ 

  この場所で今日のこと懐かしく語れたら

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ちょっと・・・女詩 ちびゴリ @tibigori

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