ダイアリー

1.花火を見た 映画に行った ケンカした

  思い出を残しておきたくて つけ始めたダイアリー

  改めて読み返せば あなたのことばかり

  ページをめくるたびに 懐かしい景色がうっすらと浮かぶ

  

  書きながらあなたを思い 閉じては夢を見ていた

  もう恋などしないと綴った言葉に

  今でも残るさよならの跡 突然現れる白紙のページ

  どうしても捨てられなかった 見せる人などいないのに

  

  今思い出は空に返します 私の心を照らしてくれた空に

  やっと新しい恋を捜す気になれたから

  すがりついていた気持ちが 炎と共に小さくなって舞い上がる

  

  

2.食事した ドライブに行った 電話した

  二度と会うこともないあなたが 確かにいるダイアリー

  振り返ったところで どうしようもないけど 

  文字を追うごとに 懐かしい筆跡が遠い昔につれ去る 


  書きながらあなたを信じ 閉じては募らせた恋

  もう夢など見ないと震えた文字に

  短いようで長い道程 歩んだ二年のストーリー

  穏やかに読むことが出来る 時折笑顔を交えて 


  今思い出は空に返します 涙を乾かした光のある空に

  閉じ込められた恋の扉をこの手で開けて

  煙と共に消えて行く過去に ありがとうと言葉を添えて 

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