概要
愛を失った少女は、再び愛に巡りあう。その筆が描く未来は安寧か、破壊か。
二つの国が覇権を争うある大陸にて、国境警備隊に属する軍人ドーズは敵兵の捜索中、廃坑に幽閉された少女ザキナに出会う。
……その大陸には、このような神話があった。
創星の神は
混沌としすべてが無であった宙に降り立つとともに
その聖なる絵筆を世に振るい
世界に光を与えた
世界に緑を与えた
世界に水を与えた
世界に風を与えた
世界に炎を与えた
世界に闇を与えた
だが
ただひとつだけ
永久永劫に自らのものとし世界には与えなかったものがあった……
……やがてザキナはその「ひとつ」を手に入れるべく策動し始める。
そしてその正体と目的を知ったとき、ドーズは……。
……その大陸には、このような神話があった。
創星の神は
混沌としすべてが無であった宙に降り立つとともに
その聖なる絵筆を世に振るい
世界に光を与えた
世界に緑を与えた
世界に水を与えた
世界に風を与えた
世界に炎を与えた
世界に闇を与えた
だが
ただひとつだけ
永久永劫に自らのものとし世界には与えなかったものがあった……
……やがてザキナはその「ひとつ」を手に入れるべく策動し始める。
そしてその正体と目的を知ったとき、ドーズは……。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!世界に関与する大きな力を持つ少女と彼女を見守る男が最後に望むものは。
廃坑の奥で、白い花弁に包まれ、両手を鎖で戒められている少女ザキナを見つけた軍人ドーズ。彼女を保護したことにより、彼は世界を揺るがす運命に巻き込まれていく——。
可憐ながらもどこか昏い雰囲気のザキナと、彼女にかつて愛した人の面影を重ねて庇護せずにはいられなくなっていくドーズ。ザキナが有している「画力」という力のせいで、やがてドーズは大きな決断を迫られます。
ここで二人の逃避行の愛の物語となるのかと思いきや、ザキナにはもっと隠された思惑があり……。
時に人を傷つけることも厭わないザキナに戸惑いながらも、手を差し伸べることをやめないドーズの甘すぎると思える優しさがやがて想像もつかなか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!少女の心と体に宿ってしまった力の重さ
国境警備隊員のドーズが残党狩りの途中で発見したのは、
「画力」と呼ばれる描いたものを具現化させる力をもつ少女、ザキナ。
銀筆一本で恐ろしいまでの影響を周囲に与える能力を持ちながら、
心も体もまだどこかあどけない少女であるザキナに、
まだ詳しくは描かれないながらあちこちに窺える切実な事情をみて、胸が締め付けられるような思いになります。
栗色の髪に緑の印象的な瞳を持つザキナに、自身の後悔を重ねるドーズは、
そんな彼女の危うさを恐れながらも守ろうとしますが、
自身の立場がそれを阻み、思うように動くことはできません。
一筋縄ではいかないこの2人の行く末と、彼らの抱く過去や願い、
それらが明かされ…続きを読む