概要
【死狼餌】――それは不死身の〝餌〟
「私はなんのために生まれてきた?」
人間は〝死狼餌《しがみえさ》〟と呼ばれる不死身の少女達を創った―――。
※ ―― ―― ―― ※
蒸気機関による産業革命のすぐ後、ある大国で大きな技術革新が起こった。それは人食いの死狼の魂胞から『人の生命力』を抽出することだった。人間はその恩恵を得るため〝死狼餌〟と呼ばれる不死身の少女達を創った。
「みんな死狼に喰われちまえ」
死狼餌として生きるカイサは過去のトラウマから触覚を失っていた。
痛みも、寒さも、温かさも、何も感じることが出来ずにただ餌として『生きる』ことに絶望していた。
そんなある日、餌を輸送する馬車から逃げ出したカイサは死狼の森の牢獄で永遠を生きる死狼の〝不死〟と出会う。
「俺は生きなくてはいけない」
たった一人牢獄で長
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- ★★★ Excellent!!!恋を知って、生きる意味を見つける、ダークハイファンタジー
壮絶な過去を持ち、人間らしい心を殺し、死狼の餌として生きる少女、カイサ。
「何のために生きるのかなんて知らない。それでも人並みな人生を歩みたかった」
――過酷な背景に裏付けられた台詞の一つ一つが胸を打ちます。
一方、半世紀も牢獄に囚われながら生き延びている死狼、不死。
「俺は生きなくてはならない」
――朽ちかけてもなおトキという女性を想い続ける不死の誠実さ、強さが報われることを願わずにはいられません。
そして、そんなカイサと不死の出会いから様々に物語が展開されていきます。
気づけば読者の私も、カイサたちと共に希望を探して物語を追っていました。
文庫化されたらぜひ紙媒体で読みたくなる…続きを読む